メディアのインパクト

小学校の頃の宿題で、「テレビが普及しても新聞が廃れないのはなぜか」ということを考えてくるものがあった。あの ころは、手元でじっくりとみたいから、また何度も読み返せるから、というのが模範的な答えだったようだ。最近、インターネットの教育的価値について考える ときに、これと同じような疑問を抱いている自分に気づく。つまり、こうだ。ニュースは、テレビはもちろんのこと、インターネットでも読めるようになってき た。しかも、自分の好きなときに。さて、小学校時代の自分の模範解答をこれに当てはめると、手元でじっくりとみたいからというのは、コンピュータスクリー ンをじっくりみることは可能だから△、何度も繰り返し読み返せるからというのは、完全に○、ということで、新聞は滅びかける運命をたどるはずだ、が、そう はならないだろう。こどものころには思いもつかなかったもうひとつの大切な要因があるのだ。最近やっと、それに気づいた。それは、先日妻と田舎暮らしのメ リットとデメリットという両義性について話をしたことへさかのぼる。

話の中で、カルチャースクールの話になった(朝日新聞の広告をたまたまみていただけだが。大学の同僚の名前を発見したりしておもしろかった)のだが、田舎 暮らしの最大の欠点は、カルチャースクールやコンサートなどに簡単には行けないことだ、ということになった。
「だったらディレクTVなど衛星放送でもやっているではないか。」
「でも同じ内容でも全然違う。」
「なるほど。」
と、やはりテレビの限界を感じるという点で意見が一致した。なぜ、カルチャースクールの同じ内容をビデオにとってテレビでみても印象に残らないのか?アル フィーのコンサートをペイパービューで390円お金を払ってみてもそれほどおもしろくないのはなぜか?それは高いお金を払っていないからか?多少はあって は、それほど大きな要因ではないだろう。それは、テレビの画面が小さいからとか、全部を映しきれないからということもあるけれど、情報を受け取る際の直接 性ということなのではないだろうか。テレビは、音声と画面情報のみを伝えてくる。しかし、実際のカルチャースクールの講義では、講師の顔の細かな表情や いってみれば汗、教室のにおい、それらがトータルな形で否が応でもついてくる。コンサートでもしかりである。さらに、決定的なのは、その場に居合わせるほ かの人々の存在である。教室でおもしろいのは、教師よりも一緒に学ぶ生徒であり、コンサートでは、楽しかったり腹立たしかったりするが、はじめっから立ち 上がったりして熱狂するファンである。このようなどうでもいいものはテレビではカットされるか、すみに追いやられるだけである。このような直接その場に居 合わせたものでなければわからないような情報が結構大切なのではないだろうか。

こ のことは、実はもっと前からうすうす感づいていた。そう、1995年の阪神淡路大震災の時である。大学から何度か、ボランティアで芦屋へ食べ物を届けに いったが、あのときみた(受けた)震災の被害のショックはテレビのニュースからは決してわからないものだった。そう、テレビでは見るか聞くしかないけれ ど、歩いてみることからは、家がつぶれたに土臭いにおいも感じるし、寒さも感じる。また被災した人の目がじっと私たちを向いているのも印象的だった。

は なしが、飛びかけているが、私が今、関心を持っているのは、英語学習でもインターネットの利用可能性が論じられるようになってきているが、はたして、どの 程度その効果があるか、学習者に対するインパクトという点から考えるときがきているのではないか、と考えるからである。電子メールは、またはチャットは直 接コミュニケーションの代わりになるかもしれない、という議論がある。また、Web上のバーチャル図書館は、本物の図書館の代わりに、インターネット新聞 はプリントされた新聞に取って代わるかもしれないと。E-mailは確かに便利で有効であるが、直接会って話しをする事に及ばないのはもちろんのこと、 snail-mailという原始的な直接郵便でもらう手紙の方がはるかに伝わってくるものがある。もっといえば、ワープロやコンピュータでかかれた手紙や プリントよりも手書きの方が(最近は遙かに少なくなってしまったが)あたたかな気持ちが伝わってくる(西島良平の「三丁目の夕日」のような)

イ ンターネットの便利さの中で英語学習で利用できる点は何で、やはり原始的な人と人が会って直接話したり教えてもらったりという関係でないとできないものは なになのか、という点をこのメディアのインパクトという点から考えてみたいと現在思っている。(まだまだ、まとまりきらない文章のままだが、今日はここま で)

(1999. 2. 26)

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