オックスフォード通信(28)Oxford University が世界一の秘密(1)PDFの壁

オックスフォードに来て、何がこの大学を世界一にしているのだろうと考えています(これもまた今回、オックスフォードに来た理由の一つです。MI6のようですが)。

その一端を御紹介したいと思います。これはある程度予測していたことではあるのですが、研究資料がすぐに手に入るのです。

今回 Visiting Research Fellow(日本語に直すと客員研究員です)として滞在させていただいています。スペースの関係で研究室は頂いていませんが(といってもR先生のお計らいで研究室の鍵を貸して頂き月曜日は自由に、その他の日もR先生が使っていない日は研究室を使わせて頂くことになっています(通信16参照)。加えて、ほぼほとんどオックスフォードの先生と同じような研究環境を提供して頂いています。そのマジックがオックスフォード大学のIDカードです。

これは魔法のカードでこのIDがあると(写真好きの私としては載せたいところですが、さすがにマズイと思いますので控えておきます)図書館は全部で20個くらい自由に入ることも出来ますし、何よりも優れているのがあらゆる資料をインターネット上で探すことが出来ることです。

もちろん日本でもできるのですが、よくあるのは資料は見つかってもPDFにアクセスできなくて必要なら$30で購入しろというのですね。非常勤で教えている関係で日本の最高峰と言われるK大学のアカウントを頂いていてここ数年データーベースにアクセスさせて頂いているのですが、それでもPDFの壁はあってアクセスできない資料は一定あります(D女子大<D大学<K大学という感じです。これは学生数、大学規模からして仕方ないのですが・・・)。でもここオックスフォードではいまのことろ見つけたい資料でPDFで出てこない資料は今のところゼロです。

インターネットとオックスフォードのIDこれは魔法ですね。時々すぐに出てこない資料があるのですが、先日ライブライアンのCさんに詳しくガイダンスをしていただいたのですが、その場合魔法の(と言っていました)Find in Oxfordというアイコンを押すと何とか出てくるのですね。

このスピードはすごいです。考えがどんどん connecting the dots する感覚がします。これはそれだけの財源をe-journalやデータベースに支出しているということだともいます。数年前にトロント大学で使っていたEric(アカデミック版)を大学図書館に入れて欲しいと要望したところ使用者が私に限られるかもしれない、年間120万円の経費がかかるという理由で却下されました。あの時どれほどの絶望感を味わったことか。

誰が使うか分からなくても何か可能性にお金をつぎ込むのが教育研究の在り方だと思います。オックスフォードは構えは創立の1200年当時のままですが、中身は恐ろしく進歩的で、未来志向です。

このデータベースを目の当たりにしたとき、研究者がどれだけわくわくするか、文部科学省も大学の財政当局も思いを及ばせて頂きたいものだと密かに思っておりました(といってここに書いたら密かにならないでしょう、という声が聞こえてきそうですが)。

(2018.4.24)

★今回の教訓:研究の壁は研究者の怠慢ではなくて財政当局のものであるかもしれない。あらゆる論文が一瞬で手に入るのはまさにハリーポッターの魔法のようだ。オックスフォードにも春が訪れつつあります。
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