オックスフォード通信(291/74)i-Seminar:第16回卒業研究発表会

18期生の卒業研究発表会が開催されました。

次期4回生の19期生の皆さんも司会やタイムキーパーとしてヘルプに入ってくれました。リハーサルの効果もあり、それ以上に大学生活最後のプレゼンテーションという意気込みが功を奏して、これまでにない大成功の卒論発表会となりました(卒業研究ですが、若ゼミでは卒論を書いていますので伝統的に卒論発表会としています)。(ひとりの持ち時間は15分、内、11分を発表、4分を質疑応答、5分を入れ替え)

ただ、この発表会には問題が3点ありました。

  1. 発表会場にWifiが通っていない
  2. ゼミメンバー数が学科随一のため途中から2会場で同時進行となる
  3. イギリス=日本の時差が8時間、開始時間の午前10時がオックスフォードで午前1時

問題は解決できるものです。

  1. ソフトバンクが提供している1日Wifiパックを2会場分、都合3日(前日、当日、返却日)借り上げる→Hさんがピックアップ・返却の労を取ってくれる
  2. ゼミメンバーを2会場に分けて、2日以上から同時中継をしてもらい、iPhoneとMacBook Proで同時にオックスフォードで視聴する
  3. 一晩徹夜すればいいだけの問題なので気合と体力で乗り切る

実際、スムーズに進めることができたと思っています。
全18名、一人一人に質問もすることができました。音声が聞こえにくい状況では、LINEに質問を上げて、交替で代読してくれました。以下は質問の一例です。

Mxxxx, thank you very much for your nice presentation. I was very impressed with your interesting research.
Based on your research, what advice would you give to Japanese TEACHERS of English at junior high school students? Pick up only one from your research.

Axxx, thank you very much for your nice presentation. I was very impressed with your interesting research.
Could you tell us why you were interested in this topic, debate class?

Nxxxx, thank you very much for your nice presentation. I was very impressed with your interesting research.
After graduation, I know you will start teaching English at junior high school somewhere in Kyoto prefecture. How would you like to use the results of your research for your job?

Cxxxx, thank you very much for your nice presentation. I was very impressed with your interesting research.
As you showed, in general Type 2 grammatical items are most difficult. For Japanese high school students, what advice can you give? Should they give up learning prepositions? Or is there any good way to deal with prepositions?

One more question to Cxxxx … (if there is time)

After graduation, I know you will teach Japanese in Australia. How would you like to use the results of your research for your job starting this April?

Yxxx, thank you very much for your nice presentation. I was very impressed with your interesting research.
As you showed, teacher has a big influence on learning English for foreign language learners.
After graduation, I know you will start teaching English at junior high school somewhere in Nara prefecture. How would you like to use the results of your research for your job starting this April?

Mxxx, thank you very much for your nice presentation. I was very impressed with your interesting research.
After graduation, how would you like to use the results of your research for yourself? For example, how can people improve confidence in speaking English in a working situation like a company?

Nxxxx, thank you very much for your nice presentation. I was very impressed with your interesting research.
Based on your research, to make students enjoy English class, what advice would you give to Japanese TEACHERS of English at junior high school? Give them one advice.

Mxxx, thank you very much for your nice presentation. I was very impressed with your interesting research.
You proposed that for Japanese students who have a big gap, they need to achieve some small tasks, step by step to bridge the gap. For that purpose, what small task should be the first task to be given, in the case of junior high school students?

Rxxx, thank you very much for your nice presentation. I was very impressed with your interesting research.
You showed us the results of participants of Japanese majors. Their motivation remains in simple instrumental motivation. They might be the typical example of average Japanese people. Based on your research, how can we change their image of English?

Sxxx, thank you very much for your nice presentation. I was very impressed with your interesting research.
It is a very interesting result, indeed. Like Australian participants, how can Japanese students have more positive attitudes toward using English?

One more question
After graduation, I know you will teach Japanese in Australia. How would you like to use the research results for your job starting this April?

Rxxx, thank you very much for your nice presentation. I was very impressed with your interesting research.
Based on your research, to make students have more successful experience, what advice would you give to Japanese junior high school students in Japan?

One more question to Rxxx
Could you tell us why you were interested in this topic in relation to your twin sister

Axxx, thank you very much for your nice presentation. I was very impressed with your interesting research.
It is a very interesting result, indeed. Could you tell us why you were interested in this topic?

One more question to Axxx
If you suggest one movie for learning English with English subtitle, what movie would you recommend

Mxxx, thank you very much for your nice presentation. I was very impressed with your interesting research.
It is an interesting result. Could you explain more about affable learning environment? What is important for making the affable learning environment?

Hxxx, thank you very much for your nice presentation. I was very impressed with your interesting research.
After graduation, I know you will teach Japanese in Australia. How would you like to use the research results for your job starting this April?

Nxxx, thank you very much for your nice presentation. I was very impressed with your interesting research.
After graduation, I know you will start teaching English at junior high school somewhere in Sakai-shi. How would you like to use the results of your research for your job starting this April?

Mxxx, thank you very much for your nice presentation. I was very impressed with your interesting research.
You showed us the unique aspect of confidence. After graduation, how can you use this result of your research for yourself?

Hxxx, thank you very much for your nice presentation. I was very impressed with your interesting research.
According to your research, what can we or Japanese people learn from Asian college students?

発表や質疑応答を聞きながら胸が熱くなる想いでした。担当者がその場にいなくとも、いやいなかったからこそそれぞれが出し惜しみすることなく、力を十二分に発揮した姿をインターネット越しでしたが目の当たりにすることができました。

素晴らしいゼミに成長出来たと思います。

まさに世界一のゼミだと誇ることができます。

★今回の教訓:苦難を乗り越える度に人や集団は成長出来る。

(2019.1.12)
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オックスフォード通信(290/75)新年会

St. Antony’s College にあるNissan Instituteの新年会に参加させて頂きました

私はカレッジに所属していませんので本来は参加できないのでしょうが、Nissan Instituteのセミナーに足繁く通っている中でI先生をはじめいろいろな先生方とお話する機会が増えてきたこともあり、ご招待していただきました。

ポトラック形式の新年会でしたので、夏に(!)友人のIさんがやって来た時に持ってきてくれた稲荷を使って、妻がいなり寿司を綺麗に仕上げて一緒に出かけました。こう書くと自然ですが、日本であれば大学の新年会に家族で参加することはまずないように思います。

St. Antony’s CollegeにはNissan Instituteが有る影響で著名な日本人社会学者K先生をはじめH先生(同志社大学のビジネススクールのメンバーでもあるそうです)など多くの日本通の先生がおられます。またK先生のもとで博士論文を書いている日本人大学院生や私のようなサバティカルで所属している日本の大学教授もおられ、ちょっとした日本グループが形成されています。

普段のセミナーと異なりこのような場面ではつい本音が出るのがおもしろいところです。会も終盤という頃に、自然と数名の日本人が集まり、老後の話で盛り上がりました。その中で議論の中心になったのは、学者にとっても有意義な60代の過ごし方はというものでした。

年齢的に学内外の役職が回ってくることもあろうかとおもうけれど、それはなるべく遠慮するべきであるというのがその場の結論でした。自分の好きな本を読んで、自分の好きなことを書く(このブログもそうかも?)、好きな時間に好きなことができる時間的余裕があることが重要だというものです。

在外研究という日本の大学のしがらみから一切解き放たれてる状態ですので、研究とはほぼ無縁の業務・ペーパーワークに終われるあの忙しい毎日をすっかり忘れていたのですが、ここオックスフォード大学では、ほとんどの先生がそのような雑務に追われることなく、自分の好奇心が向くままにゆったりと過ごしておられる姿と符号するような気がしました。

自分の好きなことを追求するからこそ返って生産性が高く質の高いいい研究ができる。そのような60代はいいものだと、得心しました。この新年会に来て良かったなと思いました。これから10年間のロードマップが見えたような気になりました。変な功名心に駆られることなく、自分の研究の集大成をする、そのような10年間を何とか実現したいと思います。ご協力を!

(2019.1.11)

★今回の教訓:明日は父の誕生日。生きれていれば95才。まだまだ父を超えられない。

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オックスフォード通信(289/76)GNH

ブータンの前首相Dasho Tshering Tobgayさんの講演を聴いてきました

ブータンは幸せ指数が (Gross National Happiness)が世界一であるとして注目を浴びたことがあります。オックスフォード大学が誇るシェルドニアン・シアターで盛大に開催されました。

ブータンの前首相も次にレクチャーを行った研究所所長のDasho Dr Karma Uraさんも出で立ちはブータンの民族衣装で(会場にも同様の民族衣装の人達が所々に見られました)しかもこの話はもうご存じかもしれないけれどと断られたり、Karmaに至っては最初に演壇の真ん中に移動してわざわざ大きく一礼をされました。欧米とは異なるアジアの人達が共有する謙虚な姿勢をみてほっとするところがありました。

Tobgayさんのお話でブータンの概略が分かった気になります。人口80万の小さな国、王政であるが王が民主化を進めるために、敢えて国家議員選挙を行ってきたこと、若者は英語に触れる機会もインターネットに触れる機会も多くあることなど。

質疑応答でもあったのですが、それだけ幸せ指数の高いブータンでなぜ政党選挙が行われ、政党間の相違があるかというのも興味深いところです。

後半の discussants のMartine Durand (Chief Statistician, OECD) が述べていたことは印相的でした。なぜ、GNHが必要なのかと。GNPは結果的に配分が不平等でGNPがいかに伸びても国民の幸せにつながっているとは限らないと。Natural Capital, Human Capital, Social Capitalという話を聞いてて、以前Meg Jayが20代にはIdentity capitalを築く事が重要であると述べていたことを思い出しました。

調査をすることは実行することである、という言葉も心に残りました。調査をしながら政策に生かしてゆくという姿勢は重要であると思います。

(2019.1.10)

★今回の教訓:どの調査をみても日本が上位に入っていないのはGNPの配分以外のマインドセットの問題もあるのではないかと思う。

オックスフォード通信(288/77)About Time

久々に映画 About Time を観ました (Netflix)

一番好きない映画は?と聞かれたら、最近ではこの映画をあげると思います。よく見るとロンドンの風景がたくさんでてくるということもありますし、主演のRachel McAdams や父親役のBill Nighy が好きだと言うこともありますが、テーマがとてもしっくりくるところが一番いいのだと思います。

映画の最後の方でDadがTimにHappinessの法則を教えるシーンがあります。その一、毎日を普通通りに生きること、第二、その毎日を2回目は楽しく何かに気づきながら生きること。そしてTimはそれを統合して、タイムトラベルをしなくても、人は人と一緒に毎日をタイムトラベルしている、その貴重な時間をまるで2回目の人生のように丁寧に生きることこそが人生のHappinessであると悟ります。

私は他の人から見ると、人以上に楽しく生き生きと生きているように見えるかもしれません。正直なところ、そのような実感はないのですが、この映画を観て、Timが悟ったのと同じ事を考えながら生きてきていると思いました。

人生に後悔することはないのですが、悲しく思うことはあります。2年前、義理の母を亡くしたこと、昨年父を亡くしたこと、そして今日、14年間家族として一緒に生きてきた愛犬のマルが虹の橋を渡りました。正直なところ小さい頃から犬が嫌いだった私にとってはじめて可愛いと思える犬でした。赤ちゃんのころにやって来たというのが良かったのか、愛らしいビーグル犬というのが良かったのか、いずれにせよ自信をもって愛犬といえるマルでした。

イギリスに来ることが決まった際に本当は飛行機の中で死んでもいいから連れてこようと思ったのですが、検疫が半年もあることを知って、一緒に来ることを断念しました。幸い、自宅から車で40分のところにある「老犬ホームのアン」さんに預かって頂くことができました。そこは老犬ばかりが預けられているいわば犬の老人ホームなのですが、冷暖房完備で一日に何度もランに出して頂き、24時間態勢で面倒を見てもらってきました。

2年前の夏に一度立てなくなりもう駄目かと思ってからの奇跡の回復を見せたマルでしたが、腎臓が悪くなっていて、昨年の9月に一度危篤状態に陥りました。この時はもう駄目だと思い、大阪に住む子ども達にもお見舞いというか会いに行ってもらったことがありました。獣医さんには腎臓のこの数値で生きていることが奇跡と言われながらそこから奇跡的に毎日を生きてきていました。あんさんは、入所している犬たちの写真やビデオをFacebookに毎日紹介してくださっていたので、その写真をオックスフォードでみるのが日課として楽しみにしてきていました(特に妻)。

年も明け、いよいよ帰国が視野に入ってきましたので、どうやって迎えに行こうかと話をしはじめていました。すると丁度本日、アンさんから朝はご飯を食べたけれど夕方は寝たままで食べないと連絡がありました。

2年前に死にかけた際にもご飯だけは食べていましたので、ビーグル犬がご飯を食べないことの重大さは良く認識していました。その連絡があってしばらく経って、せめて動画を送ってもらうように頼もうと言っている際に、日本時間の夜7:50に息を引き取ったとの連絡がありました。

朝には立ってご飯を食べていたので犬としては理想的なピンコロなのかもしれません(縁起でもないですが私も天界に帰る時にはこのパターンがいいです)。眠ったまま苦しむこともなく、最後に大きく2度息を吸って虹の橋(この表現アンさんのマネをしています)に向かったそうです。アンさんからは誰に迷惑をかけることもなく大往生だっと言って頂きました。

家族として一緒に楽しい経験をしてきただけに悲しみはひとしおです。特に、その場にいられず外国でその報を聞く方が辛さが増すのだと思います。できればその場にいてやりたかったと思うのは正直なところです。

このブログがアップされる頃、アンさんが京都北白川の動物霊園に連れて行って荼毘に付して頂くことになっています。アンさんには本当にお世話になりました。アンさんのところで手厚く面倒を見てもらわなければ、また他のワンコとも交流しなければこんなに長生きはできなかっと思います。マルも犬冥利に尽きると思います。老犬ホームあんさんに心から感謝しています。

About Time のように一緒に生き生きと人生を楽しめてきたのもマルのおかげだったと思っています。若ゼミでいうと4期生の頃からですので本当に長い人生を一緒に生きてきたと思います。時々生意気で逆ギレすることもありましたが、それも今となってはいい思い出です。今はマルに感謝の言葉しか見当たりません。変な言い方ですが、でも、またどこかで会えることと思っています。

マル、ありがとう!

老犬ホームアンさんのHPにある動画

(2019.1.9)

★今回の教訓:時間はあっという間に過ぎ去ってしまう。だからこそ楽しく大切に生きたい。

オックスフォード通信(287/78)Speeding Ticket

日本では21世紀になってから一度も交通違反がなかったのですが、ここオックスフォードでスピード違反のチケットを切られてしましました

といっても警察官に摘発されたのではなくいわゆるオービックという自動速度取り締まりの機械によってです。いつもどちらかというとスピードはもっと出さないと行けないとスピードを上げるように必死になっている方ですので(みなさん、時速120kmくらいでは走るので100kmくらいでは後に列ができるかどんどん追い抜かれるか、何かプレッシャーをかけられるかです)まさがスピードオーバー違反のチケットを切られるとは夢にも思っていませんでした。

それは自宅フラットの近くの路上でした。イギリスはメリハリがすごくて、AとはMという記号のついた高速、自動車専用道路にはまず自動速度取り締まりの機械は置いてないのですが、市内になると急に制限速度が30マイル(約48km)に制限されます。それまでビュンビュンと飛ばしていた車も急に速度を落とします。

そのような車列についている時は大丈夫なのですが、自分が先頭に立ったり、「つい」気が緩んだりすると、自宅が近くなったということもあり、スピードが出がちになります。

私が受け取った郵便には、30マイルのところを6マイル(=約10km)オーバーしていたとのこと。つまり、制限速度48kmのところを58kmで走っていたとのことです。

この話で昔、京田辺の警察署の前でスピード違反のチケットを切られたことを思い出しました。日本ではほぼどの警察署の前も制限速度が40kmになっています。ちょっと考え事をしたりしているとつい60kmくらいでてしまいます。これとよく似ているなあと思いました。

最終的には £100(=15000円)くらいの罰金を払うことになると思います。これについては後日談がありますので、また続きを書きたいと思います。

(2019.1.8)

★今回の教訓:日本でもイギリスでもスピード違反のチケットほど腹立たしいものはない。

オックスフォード通信(286/79)i-Seminar 第29回目:卒業研究発表会リハーサル

年明けの1回目のゼミは卒業研究発表会リハーサルです

といっても、不思議なことですが、休み明けとかにはトラブルが多いものです。気合をいれて午前5時に起床し、6時からの(日本時間は午後3時)からのゼミに備えていたのですが、今回のトラブルはアップル・IDの不調というものでした。ゼミの始まる10分位前から何度かアップルから、IDのリセットをするかというメールが届いていました。

以前、アップルID詐欺に遭ったことがありましたので、また来たなと無視していたら、日本側のMacのアップルIDが上手く入力できなかったようで、再入力するように本当のメールが届いていたものでした。こうなるといろいろとやっかいです。いわゆる秘密の質問にこたえなくてはなりません。2つの内の1つは正解だったようなのですが(おかしい、メモを見ながら答えたのですが)もうひとつの問いに正解できません。

このアップルIDは、Facetimeを利用するためにどうしても必要です。もうゼミがはじまって5-6分経ってしまいましたので、一旦断念してLineビデオでの中継に切り替えることに。すると、今度はネットワーク不調で1分に1回途切れるような状況に。本日のVermont Talk(Small Talk)は恒例のNew Year’s Resolutionで楽しみにしていたのですが、3-4名の決意を聞いたままで他のメンバーものものは聞けずじまい。気合をいれて作った、Words of the WeekもConvenerにお任せの状態でした。

でも、感じることはここまで積み上げてきたセッションを通してゼミメンバーは自分達の力で次々と臨機応変に判断して次々と進める力を身につけているということです。あるゼミメンバーが卒論を書き終えた後の感想で言っていましたが「coach(教員)がいなかったからこそこのように自分達で進めることができるようになった」のかもしれません。逆に言うと、これまでは学生自身がする力を教員が見くびり、親切と思ってやってしまっていたのかもしれません。イギリスというちょっとやそっとでは帰って来れない距離にいるのでいいあきらめがついているかもしれません。

でも、このことに気づいた意義は大きいと自分では思っています。来年度からまた4回生ゼミ(4回生からのスタート!)、3回生ゼミが始まりますが、「coachはイギリスにいると思え!」と宣言してなるべく手を出さないようにした方がいいのかもしれません。

その後は、今週末(1/12)に開催の第16回英語英文学科卒業研究発表会のリハーサルを行いました。それも手際よく、4つのスタディーグループに分かれて、プロジェクタに映しての各11分の発表リハーサルです。

本当は4つの別々の場所を用意しようとしたのですが、ラーニングコモンズ1Fのイベントホールは使用することができませんでした。理由は当日の利用申し込みはできないとのこと。必要であればK務課に申し込めとのこと。仕方ないので国際電話をかけて英語英文学科研究事務室から利用申請をしてもらったのですが、同様に前日までに申し込んでおかないといけないとのことで却下されてしまいました。しかし、前日までは大学は冬季休業期間でお休み。それを遡ると12月28日まで戻ることになります。もちろん、授業は計画的に進めることも大事だと思うのですが、教育はその場でのひらめきでこうしたいと思うことも多くあります。誰がが使っていて使えないのであればあきらめますが、誰も使わずの状況で、変な規則を元に使用させないというのは、お役所仕事のようでゲンナリします。ただ、これは対応した職員が悪いのではなくて、原則を踏まえた上での臨機応変の対応ができるような権限をその職員に与えていない大学運営の在り方に問題があるのだと思います。いつまでこんなことを続けているのだろうと、思います。

そんなこととは関係なしにゼミメンバーは、ワークショップスペースを2つに分けて、リハーサルを続けていました。このような臨機応変な対応ができる若者は流石です。

ゼミも大詰め。後半は、論文集の原稿のページ打ち。恐らく、800ページを超える壮大な論文集になっていると思いますが、個々人に任せっきりにしないで、全体で3-4名ずつの論文にページを貼っていく共同作業として取り組んでいました。このアイディアも私では出てこないものです。

来週のゼミは成人式でなし。そして、1/21はいよいよこのi-Seminarの最終回となります。

(2019.1.7)

★今回の教訓:アイディアは若者に任せる。特に方法論については私達よりも今の学生の方がはるかに柔軟に効率よく現状にあった方法を考えることができる。

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オックスフォード通信(285/80)テムズ川

ロンドンには散歩するのにとてもいいところがあります

もちろん、随分寒いので長時間の散歩は難しいのですが、どこの街でも川べりは散策するのにとてもいいコースとなります。京都であれば鴨川縁(賀茂川・高野川の合流)を今出川あたりから四条くらいまではブラブラと歩いていて気持ちのいいものです。

ロンドンであればもちろんそれはテムズ川沿いということになります。ウエストミンスター(ビッグベンのある辺り)から対岸をあるくといいのですが、スタートを、South BankのTATEモダン(美術館)、グローブ座辺りからスタートすると少し足をのばせば、ロンドンブリッジそして渡らなくてもタワーブリッジを遠望することができます(タワーブリッジは内部にも入れたり、渡ることもできるのですが、むしろ遠くから観ている方が綺麗です)。写真のように少し日が暮れかかるころが綺麗です(といってもこの写真は午後4時前です。冬は日没が本当に早いです)

鴨川の散歩は大文字や東山連峰を眺めながら、川の清流を時々みつめ、その川の音を楽しむのに対して、テムズ川の場合には山なんていうものはないし、川の色はいつも洪水のあとのような濁った色をしていて、流れもゆっくりなので川の音もしないので、周りの建物や大道芸人の演奏などを楽しむことになります。大抵、屋台がでているので、それらを冷やかしながら歩くのも楽しいものです。

いずれにせよ、散歩する道が用意されているのはいいことです。

少し不思議なのはオックスフォードにはそのような定番の散歩道がないことです。Philopher’s Path (Walk)(哲学の径)というのがトロント大にもありました。大抵、大きな大学のある街には知識人がいいアイディアを求めて散策する場所が自然とできているのですが、テムズ川の上流も流れているのでありそうなのですが、今のところ見つけられません。

ひょっとしたら、オックスフォードではカレッジの中の回廊やメドウ(meadow)がその役目を果たしているかもしれません。

(2019.1.6)

★今回の教訓:歩くと不思議にいいアイディアが生まれるという。私の場合には自転車に乗ること、カフェで冬なら熱々のココアを飲むこと。

オックスフォード通信(284/81)リバティー

ロンドンには老舗のデパートがあります

私はハロッズくらいしか知らなかったのですが、老舗のリバティーというデパートに立ち寄る機会がありました。ここは、リバティー・生地というのが有名だそうで、あちらこちらに色鮮やかな布地であるとか、そのデザインをかたどったノートやペーパーがおいてあります。エレベーターもあるのですが、全体が木の作りで石造りの他のデパートと随分印象が異なります。

概観はシェークスピアの時代の寄せ木作りのような古風な印象を与えます。もともと雑貨が好きなので観ていて飽きません。

(2019.1.5)

★今回の教訓:帰りにセールで売っていた、ひと瓶 £1(!)のストロベリージャムを2本買って帰りました。なぜ格安なのか聞いてみると賞味期限が1月末までだからだそう。お得。

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オックスフォード通信(283/82)あっさりしたお正月

オックスフォード通信(282/83)あっさりしたお正月

イギリスのお正月テレビは至って普通です

年賀状もありませんし(もちろんクリスマスカードはありましたが)、テレビも有名な映画(e.g.,ハリーポッターシリーズ)は比較的多く放映されていますが、元旦から特に変わったテレビがあるわけではありません。もちろん、年越しのカウントダウンはロンドン・ウエストミンスターからの中継で盛り上がっていましたが、それってきりくらいです。2019年を占うのような番組も目につきません。

街は1日はお店がお休みのところが多かったのですが、2日からは仕事もお店も通常通りというところが多いようです。確かに新年の雰囲気は少なく、多少寂しい感じもありますが、むしろあっさりしていてお正月をゆっくりと過ごせるような気もします。

日本では駅伝やラグビーなどのスポーツ中継にいわゆるお正月特別番組が多く組まれていていやがおうでもそれらをみてしまうので(意志が弱いだけですが)、毎年気がつくと5日くらいになってしまっています。また、年賀状。この2年、家族の逝去が続いたため欠礼をしていましたが、頂く年賀状のご返事を1月末にお送りしなければというプレッシャーをいつも感じながらお正月を過ごすというのが日課になっていました。

ではそれらが一切ないお正月は、というと、ひと言でいうと疲れないお正月です。変に、テレビにかじりつくこともなく、年賀状の心配をすることもなく、淡々と過ごすお正月です。日本のような賑やかにさあ!といった晴れがましいのもいいですが、イギリスのようなお正月の過ごし方もこれはこれで静かにいろいろなことについて考えることができるいいものかもしれません。

来年のお正月は日本ですが、日本でイギリス風の淡々としたお正月をすることも計画してみたいと思います。

(2019.1.4)

★今回の教訓:郷に入っては郷に従うのが筋ですね。

オックスフォード通信(282/83)Les Miserables

レミゼラブルをロンドン、ビクトリア劇場で観てきました

前々からロンドンでミュージカルを見たいと思っていたのですが、在英期間も残り3ヶ月を切りましたのでWish Listをどんどん実行することにしました。午後7時30分開演ということでしたので、15分位前に到着すると他の劇場にはかなりの人が並んでいましたが、ビクトリア劇場はもう既にお客さんが入館しているのか、それほどの人でもありません。インターネットで予約していましたので、チケット売り場で交換してもらい、荷物検査(バックパックを持っていきましたが、中身のチェックのみでクロークに預けるということはありませんでした)を受けて、いざ、劇場に。バーの入り口かと思ったらもう既にそこは劇場の中でした。

チケットは完売ということで座席は満席(後から分かったことですが、1-3階までありました)。オーケストラの生演奏(オーケストラボックス)でいよいよスタートです。

数年前に確か劇団四季だったと思うのですが、映画に感動して、日本語版のミュージカルを見たことがあるのですが、またそれとは異なる感動とインパクトを受けました。

私は多くの人が恐らく言うであろう「本場ロンドン」のミュージカルはひと味もふた味も違うという印象とは別の印象を受けました。日本でのレミゼラブルも素晴らしかったし本当に感動したのですが、ロンドンは、感動のさせ方にひと味もふた味も工夫を凝らしていると思いました。

それは1995年にニューヨークでミュージカル・キャッツを観たのを思い出したのですが、劇場の作りが、恐らく人数はたくさん入っていても、小さく作っているような印象を与え、「ひとりひとりの観客」がステージにとても近いように工夫されている点です。極端な言い方をすると、観客ひとりひとりとステージが結ばれているような没頭感を与えていたと思います。

それは最初に劇場に入った時に、「え、こんな小さな劇場?」と思ったことにつながると思います。だからこそ、素晴らしいメロディーも歌詞もグッと心に迫ってきます。演劇だけの専門劇場があるという時点で、演劇やミュージカルの成功が半分は保証されているような気がします。

また、ロンドンはパリに近いという地理的な要因も影響していると思いました。日本でフランス革命後の混乱期を感じるよりはイギリスの劇場で見る方が、大英博物館もあるし、ルーブル美術館もユーロスターで2時間少しで(実際には3時間以上かかりますが)行くことができます。荒唐無稽な関係のない話ではなくて、ほんの200年くらい前の世界を描いているので、現在にもつながっているように思います。

そして、英語。もともと、英語で歌詞が書かれたものを英語で歌う方が真実味があります。これを他言語に翻訳した時点で、オブラートにつつんだような、遠望感を生んでしますように思います。英語の歌詞だからこそ直接伝わる内容がレミゼラブルの歌には多いように思います。

またもうひとつ、ハッとしたことがあります。子役から大人に変わる際にコゼット役が黒人女優に変わっていたことです。やるなあ、と思いました。Amaraは聴衆の心をつかむ圧倒的な歌唱力を披露しました。肌の色は関係ないのです。

ビクトル・ユゴーの原作にある、良心、若さ、後悔、慈悲、希望、愛、信仰心はある意味では普遍的なテーマであると思います。もちろん、素晴らしい歌を聞きたい、舞台を見たいという思いはありますが、そこに歌われている内容に共感するからこそ、筋を既に知っていても、何度も観たいというきになるのでしょう。

終演が10時半くらいでしたので(途中休憩が15分くらい)、約3時間の素晴らしい舞台を堪能させて頂きました。

(2019.1.3)

★今回の教訓:ひとりひとりの心をつかむ演劇。それは舞台装置、原作・歌詞・歌、パフォーマンスの三位一体で実現出来るものか。ステージは面白い。

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オックスフォード通信(281/84)ロンドンへのバス:Oxford Tube

オックスフォードはロンドンからざっと56マイル(90km)のところにあります

渡英当初はロンドンへ行くには電車で行くのが当たり前と思っていたのですが、慣れてくるとバスの方がはるかに、安価でしかも信頼できることがわかってきました。日本とは逆の世界かもしれません。電車が1時間に1本又は2時間に3本くらいであるのに対し(最終は深夜12時くらい、これは日本とほぼ同じ)、バスはX90というNational Busが運行しているものとOxford Bus CompanyのOxford Tubeの2系統がありそれぞれ1時間に2本のバス運行があります。しかも24時間運行しているので(深夜は1時間に1本)、いつもでもロンドンから帰る事ができるという安心感があります(最もそんな遅くに帰ることはありませんが)。

また料金も電車が往復で £56(約8000円)するのに対し、最も安いTubeでは往復で £15(2200円くらい)と大きな差があります。

時間は流石に電車の方が約1時間で到着と早いものの、これは「もし」順調にいけばの話です。これまで何度も書いてきましたが、イギリスの電車運行体制は特に、ロンドンーレディングーオックスフォードを運行している、Western Railway は不安定で、遅延、キャンセルが後を絶ちません。この約9ヶ月滞在中に乗った電車で普通に(まともに)到着したのは、1/6くらいの確率です(オックスフォードーオックスフォードパークウエイーロンドンを運行しているChilten Railwayは安定しています)。

日本のJRや私鉄のことを考えると信じられませんが、イギリスでは誰もがあきらめ加減で、むしろバスを選ぶ人の方が多いように思います。特にオックスフォード在住の皆さんにはそのような傾向があります。

バスはもちろん道路の混み具合によって到着時間が前後しますが、行き(オックスフォード→ロンドン)は昼間であることが多いので、約90分、帰りは夜であることが多いので約60分で到着となります。

またもう一つ便利なのは、オックスフォードの中心部jから乗車するのではなく、私の場合にはThronhill Parkwayという少し郊外のバス停から乗ることができる点です。これはいわゆるPark and Rideという制度で、オックスフォード市内に観光客の自家用車が乗りいれないように郊外に大きな駐車場を用意して(1日、駐車料金 £4=600円)そこからバスに乗り換えて市内に行ってもらおうというものですが、これを利用しています。つまり、逆に私の場合にはここまで自家用車で乗り付け、駐車して、そこからロンドン行きのバスに乗るというものです。

冬の寒い時にもほとんど外を歩く必要もなく、door to doorという感じでバスに乗車できます。

日本でもこのようなシステムを作ってもいいように思います。

(2019.1.2)

★今回の教訓: バスが便利なイギリス、電車が信頼されている日本。日本なら両方のいいところ取りができそうな気もするが。

オックスフォード通信(280/85)Happy New Year, 2019!

皆様、新年明けましておめでとうございます。

本年は60周期で回ってくる干支の記念すべきイノシシ年ですが、あまり気負うことなく、自分で選択できるものを大切に選びながら、しなやかに柔らかいアプローチでゴールを目指したいと思います。

人生には自分で選択できないこともあります。それについてああだこうだと言ってみても仕方ないことです。それよりも、自分の選択できるオプションを増やし、その中で可能性を広げることことのほうが楽しく、最終的によい結果を生むことが多いです。

人生は経験をたくさん積むことと同時に「後から」考えるとその経験がどのような意味を持っているか考える事だと思います。その時にはガッカリすることも後から考えるとどうでもいいことであったり、違う意味合いを持つこともあると思います。一時的な浮き沈みに一喜一憂することは仕方ないことですが、それに拘泥されすぎずに、遠くを見つめて、地道に愚直に経験を積み重ねることが重要だと思います。

私にとって、後からとは、まず、6年後の同志社女子大学を退職する年、そして11年後の同志社女子大学を完全に去る時であると思っています。それまでは、ひとからまだバカなことをしていると言われようが、自分が興味があって重要だと思うことあれば、猪突猛進するつもりです。

2018年度サバティカルの機会を頂き、オックスフォードで研究に専念させて頂きながら、これまで25年間の大学教師生活が何となく Connecting the dots してきたことを実感しています。と同時に、最初は不便だと感じながら進めていたインターネットゼミ(i-Seminar)を通して、これまで無理だとかできないと思っていたことは、自分がそういう壁を自分で作っていただけであって、多様な可能性が世の中には存在することを感じさせてくれるものでした。

世の中に、研究に、教育に、仕事に、自分自身に可能性を見いだせる限り、青春は終わらないと思っています。青臭い言い方ですが、この青臭いことが言えなくなったときに、世の中とはそのようなものだとかそうなっていると一見達観したような顔をして実は老いてゆくのだと思います。

すばらしい学生と同僚に囲まれる、世界で最高水準の教育・研究環境にある同志社女子大学で、自分の Can do リストの幅を拡げたいと決意しております。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

イギリス・オックスフォードにて

(2019.1.1)

★今回の教訓:「一生勉強・一生青春」とは相田みつをさんの言葉。いつもこの言葉がこころからはなれない。

オックスフォード通信(279/86)2度目のストーン・ヘンジ: Why?

大晦日にストーンヘンジに行ってきました

今年の内にもう一度、ストーンヘンジに行ってここうとかそういう決意があったわけではなかったですが、この場所は何度来てみても不思議な場所です。

なぜ、紀元前5000年位前からこの場所に、ストーンヘンジの原形のようなものが形成されはじめ、具体的にはB.C. 3000年位前から遠くから何トンもの重さの石をわざわざこの場所まで運び込み、しかも、組み合わせて円形の石のデザインを作り上げたのか。

考古学の知見を合わせ、最新コンピュータやAIを駆使してもその動機が分からない、というミステリーに人は惹きつけられるのでしょう。エジプトのような絶対的な権力者のもとで建築されたわけでもありません。宗教的な意味合いがあるのだろうということくらいしか分かっていません。しかも、少なくても作り始めてから500年くらいは作っていたということです。当時の寿命が50才と見積もっても何代にも渡ってこの建築をしたはずです。そこには何か明確な目標や意味合いがあったはずなのに、分からない。

人はこのように分からないことに惹きつけられるのかもしれません(分かっていることはどうやって石を運んだとかその石を組み合わせたかという方法論のみです)。

そんなことを考えながら、年間100万人以上が訪れるという世界遺産を呆然と見つめていました。ひょとしたら現在私達が生活していることも5000年後くらいつまり、7000年くらいの人類には想像もつかないことなのかもしれません。ひょっとしたら、現在当たり前だと思っていることはそれほど当たり前でもないのかもしれません。

帰り道、A338 – A346 – A419と北上して、Cotswoldsで最大の街と言われる Cirencester(サイレンスター)に立ち寄り、夜は11時くらいからPubで年越しという話だったので サマータウンの Dew Drop をそおっと覗いてみると誰もいないので、隣の Joe’s Bar & Grill でかなりご高齢のみなさんと一緒にカウントダウンをして2019年を迎えました。

映画で見たことがありますが、カウントダウンの後は、AULD LANG SYNE (蛍の光)を唱うのですね。

それにしても、ご高齢のみなさんのバンドに合わせてのノリノリのダンスにはビックリしました。

(2018.12.31)

★今回の教訓:紀元前3000年の頃にはUFOとは言わずとも現在とは全く価値観の異なる人間が存在していたのではないか。また夏至の日にヒールストーンの延長線上から太陽が昇るのは、夏至の日の意味合いが現在とは異なるのではないか。誰か、ストーンヘンジの謎を解いてくれないかな。

(GoProで撮影)

オックスフォード通信(278/87)ルイス・キャロル

オックスフォードを友人等が訪れてくれると必ず立ち寄るのが、オックスフォード大学最大の(又は最も有名な)クライストチャーチカレッジ(Christ Church College)です

ここは観光客の間でも抜群の知名度と人気を誇っています。それはもちろん、その南側をテムズ川の上流が流れていたり、メドウ(meadow)と言われる膨大な牧草地があったり、冬の枯れ木のシーズンにはメドウから、現在の皇太子が昔、留学しておられたマートンカレッジを遠望できるなど風景がいいこともありますが、それ以上に、ハリーポッターのロケ地になったことがその知名度を抜群に押し上げることにつながりました。

実際のロケにつかわれたのはダイニングルームにつながる階段ですが、そのダイニングルーム自身もホグワーツ魔法魔術学校の大食堂のモデルになったことで有名です。

たまたま29日と30日、2日連続でこの食堂を訪れたのですが、1つ発見がありました。この食堂の正面にはハイテーブルと言われる教授陣が陣取るテーブルがあります。その上には、エリザベス1世の肖像画とともにそれよりも大きなヘンリー8世の肖像画が掛けられています。また、食堂の壁には歴代の学長や有名教授の肖像画も掛けられています。

本日、出口付近のクリスマスツリー(イギリスに限らず海外では12/25以後もクリスマスツリーは飾り続けられている)の近くの肖像画について、おそらくオックスフォード大の教授が新入生らしき2名の学生にその肖像画について長めの説明をしているのを、本当はツリーの写真を撮ろうとしていただけだったのですが、つい聞き入ってしまいました。

Charles Lutwidge Dodgson と名前のついた肖像画は前々からどこかで見たことのあるような馴染みのある絵でした。その先生曰く、この Dodgson という名前が発音しにくいところから、不思議の国のアリスを執筆した際に、ルイス・キャロルというペンネームを使ったとのこと。あああ、そうなのですね。ルイス・キャロルの肖像画だったのですね。

確かに、ルイス・キャロルはクライストチャーチを卒業し、その後母校の数学の教師になったと聞いていました。そう思ってみてみると、クライストチャーチのダイニングルームの一番正面にエリザベスとヘンリー8世、そして出口で必ず訪問者が目にする位置にルイス・キャロルの肖像画を置くということからもいかにクライストチャーチカレッジがルイス・キャロルを誇りに思っているのか、よくわかるような気がしました。

オックスフォードでは、ルイス・キャロルとトールキン(指輪物語、ホビット)この2人が、ハリーポッターと並んで人気があります(ピーターラビットはそれほどでもありません)。

英文学をきちんと勉強していたらもっと早く気づいたのにと反省しきりでした。

(2018.12.30)

★今回の教訓(豆知識):ロンドンでオイスターカードを購入するなら、旅行者なら1週間程度のTravel Cardを買うことが多いかもしれないが、カード代を含めると £30くらいもする。実際にそんなに使うことはない。ならば、カード代の £5を含めて £15くらいチャージして購入し、不足すると足してゆく方が経済的。この方式ならカードは次回訪問する際にも使えるし、友人に渡すことも可能。

オックスフォード通信(277/88)イギリス再入国の難:BRP

パリからは華麗にユーロスターで帰国の予定でした

ユーロスターの発着するパリ北駅(Gare Nord)に到着したのはユーロスター発車の1時間前。既に多くの人の列が。その時点で15:13発の電車に間に合わないのではないかというイヤな予感が。

パリ到着からこのタイプの直感はいろいろと当たっています。

その1)パリ到着した日は快晴で凱旋門に登ると(階段なので本当に登頂という感じ)エッフェル塔などパリ市内を一望することができました。きっと夜景も綺麗だと思ったのですが、その日は疲れていたので、再度登る気にもなれず、最終日にしようということになりました。でもパリでこんなに天気がいいのは珍しいのでその日に登っておかなくてはと思ったのですが、案の定、最終日のみならず残りの2日間は曇天で、エッフェル塔のてっぺんも霧に隠れるくらいでした。しんどくても天気のいい日に登っておかなくてはなりません。

その2)天気は悪いが最終日に凱旋門の上からシャンゼリゼ通りを眺めようと、閉門時間が10:30なのでそれに間に合うように行こうとしていました。私は走った方がいいのではと直感的に思ったのですが、慌てる必要はないとの声に普通に歩いて行ったところ、10時閉門で10:30最終下門ということらしく凱旋門の入り口に着いたのが10:02。タッチの差でアウト、夜景をみることができませんでした。丁度、片付けをしているところが見えたので本当は1分少しの差だったと思います。

さて、ユーロスターに話を戻すと、北駅の中でまず大行列に並び、最初にたどり着いたのが、フランス国境です。ここでパスポートを見せて無事フランスを出国することになります。やれやれと思っていたら、今度はイギリスのパスポートコントロール。フランスに比べて明らかに進度が遅い。フランスのパスポートコントロールが4-5名だったのに対して、イギリスは3名。もちろん、出国と入国の差はあるでしょうが、どうも発車に間に合いそうにない気配。その時、フランス語・英語の放送で15:13のユーロスター、最後のお客さんが乗り込むまで発車することはありません、という愛にあふれた放送が。しかも2度も。これで電車に乗れると思ったのですが。さて、私の番がやって来ました。空港の税関よりもはるかに多くの質問が。イギリスで何をしているのか、何ヶ月住んでいるのか、いつまでいるのか、専門は何かなどなど。そして最後になぜBRP (Biometric residence permits = 居住許可証) を持っていないのかという質問が。

はて、BRP は必要なの?

今回の旅は実はいろいろと構えて臨みました。バルセロナは世界の最高峰を争うくらいスリが多い。パリもしかり。絶対にiPhoneを出してはいけない(半分ウソ)。なので不要だと思われるものはすべて「置いてゆく」ことにしました。クレジットカードは日本のものを1点、その他は空港のラウンジカード、そして帰りのロンドンで乗るはずの地下鉄のオイスターカード。以上3点のみです。これにiPhoneがあれば十分のはずでした。BRPはパスポートがあるのであえて要らないだろうと必要なものにカウントせず出発しました。

事実、ヒースロー空港からイギリスを出国する際にも何ら問題がありませんでした(もっと振り返ると秋にドイツに旅行した際、イギリスに再入国する際にはパスポートだけでOKでした)。ところが、パリ北駅に到着した際に、提示するものとして「身分証明書とパスポート」と怪しい掲示があったのです。さて、質問に戻ると、持ってきていないというと、それまでの笑顔が(3人の中で一番ニコヤカそうな顔立ちでした)急に曇り、「どこにあるの?」「自宅のフラットに忘れてきた」「なぜ忘れてきた?」「要ると思わなかった」「今度から気をつけます」「今度はないよ」と、ここで話が終わると思ったのですが、目の前で何やら定型の書類にチェックをいれたり私の名前を書き入れたりと作業が始まりました。これはどこかで見たことのあるような風景だなと思ってみていたら、そうイギリスに来た当初、銀行口座を開設しようと思ってバークレー銀行ですったもんだがあった際に、銀行員が手書きでコンピュータ画面をメモしていたことを思い出しました。イギリスは何か、トラブルがあった際には、究極の手書きで何かを作業するのです。

とてもイヤな予感が。更にその途中で係員が交替、と思いきや、私のパスポート一式を持ってブースから出てくるではないですか。そしてこちらへ来いと。えええ、居住許可証を忘れたことってそんない悪いことなの?だったらどこからに大きく書いておいて欲しいと思いますね。

別室の前で待て、とのこと。既にそこにはトラブルをかかえた2組(人)の皆さんが。そして10分おきくらいに係員がやって来て最初に1名は振り出しに戻るように出発ゲートと反対方向へ。2人目は無事だったようで、といってもパスポートにA4の分厚い書類が挟んであるのを見ました。私はまだ「全員が乗るまで出発しない」というアナウンスを信じながらイライラして待っていました。

私はこのようなときにイライラしない人の気持ちが分かりません。そりゃイライラしたり立って待っていても何も状況は変わらないかもしれませんが、イライラ⇄イライラしない、という図式ではなくて、こうすればこうなるという解決策を考えるのが状況を改善する方法だと思います。このような状況でイライラしていない人をみると余計にイライラ感が募ります。イライラしないのは単に当事者意識が欠けているからなのでは?と思うわけです。

そのイライラして待つこと20分、既に時計は出発時刻よりも30分過ぎています。係員は今度だけだといいながら、何も書類も挟まないパスポートを返却し、荷物チェックに急げという。急いで荷物チェックのコンベアー(このチェックは結果的にやってますよという儀式だけでチェックしている人を見なかった!)を通り過ぎ、ホームにダッシュ、と思いきや途中にアテンダント風の女性がいたので、15:13のユーロスターは?とすがるような思いで聞いたところ、

It is gone!

と分かりやすい英語の返答が。ガッカリするよりはそりゃ流石に30分も待っていることはないよな、というあきらめの気持ちの方が大きかったです。アテンダントの女性は慣れた手つきで次のユーロスターの(なにせ30分に1本です)空き座席を確認して、ハイと次の16:13発のユーロスターの乗車券を渡してくれました。

Gatwick空港のドローン騒動から始まった旅はユーロスター乗り遅れ(というよりはBRPの不携帯)という失態で幕を閉じることになりました。持ち物には気をつけたいものです。

(2018.12.29)

★今回の教訓:日本ならこのような状況が発生する場合、何度もテレビや新聞などで注意を促すでしょうが、イギリスが異なるはすべて個人責任であるという点だ。責任のある個人が自分でその情報を集める必要がある点だ。飛行機では不要だったからユーロスターでは・・・というのではなくそれぞれ丁寧に情報を集めなくてはいけないということなのだろう。

オックスフォード通信(276/89)パリ紀行(3)バルセロナとパリ

昨日、オルセー美術館に行ってみて少しビックリしたことがあります

それはオルセー美術館の中でピカソ展をやっていたことです。まあ、美術館の中で展覧会というのはあり得ないことではないのでしょう。でも本当にビックリしたのは、バルセロナのピカソ美術館で見たかった一番の絵画がこのピカソ展インオルセー美術館で展示してあったことです。

絵も旅をするのだなあ、と思いつつ、実は、ピカソ自身も同じように旅をしていたのだと思い出しました。若きピカソはバルセロナで腕を磨き、頭角を現すなかでパリにその活躍の場を見いだしました。このバルセロナとパリは対照的な街なのかもしれません。

バルセロナは太陽が主人公のような明るい地中海をイメージする街です。そこにいるだけで太陽が応援してくれているような明るい気持ちになれます。一方、パリというと同じ12月でも気温が10℃くらいも低く、考えはどんどん自分の内側に指向するような気持ちになります。パリでは大らかさよりは真剣さ、踊り出すような明るい気持ちよりはじっくり考え抜くような事に向いている街だと思います。

ピカソも画家としての成熟度が高まるにつれて、パリという街で新たな画風を見いだそうとしたのかもしれません。しかし、マネやモネ、ルノワールといった印象派の画家達にはそのような深刻さが見いだされません。ひょっとしたら彼らはパリではなくて、フランスでも南仏のマルセイユやニースで絵を描いていたのかもしれません。

バルセロナとパリは好対照なおもしろい街だと思います。

仕事をするのに住む街を変えることは贅沢なことですが、できればやってみたいものです。私は断然、バルセロナ派です。冬のこの時期にオックスフォードでいうところの夏があるのは素晴らしいです。

何もしなくても、バルセロナにいるだけで幸せな気持ちになることができます。

(2018.12.28)

★今回の教訓:といいながら冬のパリも美しい。シャンゼリゼ通りのライトアップは息を呑むよう。このような美しさと寒さはよくマッチするような気もする。

オックスフォード通信(275/90)パリ紀行(2)29年ぶりのルーブル美術館

さすがスリの本場です。

昨夜の白タクに続き今度は凱旋門近くでスリ集団に遭遇しました。というよりは、日本人観光客を待ち構えていたと言った方が正確でしょう。私はあまりきれいな格好で旅行に出ないので、みなりからしてどう考えてもお金を持っているよう見えないので安全です。今回の旅行にはクリスマス休暇ということで大阪で働いている娘も合流しています(フィンエアにてバルセロナで合流。そのこともあり、Gatwick空港の騒動にも関わらず是が非でもスペインに飛ぶ必要が有りました)。

約30年前にパリを訪問した際にはサクレ・クール寺院周辺でジブシー風の子ども達に囲まれた記憶がありますが、今回は身なりもきれいでどう見ても高校生くらいの女の子(という感じです)7-8名。凱旋門の近くのメトロ駅を上がると待ってましたとばかり娘の回りに3-4名が。デーパックがあっという間に開けられてしまいました。幸いそこには何も無かったので無害だったのですが、驚くのは悪びれないところ。こちらが英語で文句言ってもフランス語で言い返してくる。きっと油断している方が悪いんだとでもいっていたのでしょうか。

私達を諦めたようで、渋々退散しましたが、様子を見ていると、次に駅から上がってくる日本人観光客をねらっています。ねらわれているのは日本人ばかり。英語教育が批判されますが、このような危機的状況でどのように英語で対応するか、中学校で教えてておくほうがいいかもしれません。

そんなことがありましたが、凱旋門を(エレベーターで)上がると快晴のパリが眼下にひろがっていました。朝一番で正解でした。

(2018.12.27)

★今回の教訓:詐欺やスリと共存しているのがフランスか?でもそのような中でもたくましくサバイブしなければならない。
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オックスフォード通信(274/91)パリ紀行(1)白タクとスリ

バルセロナからパリに飛行機で移動しています

パリ、シャルル・ド・ゴール空港に到着。予想以上にスムーズに税関も(予想に反して、スペイン→フランスでもパスポートチェックはありました。
シェンゲン協定では不要のはずですが)通り、さあ、クリスマスの日のタクシーはあるかと思って、乗り場に行くと、Paris?と声をかけてくる人が。Wi!というと乗り場は6番だと。いそいそと付いていくとあの車という。その時点で何か変だと気づきました。そうタクシーのてっぺんにタクシーのマークがありません。危ないところで白タクに引っかかるところでした。

はじめから「白タクに注意」と思っていると大丈夫なのですが、気が緩んでいるでしょうね。この窮地に陥りそうな場面をすくってくれたのが「本物のタクシー運転手」でした。この白タクを蹴散らしてくれて自分のタクシーに案内してくれました(自分の稼ぎを上げようと思っただけ?)。しかし、旅行にでるといろいろな危険もありますが、普段では得がたい、今回のような「気をゆるめてはいけない」という教訓に気づくことが出来ます。

バルセロナでは目抜き通りのランプラス大通りに面したアパートホテルでしたが、パリでは凱旋門のすぐ近くのホテルです。

(2018.12.26)

★今回の教訓:旅行は詐欺との戦い。普段の生活でもそうか。ひとをだましてはいけない、だまされてもいけない。

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オックスフォード通信(273/92)バルセロナ紀行(4)グエル公園

バルセロナにはガウディー設計の建築物があちらこちらにあります

まずはグエル公園へ。石を使ってこのような局面を出すことは考えも付かない。発想ひとつで石でも自由自在に操ることが出来るとは。そう考えるとディスニーランドも好きだが、創造性という点ではガウディの足下にも及ばないだろう。聖家族教会も教会内の美しい色の(光による)ハーモニーに圧倒されたが、ここはタイルによる明るい色の調和が見られる。ここにいるだけで温かい気持ちになることが出来る。

(2018.12.25)

★今回の教訓:スティーブジョブズはなぜガウディに言及しなかったのだろう?ピカソで十分だったのか?

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オックスフォード通信(272/93)バルセロナ紀行(3)ピカソとバルセロナ

モンジュイック城 (Montjuïc Castle) からバルセロナの街を一望してきました

街全体が、イタリアのフィレンツェに見られるような黄色と明るい茶色を基調としている。眺望はよく、聖家族教会もはっきりと見える。ここまでバスで来て、上り坂をかなり上り、ロープウェイで頂上まで。真っ青な地中海も眼下に見える。とても12月とは思えないポカポカの陽気だ。冬は寒いパリにいて、ピカソはどれほどこのバルセロナに降り注ぐ太陽を恋い焦がれたか、よく理解できる。坂の途中にあるミシュランの★付きのレストランで食事をする。窓際のまた街が綺麗に見える席でランチを楽しんだ(ランチはそれほど高くない)。ビールはここでも美味しい。次はサングリアを注文してみよう。

(2018.12.24)

★今回の教訓:バルセロナは太陽の街。これに尽きる。