オックスフォード通信(50)Not Special

イギリスは日本よりも先進的なのか?

英語を学んでいる人達は英国というイギリスに憧憬の念だけでなく日本とは異なる所をみつけてはやっぱりイギリスはいいよね、だから日本は駄目なのよ、と言いたくなると思います。ハリーポッターもピーターラビットも、不思議の国のアリスも、ホビットもシャーロック・ホームズも日本人では作れないよねと(念のために私はこの5つとも大好きです)。

このブログも皆様のご支援によって50回目を迎えることができました。この間、イギリスと日本の違い、オックスフォードに来てから私がおやっと思ったことを書き綴って参りましたが、読み方によっては大英帝国万歳に聞こえるかもしれません。事実、日本の大学よりもオックスフォード大の方が優れているところを沢山書いています。

でもそうではないのです。じゃあ、よく海外にいる日本人が日の丸を見たら、君が代を耳にしたら涙するような愛国者になったのかといえばそうでもないのです。

確かにイギリスには魅力的な所が沢山あります。ひとりひとりを大切にするような姿勢、ひとりひとりとコミュニケーションを大切にするところ、レディーファーストが徹底していて男性が威張り散らしたりしないところ、歴史を大切にすることろ、BBCのテレビのクオリティーが高いところ、ビールが美味しいところ、蚊やハエ、虫がいないところ、ゴミゴミしていないところ、湿気が少なく爽やかな天候が多いこと、ゆったりしているところ、バスがすぐに来るところ、バスが二階建てで景色が楽しめるところ、働き過ぎないところ、幸せそうな人が多いところ、芝生がどこも綺麗なところ。

でも、おやっと思うところも少なからずあります。例えばバスの乗り方。一人一人と運転手さんが話ながら切符を売るので長蛇の列ができるところ、昨日のように急に列車がキャンセルになるところ、列車が遅れるところ、安心できないところ、オックスフォードで最強と聞いたVodaphoneですら圏外になることが頻繁なところ、お店がすぐに閉まるところ、仕事が遅いところ、ショッピングモールやレストラン街でのトイレが異常に少ないところ、トイレのウオッシュレットがないところ、ラテのミルクの割合が多すぎるところ・・・書き出すとイギリスの魅力と同じくらい不満も出て来ます。

しかし、丁度、英語学習に見られるようにこれは単なるスタイルの違いなのかもしれないと思うのです。日本ではあり得ないようなお店の営業時間も(パブは開いていますが)コンビニや大手スーパーだけが儲からないようにパイを上手く分け合う手段なのかもしれないと考えてみるといいのかもしれません。

先日参加したセミナーで日本の教育制度がいかに先進的かというレクチャーがありました。私はそんなバラ色ではない、例えば日本の学校の大クラスは大きな問題じゃないですか、と質問したのですが、イギリス人の講師は大クラスにすることによって教師の数は抑制されその分教師の待遇は他国に比べて手厚く、優秀な人材が集まりやすくなるいいシステムだと答えていました。100%納得しませんよ、とは言ったものの、そのような見方もあるのか、と感じました。

自分の国だけが正しかったり間違っていたりするのではなくて、違和感を感じるところは他国や多文化を参考に自国にないものを柔軟かつ平和的に取り込むチャンスだととらえる方がいいのだと思います。特に、英語に関わる人達は英語圏の文化こそが素晴らしいと思うかもしれませんが、日本も捨てたものじゃないと思った方がいいと思うのです。

同じ人間が長い歴史を生きてきたわけですから、どこかが100%正しくどこかが100%間違っていると考えない方が健康的に進歩できると感じています。

愛国者にも他国追従者にもならず自分らしくかつ持続的に成長しながら生きることができるチャンスが、多文化や他言語との接点から得られるサトウキビ(宝)ではないでしょうか。

来春、帰国後私の研究室のドアにユニオンジャックが飾られることのないようにしたいもと決意しています(怪しい?)(2018.5.16)

★今回の教訓:卑屈にならず、尊大にならず、他者も自己も尊重できること。それは異なるものに触れることでしか得られないのかもしれない。そういえば通っていた高校の校訓は真理を探究せよ、社会に貢献せよ、そして自己を尊重せよ、であった。流石、校祖弘法大師も中国留学経験者。
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