オックスフォード通信(107)スコットランド紀行(2)ホグワーツ 魔法学校

Glenfinnan Viaduct

これはハリーポッターの映画を見たことのある人なら誰でも「あ、あの!」と合点がいくと思います。ハリーポッター達がHogwarts魔法学校に入学するために蒸気機関車に乗っていく途中に鉄橋が出てくるシーンがあると思います。そこです。

2日目は、さすが宿の Premium Inn は便利な場所にあるだけあって駅もすぐ近くです。あいにくの本降りの雨でしたが(ほぼ3週間ぶりに本格的な雨を見ました)まず一日一往復半の蒸気機関車、The Jacobite 号の発車(10:15)を見送りにFort Williams駅へ。本当は乗りたかったのですが、割と(かなり)行き当たりばったりの旅行で予約というものをホテル以外していないので残念ながら予約で一杯で当日券を買うことはできませんでした(しかs、スコットランド人は親切で駅のチケット売り場で、鉄橋の通過時点を尋ねると親切に教えてくれました:ただ、イギリス英語の、A quarter past threeという言い方は頭の中で計算しないとなかなかピンときません。Three Fifteenと言ってくれません。3時15分前なら、A quarter to threeです。もちろん、出身の綾部中学校の英語の授業では当時そのようにきちんと教えて頂いています)。

Premium Inn はバイキング(Buffe, smorgasbord)スタイルの朝食なので昼ごはんは不要なくらいです(どうも貧乏性なのか、いわゆる食べ放題となると山のように食べてしまいます。オレンジジュース×2、マンゴジュース、目玉焼き、ベーコン、ソーセージ、マッシュルーム、焼きトマト、ハッシュドポテト、ベーグル、クロワッサン、チョコレートパン、マフィン、ヨーグルト、ダブルエスプレッソ、ラテ、ヨーグルト。これが1日目(2日目も)の自身のメニューです。

さすがにこれだけ食べると昼食は不要なのですが、2時間くらい大脳が働きません。周りをよくみると、このような食事を続けたせいか、お腹の出ているおじさんが沢山います。今後はバッフェ形式の朝食(日本に帰ったらディナーかな)でこの1/3とは申しませんが、半分くらいで満足できるようにしたいと思います。

さて、少し朦朧とした頭で向かったのが、本場スコッチウイスキーの蒸溜所 (distillery) です。ネビス山の麓にあるので銘柄は Ben Nevis です。かなり合理化された蒸溜所のようで、ひとり£5を払うと Vistor’s Centre で待つように言われ、スコッチウイスキーのいわれについてのビデオ(3分くらい)を見せていただきます(日本人も多いのか、ビデオの言語には日本語もありました)。私の前が30人くらい、後も20人くらいだったのですが、たまたま谷間のツアーだったので4名でのツアーでした。気楽にいろいろ質問したり雑談をしたりという感じの楽しいウイスキー工程ツアーとなりました。このBen Nevisはスコッチウイスキーでよく使うピートは使わないタイプだそうです。ビックリするのは全社員が21名しかいないということで、この人数でツアーガイドから実際のウイスキーのモルトの仕込みまでやっているそうです。すごい。最後にお決まりの試飲をさせて頂いたのですが、まろやかで美味しいウイスキーでした(あまりに感動したので大瓶1本購入しました。日本に帰国するまでは残念ながら持たないと思います。しかし、試飲のウイスキーの入れ方もさすが21名でやっているだけあって大雑把でグラスを30個くらい並べておいて上からざーと流し込む感じです。ツアーガイドのお兄さんが私が日本からきたと言ったら、(サントリーではなくて)日本にはニッカがあるね、と言っていたのが印象的でした。ニッカの創業者竹鶴政孝がスコットランドでウイスキーの勉強をしたことが影響しているのでしょうか。

さて、ウイスキーで少し頭の回転お良くなってきたので次に向かったのがNeptune’s Staircase (いわゆる運河)です。これは遠くの Loch Lohy と Loch Eil を結んでいます。当日は通行する船は見ることができなかったのですが、ゲートを開けて水位を同一にする作業を見ることはできませした。デジタルとは程遠いアナログの世界ですが、水の力の力強さとそれを利用する人間の力を目の当たりにすることができました。原初的ですが、感動を覚えます。

その足でいよいよ有名な鉄橋、Glenfinnan Viaductへ。ただ行ってみて分かったのですが、鉄橋はあとで、それよりも1745年の Prince Edward がJacobite党(蒸気機関車の名前にもなっています)を蜂起してイングランドに反旗を翻した場所の方がもともと有名だったそうです(その蜂起を記念するモニュメントの塔が湖のほとりに立っていて、現在はNational Trustが管理をしています。K先生のおすすめで会員になっていた私は颯爽と会員証を提示して塔をひとり[私の前にジェントルマンが降りてきた切りで塔に登ったのは私ひとりでした]頂上まで登り、Loch Shiel を優雅に眺めていたのですが、ついパノラマ写真を撮ろうとと思い立ち、360度一人でくるりと回ったのはよかったのですが、自分が上がってきた上り口があることをすっかり忘れて、350度くらいのところでその穴というか上り口に左足を取られ、左膝、iPhoneを持っていた右手が塔を形作る岩と激突してしまいました。私は当初、パノラマ撮影をしていたiPhoneが突然視界から消えたので何が起きたのか1-2秒分かりませんでした。よく学生の皆さんには留学や旅行で100%何かをしようとしたら無理をすることになり怪我をしたりするから80%くらいに抑えるようにアドバイスをしているのですが、絶景などを見るとついそのようなアドバイスをしたことを忘れてしまします。いけません。激突後、まずい!と思ったのですが、幸い、かすりギズの出血くらいでおさまって良かったです。今後は十分気をつけたいと思います。パノラマは激突の直後だけ画面がガクンと下がっています。見たい人は帰国後研究室に見にきてください)。

スコットランドの人達は自分たちのために蜂起してくれた Charles Edward Stuart を誇りに思っているようで Glenfinnan Parking には記念展示がしてありました(ここで私は高校時代の世界史の授業でジェイコブ党やエドワードを習ったことを思い出しました)。

朝ごはんを大量に食べていたにも関わらず、パーキングのレストランで、ハイランドスープという名前を見つけて、つい食べたくなり、ついでに一緒においてあったパウンドケーキも一緒に注文して食べてしまいました。イギリスではToiletsがなかなかないので見つけたら行くようにしているのですが、こちらのトイレ、特に男子トイレがヒドイです(女子トイレは入ったことがありませんので分かりませんが、恐らく日本と同等のレベルだと思います)。

さて、View Pointというのがその鉄橋を一望できるところで、少し時間も早かったのですが、上りはじめした。行って見てびっくり。降りてくる人や(鉄橋だけを見に行ったのか?)登る人で結構な人でした。ほとんど事前に調べないで来ているのですが(すいません)、かなりの人気スポットのようです。

日本人は他に会いませんでしたが、かなり多くの国々から旅行者がきているようでした。このGlenfinnan鉄橋は展望がいいので今回私が見たView Point以外にもいわゆる世界各国の「撮り鉄」と言われる人達はあちらこちらの場所に構えているようでした。なぜ分かるって?展望がいいので、本当に豆粒くらいですが、あちらこちらに人影が見えるのです。また若者は山の中をどんどん歩いて自分にとっていい場所を見つけようとしているようでした。

スコットランドは緯度がいっそう高いためか(イギリス自体緯度がとても高い。ロンドンで北海道の北の樺太くらい)、高い木がほとんど生えていません。よって草原が生い茂っている感じなので人の姿もかなり遠くでも分かります。

15:15、そろそろという頃に予想とは反対の方角から、蒸気機関車 Jacobite号がやって来ました。でも、蒸気機関車のトレードマークのモクモクとした煙が出ていない。ええええ、と思ったのですが、そこはさすが。鉄橋の真ん中に差し掛かった頃に迫力の煙を出し、なかなかいい音を立てて鉄橋を渡り、緑の大地の中に消えて行きました。

そろそろ帰ろうと思ったのですが、皆さん席を(その場を)立とうとしないのですね。何かある?すると5分後くらいに反対方向から別のJacobite号が蒸気機関車反対向きでやって来ました(終点のMallaigには京都の梅小路機関車館のような回転台がないのでFort Williamsからやって来たのと同じ形で、今後は機関車を逆向きのまま発車するのだと思います。翌日ですが、 Mallaigで反対のまま発車するJacobite号とその姿を写真に収めようとする沢山の撮り鉄を目にしました)。

得しました。しかも今後はさらにサービス満点で鉄橋の真ん中に近づくとスピードをグンと下げるのですね。これは恐らく列車に乗っている人が鉄橋からの風景を楽しめるような配慮だと思います。

いいものを見たと思いました。同時に、中学生の頃、住んでいた京都綾部市周辺を走っていた蒸気機関車がみるみる廃止されていくのがキッカケで、遠くは和田山や長野県の中津川や三重県の亀山まで蒸気機関車の写真を撮りに行っていたことを思い出しました。実に45年くらい前の話ですが。

夜は、サッカーW杯準決勝イングランド対クロアチアの試合を恐る恐る昨日を同じパブに観に行き夕食として、スコットランド名物ハギスを頂きました。結果的に前半1-0で勝っている状況のハーフタイムで店を出て残りはホテルで観たのですが、パブではもちろんそんなそぶりも見せられなかったと思うのですが、素人目にもクロアチアの勢いは明白でした。

何でもそうですが、守りに入ると人は弱いですね。守り切れません。クロアチアは0-1になったのでそれこそ死にものぐるいで向かって来たのですが、イングランドは割と簡単に先取点が取れてしまったので安心したのでしょうね。でも負けた後のイングランドの South Gate 監督の毅然として堂々とした態度は立派だっっと思います。座り込んでいるイングランドの選手を立たせ、何も悔いることも恥じることもなく、自分達がやって来たことを誇りに思っている姿勢が観て取れました。敗者の美学を観た思いです。

旅に出ると(今回のオックスフォード自体が旅なのですが)、いろいろなものを見、いろいろな人と話し、その結果いろいろと考えます。そしてその考えが自分の中にある何かとリンクしていくようで (connecting the dots)、自分でも多白く思います。

明日は、3日目の様子について書きます。少し冗長になっていますが、備忘録を兼ねていますのでお許しいただきたいと思います。

(2018.7.12)

★今回の教訓:歴史の舞台に立つといろいろな考えが浮かんでは消えていく。250年以上前の出来事が今にもつながっているようで興味不快。すると歴史やイギリス文化・文学について、知りたくなってくる。文学や文化史に興味がなかったのに不思議なものだ。
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