オックスフォード通信(188)Stonehenge

世界遺産のストーンヘンジに行ってきました

行くべきかどうか、行くまでに何名か行ってこられた方々に聞いてみたのですが賛否両論でした。ある方は素晴らしい、来客が日本から来る度にお連れしている。ある方は時間の無駄。思ったよりも小さいし、大体近くに寄ることもできないと。

9月最後の日曜日、丁度時間もあったので思い立って行ってみることにしました。オックスフォードからは高速A34で南下し、1時間くらいのところで(Sutton Scotney)西にA303に入って30分、計1時間半ほどで到着しました(途中その西に折れるところを間違って戻ってきましたが)。

さて、結論から。高速A303を走ってそろそろかなと思う頃に、草原の真っ只中に突然、そのStonehengeが現れました。そう、突然。これは虚を突かれた感じなのですが不思議な感動がありました。そして、思ったよりも大きかったです。確かに触ることはできませんが、近くで見ることができます。私は断然行く価値があると思いました。インスピレーションが湧いてきます。

ここは世界遺産ですが、同時にイギリスのNational Trustという自然保護財団が管理しています。Visitorセンターという受付や駐車場はストーンヘンジ自体からはかなり離れた場所にあってそこに車を駐め、シャトルバスで移動することになります。

入場料は £20(3000円くらい)とかなり高いですが National Trust の年会員になっておくとむりょうで入ることができます(K先生のおすすめで6月に会員になりました)。

さて、シャトルバスで3分くらい揺られると到着です。ストーンヘンジを大きく取り囲むようにルートが設定され、確かに石に手を触れたり円の中に入ることはできませんが(夏至と冬至の日は特別に許されるようです)、印象としてはかなり近くで見ることができる場所があります。

「今日は混んでますか?」と受付で聞くと「Very Quiet」という返事でしたがかなりの観光客が来ていました。チケット売り場で自動再生のガイド(ditch, barrowという英語が何度も出てきました)を借りると「楽しい一日を」(うろおぼえです)と日本語で返ってくるほど日本人観光客も多いようです。

何が良かったかというと、これだけ有名で、世界遺産にもなっていて、いろいろな研究がなされているにも関わらず、このストーンヘンジが何のために作られたのか、分からないという謎に惹かれます。どうやってつくったかについては説明がなされていましたが(すべり台のような台を設置してひもで引っ張る)5000年~3000年前の人類がもし本当にこのような知恵を持っているとしたら驚異的だと思います。その目的ですが、夏至の日に光が一直線になるように作られているため自然を頌える又は自然を観測する施設、祭殿、何かのシンボルなどいろいろな意見があるようですが、ピラミッドのように絶対的な権力者(例えば王)がいない状況でこのような巨大建造物をどうして作ろうとしたのか、そこには作らないといけない理由があったとと思います。確かに祭殿かもしれませんが、自分の命を賭けてまで、遠くから石を運び、石の上に石を積み上げる一大建造物を一般国民が作ろうとするか、疑問です。

恐らく私達の想像を超えた理由があったはずだと私は考えています。

その疑問以上に感動したのは、紀元前5000年前にそのような知性をもった人類がいたことです。この原稿を書いている現在は2018年ですが、紀元後(AD)としてもまだたかだか2000年ほどです。紀元後にしても人類が生きてきた長い時間のほん1/4程度ということです。まして一人の人間が生きることができる時間というとほんの一瞬ということになるかもしれません。

自分の想像をこえた、人知を超えた何かを目の辺りにするのは自分の存在がいかにちっぽけなものかを実感させます。と同時に、そのようなちっぽけな人間でもそれぞれが命をつないできたからこそ現代の人類が存在するのだとも思います。

ひとはどこから来てどこに行こうとしているのか。そしてその壮大な人類の歩みの中での自分の役割は何だろうと、などと考えていました。

(2018.10.1)

★今回の教訓:手塚治虫は漫画「火の鳥」の中でストーンヘンジと奈良県の石舞台を比較していた。彼はそこに何を見ていたのか。
f:id:wakazemi:20180930105907j:image

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です