オックスフォード通信(218)時差とサマータイム

現在日本とイギリスには9時間の時差があります

先週の土曜日までは8時間でしたが、サマータイムも終了し9時間の時差となっています。この日本との大きな時差は例えば飛行機でこちらに来る際には時差ぼけ(Jet lag)になりますし、iSeminarを実施する際にもゼミ開始時の日本時間午後3時がオックスフォードでは午前6時となって多少辛いものもあります。

ただ、コインの裏表のようにしんどいことの裏にはいいこともあります。例えば、ゼミメンバーの卒論のドラフトを読んでいますが、彼女達が夜の12時に同期すれば、それはこちらで午後3時ですので、夜に読んでフィードバックを深夜12時までに送れば(同期)彼女達が朝起きた際には手元に届いていることになります。つまりこの時差を上手く使えば24時間時間が途切れることなく有効に使えることになるわけです。

もちろん、ビジネスの世界でもこの時差は上手く使われていて、企業のカスタマーセンターがアメリカと9時間半の時差があるインドにおいてあることがよくあります。すると夜のカスタマーサポートは無理することなく可能となります(昼はアメリカに切り替える)。

この時差の有効活用はたまたま私が今、イギリスにいるからできることですが、日本にいても大学関係者やアカデミックの世界で利用することはできないでしょうか。恐らく、考えてみるとあるはずだと思っています。

ひとの人生は退職が60才~65才、その後の余生が日本人で平均20年くらい。この時差を使えば2倍にはなりませんが、1.5倍くらいにはなりそうです。

明日はゼミメンバーはスポーツフェスティバルに参加します。私がいなくても締めのコンパまで自分達で企画するなど、ゼミとしての成長は着実です。世の中に、スポフェスなんてと思っている人がいるかもしれませんが、その証拠に企業でも企業内運動会などをいまだに実施しているところが多いです。大学時代にスポフェスのような行事に参加しないで、企業に入ってからできるでしょうか。

別にそのために参加するわけでありませんが、秋の一日、卒論や授業のことを忘れて思いっきりからだを動かすことは健康的だと思います。

ゼミメンバーの皆さん、どうぞ楽しい一日を過ごして下さい。

(2018.10.31)

★今回の教訓:今日のセミナーで語られていた、完璧な真実は必ずしも有用でなく、完璧に有用なものは必ずしも真実でないということばは重みがある。冒頭に311フクシマの原発事故が引用されていた。
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オックスフォード通信(217) iSeminar 21回目

Chapter 3 & 4のプレゼンテーション後半戦でした

本日は15分くらい前に接続を完了して頂き(ありがとうございます)準備万端だったのですが、ゼミが始まっていざというところで、Facetime がフリーズ。その後何度か同じ状況(接続→しばらくするとフィリーズ→接続)が続いたため、LINEビデオに切り替えてのゼミとなりました。

LINEビデオでもBluetoothイヤホン(Air Pods)も使えることもわかり、その後は何度かフリーズしましたが、LINEの場合にはすべてがフリーズするのではなく、映像が消えて音声のみになる→接続を維持したまま映像を復活することができることが分かりました(今日だけのことかもしれません)。

さて、本日でChapter 4「データ分析結果)の発表が全員終わったのですが、過去のゼミの中で最もペースが速い状況です。過去最もスムーズに進めることができた16期生のペースも上回っています。これは私が日本にて普通にゼミを行っていたらこうはなっていなかったかもしれません。双方(ゼミメンバー・教員)にある程度の危機感がいつもあるのでいいペースで進めることができているのかもしれません。甘えがなくなり集中できているのかもしれません。厳しい状況の方がうまくいくとは人生面白いものです。

夕刻は教育学部のM先生の教授昇進記念セミナーに参加してきたのですが、統計についての包括的なお話をお聞きすることができて、また目が少し開いたように思います。ゼミでも丁度SPSSを使いながらデータ分析を進めていますが、このような統計リテラシーは英語と並んで必須のものになるのかもしれません。

記述統計から見えてくるものは多くあります。また相関関係は強力な手法です。M先生のプレゼンテーションの中でも相関関係が取り上げられていました。最も、こちらは学習努力とタスクの難しさについての時系列の個人内変化の相関でしたが。

ゼミに話を戻します。後半はいつも通り質疑応答とインターネットワークショップでした (iWorkshopと呼べるかな)。説明する内容をパワーポイントファイルとして(こちらはKeynoteではなくてあえてPowerpoint)Dropboxで共有をしておいて、TAのK先生に操作をしてもらいながらこちらは自分のコンピュータ内の同じPowerpointファイルを見ながら説明するというもの。助かるのは、TAのK先生が重要事項をホワイトボードに書き込んでくれるところです。Pagesの共有ファイルでもできるのですが、パワーポイントとPages2つを同時にプロジェクタで映すのはすこし厳しいところです。

ここでゼミメンバーが(そうしていると思うのですが)、ラップトップで自分のデータについて同じ作業を進めてくれると本当にiWorkshopと言えるのですがそこまでは到達できていないかもしれません(未確認)。

ゼミの最後には今週末に開催される第68回シェークスピアプロダクションメンバーを応援する姿も。友情が感じられる美しい光景でした。いいゼミに成長しています。

(2018.10.30)

★今回の教訓:iSeminarとしてはほぼ完成か。問題は学外でのiSeminar。11月第2週の同志社びわこリトリートセンターでの冬合宿で iSeminarが実現するかどうか。イマジネーションの問題か。

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オックスフォード通信(216)晩秋のCotswolds

グロスターシャー州のBourton-on-the-Water(バートン-オン-ザ-ウォーター)までドライブしてきました

オックスフォード自体は蜂蜜色の昔ながらの壁を基調とする家々が点在する、いわゆるコッツウォルズと呼ばれる田園地帯には含まれていないのですが、車で30分くらい走ると、小さな村のどこかに行くことができるところに位置しています。

本日は午後から天気がよくなってきたのでガソリンを入れる必要もあったので、A40をひたすら西に約40分走ったところにあるBourton-on-the-Waterに行ってきました。今私が乗らせていただいている車は21世紀初頭に制作されたものなのです。安定感はあるものの加速はあまり良くなく、70マイル/h(時速約110km)を超えると少しハンドルに振動が感じられるようになるので、なるべく60マイル(時速約100km)くらいで走るようにしているのですが、片側2車線の場合いはどんどん抜かされてゆきます。このスピードで一緒に走ってくれるのはトラックか後ろにキャンピングカーを連結した車くらいです(昨日のように雨の夜にはこのタイプの車が前を走ってくれるとついて行くことができるので目が楽です。おまけに車のテールランプが上にも付いているので、それに合わせてハンドルを自然に操作することができます。バスは駄目です。猛スピードで走って行きます)。イギリス人のスピード狂にはついてゆけません。もっとも道はほぼ真っ直ぐでトンネルもラウンドアバウトのせいでほぼ信号もありませんのでスピードは出ます。

今日はA40のBurfordを少し超えたところから北にハンドルを切り、丘陵地帯を20分くらい走りました。恐らく北海道を走っているような雄大な風景が目の前に次々に現れてきました。なだらかな丘、紅葉した木々、コッツウォルズの優しい黄色い家々。運転しているのでじっと凝視はできませんが、美しい自然の中をドライブすることは人を幸せな気持ちにしてくれるものです。

折しも、今日は昨年天界に帰った父の命日。運転しながら父との思い出が頭の中にどんどん浮かんできました。美しい自然が呼び起こしてくれたのかもしれませんが、父の懐かしい声が聞こえるようでした。年老いてからはそれほどたいした話はしていなかったかもしれませんが、父に話をすることがどれほど重要であったのか、今になって再認識しています。「まあ、元気で頑張りなさい。」という言葉にどれほど励まされてきたか分かりません。

Bourton-on-the-Waterは以前一度訪れているのですが、観光客は減ったと言ってもかなりの人ででした。カフェも一杯で、以前と同じレストランでSunday Roast、今回はラムで試してみました。晩ご飯がいらないくらい(食べましたが)の量です。

美しい自然の中で豊かな時間をすごすことができた日曜日になりました。

PS. そういえば、土曜日の深夜にサマータイム(Daylight Savings Time)が修了し、時間が元の時間に戻りました。つまり、1時間進めていたものを戻すことになりました。この作業は午前2時に行われ、午前1:59の次がもう一度午前1時になりました。このようなことに変な興味を持つ性分なので起きてじっと見ていました。SONYのラジオ型時計は自動で、携帯も、パソコンも自動で時間が修正されていました。SEIKOの腕時計は電波修正がイギリスではできないので手動、そしてフラットの暖房用ガスのタイマーがなぜか修正されず(触ると壊れそうなのでそのままにしてあります)。今日は1時間遅くまで寝ることができたのですが、朝はいつもよりも明るく、夕方はいつもよりも早く暗くなりました。日本との時差も1時間広がって+9時間となりました。明日は早起きです。

PS. ガソリンは133.9のように大きく金額表示がしてありますが、これは1リッターあたり、133.9 penceということです。リッター約200円ということですね。日本に比べると割高です。

(2018.10.29)

★今回の教訓:車を譲って頂いたK先生は毎週末コッツウォルズに出かけていたとおっしゃっておられた。その気持ちが分かるような。

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オックスフォード通信(215)Match Day: ヨシダとムトウ

サウザンプトン (Southampton) までサッカー・プレミアリーグの試合を見に行ってきました

オックスフォードから真南に南下すること約2時間、イギリスの港町サウザンプトンがあります。本日ここで、Southampton 対 New Castle の試合が開催されました。ホームのサウザンプトン には吉田麻也、ニューキャッスルには武藤 嘉紀、日本人対決が実現するかと話題になり、ロンドンからも3台のJALパックのバスがやってきていました。

残念ながら吉田の出番はなく、武藤もシュートチャンスはあるものの、両チーム無得点で試合は終わりました。

しかしこのフットボール(イギリスではサッカーとは言わない。ラグビーはrugby又はrugby football)をイギリスの人、特に男性と男子の子どもがどれほど愛し、その愛が世代を超えて世襲されているのかを感じることができました。フットボールは車の運転とならんでイギリス人が無邪気に本性を現すことのできるところかもしれません。

大きな声援。サウザンプトンは聖者が待ちにやって来たのメロディーの “We March On” をチャンスで大合唱、負けじとアウェイのニューキャスルも大声援なりブーイングなり、この観客の盛り上がりを見るだけでも価値があると思います。

警備も厳重で10M毎くらいに一人ずつセキュリティーの人がいて(1時間くらいで交替)暴れるひとがいないかどうか目を光らせています。私の席は最前列だったのですが(グラウンドレベル、選手の姿はよく見えましたが、試合の成り行きは上の席の方がいいようです。雨の傘もありますし)、6席くらい右横のおじさんが相手チームに罵声を浴びせたり、大声で叫んでいましたがのでずっと厳しい目で見られていました。またアウェイチームの応援席周辺には厳重に警備の人が配置されていました。

現在サウザンプトンが16位/20位中、ニューキャスルが最下位など関係ありません。特にお客さんのホームのサウザンプトンへの愛情はすごいものがあります。これをお父さんと見に来たら位一度でフットボールファンになることでしょう。

私の横の親子連れは珍しく、男の子ではありませんでしたが(お父さんと娘さん)、最初はつまらなそうにビデオゲームをしていたお嬢さんも途中から観客と一緒に叫んでいました。

吉田は試合にこそ出場の機会はありませんでしたが、練習のアップではその存在感を見せてくれました。サッカーはあまり詳しくありませんが、世界最高峰のひとつのイギリス・プレミアリーグで2人の日本人が堂々と活躍している姿は輝いて見えました。どれほどのプレッシャーがあり、どれほどの競争があるか想像に難くありませんが、世界最高峰のリーグで2人とも堂々とした姿を見せてくれていたと思います。

それにしてもサウザンプトンの “We March On” はいい歌声でした。無条件で地元のチームを応援する何万の人達。自チームがチャンスではやんややんやの大声援を送り、見方が危なくなったり、ボールが判定で相手チームに渡るとブーイングを送るのは単純で気持ちがいいものです。

帰りは車はサウザンプトン市内は大渋滞(駐車場は幸いにスタジアムの真向かいに £10で駐めることができました)、また雨になりオックスフォードに帰ってきたのは午後8時過ぎになりましたが、いい試合を見せて頂きすがすがしい気持ちになりました。

(2018.10.28)

★今回の教訓:世界を股にかけて活躍する日本人の姿を見ると自然と勇気が湧いてくる。いよいよサマータイム(Daylight Savings Time)も今晩で終わり。明日から日本との時差が+1の9時間に。土曜日の晩は1時間長い。f:id:wakazemi:20181027153234j:image

オックスフォード通信(214)大学の教員のしごと

大学教員の最大の任務はやはり研究にあると思います

これはオックスフォード大学にてつくづく思うところです。世間の常識からは少し距離を置き、冷静に研究テーマを追いかける時、最終的には世の人々へ貢献できるものが見つかるのではないかと思います。

その研究は平凡でいいとおもうのですが、何か「あっと」思わせるものがないといけないと思います。それは結果が画期的とかそういうことでなくても、こんなしょうもない様なテーマについてよく何十年も時間とお金をかけて研究し続けているよな、というような研究への執念でもいいと思うのです。その研究にかける「意気込み」を感じられれたときに、その研究は多くの研究者の心を打つのだと思います。

オックスフォード大学の研究の多くはそのような「基礎的」かつ「オーソドックス」なものが多く、それを丁寧に積み上げている印象があります。もちろん、それを可能にするような多くの時間が教員に与えられていることは事実ですが、その時間を有意義に使っていることも事実です。

今夕は大手某報道機関で記者として活躍しておられるPさんのセミナーに参加してきました。報道には誤報 (misinformation)や誤解(misinterpretation)が付きものだがそれにどのように対処するのかという議論が中心でした。また政治家の場合にはpublicとprivateの区別も付きにくい点も指摘しておられました。特に、印刷した新聞であれば訂正も出すことができますが、digital 媒体での配布の場合にはそのスケールもスピードも大きく速すぎるので訂正が事実上不可能となります。

今回は報道する側からの議論でしたが、それを受け取る側のliteracyも重要になってくると思います。議論にもありましたが、easy to make mistakesと同時に私達もeasily believeという傾向があります。特に大学生は携帯の情報を過信する傾向にあると思います。今後も議論の俎上にのぼるトピックであると思います。

最後に司会者が述べておられた、contemplate(思案する)ばかりでなくact(行動)しながら考えているところに勇気づけられる(I am encouraged)という点もこころに刻みたいと思います。

PS. オックスフォードはすっかり冬になった感じです。ついに手袋をはめるようになりました。マフラーも準備。

(2018.10.27)

★今回の教訓:今日は久々(?)に18期生の卒論のドラフトを読んだ(すいません、ペースを上げます)。第4章のデータ分析は大枠は共通にしておき、そこからtrial and errorによって修正してゆくしかないだろう。f:id:wakazemi:20181026182515j:image

オックスフォード通信(213)Oxford University が世界一の秘密(11)

オックスフォードでは一日にどのくらいのセミナーが開催されているのでしょう

春のTrinity学期は学年の終わりということもあったのでしょうが、セミナーはそれほど多くなかったように思います。または私自身がイギリスの生活に慣れていなかったので見逃していたのかもしれません。

いずれにしてもこの10月からはじまった Michaelmas Term は午前、ランチタイム、午後と各学部や研究所で多くの興味深いセミナーが開催されています。本日は、午前中はボードリアンライブラリー主催の論文のデジタル化とコピーライトについてのワークショップ、ランチタイムは実験心理学部主催の遺伝マーカーと疾病との関係についての研究の在り方について、夕刻は環境地理学部主催のエコシステムについてのセミナーとはじめて1日に3つのセミナーに参加しました。

それぞれ私の研究に直接関係ないのと同時に研究へのインスピレーションがいろいろと湧いてくるワクワクするセミナーばかりでした。このような環境の中で同僚の発表を聞いたり、発表したりとする中で、新たな tipping point(転機)がやってくるのは自然なことだと思います。研究が立ち止まることなく自然と進んでゆくのだと思います。

午前中のデジタル論文のワークショップでは2007年からオックスフォードで Open Access プロジェクトがはじまり現在ではイギリスで博士論文を執筆した場合には印刷物と同時にデジタル版の提出が義務づけられているとのことです。その中で今年3月に逝去されたStephen Hawking の博士論文もCambridge大学がインターネット上で全文公開に踏み切っています。1 2 。実際に British Library EThOS (e-theses online service) 上でキーワードで検索してみると論文がそのままネット上で読めるものがあります(全部ではありません。著者自身に許諾を求めて許可が得られたら読めるものや論文のコピーをスキャンしてpdfを送ってもらうものなど[有料、かなり高額])様々)。このインパクトは大きいです。

本日のワークショップでも話されていましたが、公開することによって、多くの人に読んでもらい、引用してもらうなど論文の研究価値が高まる可能性があるとのことです。日本でもレポジトリーで論文を各大学が公開していますが、博士論文まではしていないと思います。これはイギリスの方が10歩くらい進んでいると思います。

セミナーのメモはすべて一冊のノートに必ず見開き2ページ以内に収まるように取っています。ランチタイムセミナーのDrothy教授は自分の学部卒業から現在に至るまでの経緯を1枚のスライドでお話になっていましたし、夕刻のMalhi教授のエコシステムはエルニーニョ現象だけでなく地球環境の過去と未来を現在を起点に考えるなど発想が優れていると思いました。

そりゃ、このような話を自転車で10分くらいの距離を移動すれば自由に聞くことが出来るというは研究への刺激という点は大きなメリットだと思います。さすが世界一です。

京都もコンソーシアム京都に京大が入らないとかせこいことを言っていないで、京都中の大学がこのような公開セミナーを毎日開くような度量の広さを示してゆくときに来ていると思います。京都市が財政的なバックアップをすれば10年も経てば京都中の大学の研究レベルが向上しより多くの学生が集まることによって元が取れると思います。

論文のインターネット公開とこのセミナー、実は「そのこころ」は同じなように思います。研究内容を惜しげもなく公開することによって、より多くの研究者とネットワークができると同時にその研究が引用される機会が多くなるはずです。

Open Access この姿勢をオックスフォード大学全体として採用しているところにこの大学の強みがあるように思います。

(2018.10.26)

★今回の教訓:Hawkins博士の自筆の博士論文から伝わってくるものは大きい。f:id:wakazemi:20181025130417j:image

オックスフォード通信(212)ヘイトクライムとソーシャルメディア

オックスフォードにはインターネット・インスティテュートがあります

ここはオックスフォード大学では比較的新しい学部で21世紀になってから創設されました。本日はソーシャルメディアとヘイトクライムに関係があるのかどうかというセミナーに参加してきました。

最初に参加しようと思ったときにはまずこの場所がなかなか分かりませんでした。マップで見るとシティーセンターに非常に近いところですが、それらしき建物がありません。オックスフォード大学の公開セミナーで大変なのは本当にいろいろな場所で開催されるのでその場所になかなかたどり着かないことです。結果的にこのインターネット・インスティテュートは一見、誰かのフラットのような玄関が入り口になっていました。

他のセミナーと異なるのは会場が狭いせいか必ず事前登録が必要で入り口できちんと氏名確認がなされるところです。本日のセミナーはタイトルが示す通り、関心が高く、別室にまでテレビ中継されていました。

昼のセミナーは経済学部で台湾の大学教授、このインターネットセミナーはイギリスの Warwick大学所属ですがドイツ出身の先生です。それぞれ特徴のある英語を話されますが、英語がグローバルリンガフランカとして機能していることを実感します。

ヘイトクライムについては、ドイツにおける研究とアメリカにおける研究の2本立てになっていました。ドイツにおいてはFacebookに参加していることが、アメリカにおいてはTwitterに参加していることが、それぞれ反移民のサイトからの発信、トランプ大統領の反イスラムについての発信が実際のヘイトクライムの発生に影響を及ぼしているのかについての相関関係を利用した分析でした。ドイツにおいては相関あり、アメリカにおいては相関なしという結果ですが、結果以上にこの研究の着眼点が面白いと思いました。また、相関関係なので因果関係に言及できないところですが、ソーシャルメディアがヘイトクライムを誘発しているというよりは、ヘイトクライムがあるとソーシャルメディアの発信が増える可能性があるのではないかという点も興味をそそられました。

人間の行動に関することはあらゆることが研究対象になると実感することができます。

一見、現在の私の研究に関係ないように見えるところもありますが、気づきがあるということは、氷山の下の部分か上の部分かは分かりませんが、必ず関連してくるのだと思います。

また今日は教育学部の日本人新大学院生のAさんともお話する機会がありました。入学されたところですがもうResearch Questionを決めなければとおっしゃっておられました。研究のスタートは何かと大変ですが、一方でワクワクするものです。Aさんの目も輝いていました。

(2018.10.25)

★今回の教訓:インターネットはこれからますます研究対象となることだろう。

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オックスフォード通信(209)慣れることとスキルの関係

車の運転に慣れてきました

イギリスでの生活も半年を超えてくると自分の中でのいろいろな変化に気づきます。到着当初はオックスフォードの石造りの建物に一々感動してましたが今では日本の木と紙で作った家の方が温かみを感じるように思います。

異文化としての車の運転や食生活にも随分慣れてきました。車の運転については何度も書いていますが、ラウンドアバウトのパターンが体の一部なって、自然と(自動的に)手や足が動くようになってきました。パブでのしきたりもすっかり理解できるようになりました(考えてみるとどのパブもパターンが一緒です)。イギリスでの食べものも客観的に見ることができるようになってきました。特にイギリスの食べものが特段美味しいわけでもありません(日本の方が美味しいと思いますが)。

イギリス英語も単語や発音の違いに戸惑っていましたが、まだすっかりとはいきませんがずいぶん波長が合ってきたように思います。

大学での顔見知りの人も増えてきてこのイギリスに住んでいることを実感できるようになってきました。

何事にも「慣れ」というものがありますが、この慣れには「時間」が必要であると実感しています。慣れるとスキルが向上するのだと思いますが、異文化への適応の時間を短縮する方法はないのでしょうか?

例えば、英語の4スキルのなかで「慣れ」が一番重要な部分を占めるのがリスニングだと思います。リスニングの慣れとは、それまで少し時間をかけて考えていたことが考えずに自然と理解できるようになる事だと思います。これには、海外生活では時間、つまり英語を聞いた時間が大きく影響します。今考えているのはこの時間を短縮する方法はないかということです。

日本では日々の生活で英語を使うことはありませんので結果的には「時間切れ」で英語学習が終了してしまうことが多くあると思います。従来型のひたすら聞くという方法ではなくて、listening を Accelerate する方法は無いものかと思っています。あと半年弱の生活と研究の中でその「Tips」を見つけたいと思っています。

もうすぐ Halloween のシーズン、スーパーマーケットにも大きなカボチャが目に付くようになってきました。

PS. 今日は Abington で買い物のついでに Sunday Roastを食べてきました。これまでで最も機嫌が悪そうな女性がレジをしていました。ローストは美味でした。

(2018.10.22)

★今回の教訓:10/22は時代祭と鞍馬の火祭。火祭りは今年は中止と。来年は是非ゼミメンバーと一緒に見に来たい。
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FAQ: Wakamoto Seminar(若ゼミ)についての疑問にお答えします

Wakazemi FAQ 
~18期から後輩に向けてのメッセージ~
若ゼミのことがすごくよくわかる質問集です。

11.12 (3-4.30pm: S506)
若ゼミOpen Seminar

(新3・4回生向き・入退出自由・予約不要・同女生のみ)


①授業編

Q1. 普段の授業はどんな風に進めるの?
A1. 基本的に毎回2人1組でプレゼンをします。内容はテキストの定められた部分を読み、その論文や議題についてです。プレゼンの前にエントリーをグループで読み合い、軽くコメントを記入する方法で授業を進めていきます。

Q2. エントリーって?
A2. エントリーとは、言語習得についての論文を読み、そのテーマに従って自身の意見を述べたり、英語学習を振り返ったりするエッセイです!英語で約500words書きます。

Q3. そもそもどんなことを学んでいるの?
A3.
応用言語学の分野、特にいろんな第二言語習得の方法(大事なのはインプット?アウトプット?インタラクション?)について考えたり、自分の性格(内向的or外向的)がどのように英語学習に関わっているのかなどを、論文を読んだり、ディスカッションをしたりしながら学んでいます。発見が多くとても面白い分野です!自己分析にもつながり、就活の際に活かすことができたという人もいます!

Q4. 英語が話せる自信がないけど大丈夫?
A4.
大丈夫!ゼミは、ほぼすべて英語で行われ、必ず英語で話す機会があります。だからゼミ内で力がつきます!コーチ (※) をはじめみんなが英語で言いたいことをフォローしてくれるので大丈夫!実際私もみんなに助けてもらってるよ〜!分からないところはコーチに直接質問したり、メンバーに聞いたりすることで解決できるはずです!

※ コーチ(coach)とは…
アクティブで好奇心と向上心がものすごい、若本夏美先生のことです。ゼミの主体は学生メンバーであることから、ゼミの中では若本先生のことを〝コーチ(coach)〟と呼びます。(初めは戸惑いますが、すぐに慣れます笑)ゼミ生のことを温かく見守りサポートしてくださいます。

Q5. 課題は多い?
A5. エントリーやプレゼンなど、他のゼミに比べて多いかもしれません。ですが、時間の使い方が上手くなるし、1つ1つを達成した時の充実感や、新しいことをどんどん学ぶ楽しさは本当にこのゼミでしか味わえないと思います!みんなでラーコモに集まって焦ってやったりしながら(笑)、必ずやり遂げることは出来るので無理だと諦める必要は全くないです!


②イベント編(合宿、スポフェス、EVE祭、など)

Q6. イベントやプロジェクトに強制参加ってほんと?
A6.
ほんとです(笑)でも メンバーの良いところを知れる良い機会にもなるし、助け合ったり励まし合ったりしながらやっていけば、とても良い思い出になります♩めんどくさいと思う人もいるかもしれませんが、ゼミの仲をさらに深めるチャンスです!

Q7. 合宿は何をするの?勉強ばっかり?
A7.
3年の夏の合宿は、10分のポスタープレゼンテーションをしました!が、それ以外は本気で遊んでいました!(花火、BBQ、スイカ割り、けいどろ、ビーチバレーなど)

3年の冬の合宿は、1日目の夜、2日目の朝以外は正直のところ勉強ばっかり(質問紙の作り方、論文の読み方、春学期で行うプレゼンの仕方など)でした。が、合宿係が考えてくれたレクや、飲み会の楽しい思い出が強くて、つらかったのを忘れました(笑)
4年の冬合宿では、毎年恒例の一人30分プレゼンテーション(卒業研究について)が待っています。私たちもまだ経験していないので、どれほどつらいのかわからないですが、スタディーグループをはじめ、みんなで力を合わせて頑張ろうと思います〜〜!

Q8. 合宿やEVE祭、スポフェス以外にも行事はある?
A8.
私たちが3年のときは、実際に小学校に出向いて、グループに別れ1〜6年生全員に英語を教えに行ったり、中学生を同女に招いてラーコモで「国際語としての英語」をテーマに英語のアクティビティーなどをしました!はじめは準備が大変で、本当にできるのかな?などと不安でしたが、終わると達成感でいっぱいでみんなとの絆も強くなったと思います。


③卒論編

Q9. どんなテーマで卒論を書いているの?
A9. 主に3回生のときに学んだテーマから、自分の興味のある分野について、研究や分析をして卒論を書いています。(キーワードで言えば、Motivation, Self-efficacy, Learning strategy, Personality, Language ego, Classroom silence, interaction, Input/output etc.)英語で書くのは大変ですが、行き詰ったときは、サポートしてくれるコーチやスタディーグループがいてくれるので心強いです。

Q10. スタディーグループって?
A10.
卒論完成に向けて、4-5人のグループ学習を行うことです!週2日ほど集まり、構成について相談や事前添削を行うことで計画的に卒論を進めることが出来ます!!


④その他

Q11. みんなと仲良くなれるか不安だけど、大丈夫? 1人で入っても大丈夫?
A11. 大丈夫です。心配ありません。私も休学後に若ゼミに入ったため、知り合いは1人もいませんでしたが、仲良くなれました!みんなで協力してゼミ運営やイベントに参加する機会が沢山あるのが若ゼミなので、このような日々の活動を通じて気づいた頃には、お互いを思いやる気持ちが本当に大きくなり自然と仲良くなれてます。

Q12. ゼミのメンバーは教職をとっている人がほとんど?
A12.
そんなことないです。教職取っていないメンバーも半分くらいいます。取っていなくても興味、やる気があれば大丈夫です (^^) !

Q13. 副専攻、SP、教職との両立はできるの?
A13. できます!ゼミのメンバーの中には、副専攻、SP、教職、学校図書館司書教諭課程、日本語教員養成課程(日学の日本語教育専攻の学生がとるコース)を取っているメンバーもいます!何を自分は最も大切にしたいか優先順位をはっきりさせた上で取り組む必要がありますが、頑張れば、両立可能!何事も頑張る、頑張らないは自分次第!メリハリのある時間の使い方を心がけたらいくらでも時間は作れます!


インスタもやっています。(wakazemi_18th

わからないことがあれば、何でも聞いてください!(質問に投稿してください)

そして最後に…
学生最後の思い出は忙しくても充実している方がいいです♪

若ゼミは、ハードに見えるかもしれませんが、
その分たくさんのことをコーチやゼミメンバーから学べます!
若ゼミに入るために、成績やGPAを気にすることはありません!
やる気さえあれば、絶対に若ゼミに入って後悔はしません!!
Never miss an opportunity to be fabulous!! 

~若ゼミ18期より~

オックスフォード通信(211)Smatana

ロンドン・シンフォニー・オーケストラ (LSO)の演奏会に行ってきました

9月にプラハを訪れた際、スメタナ博物館に行く機会があったのですが、そこでスメタナのピアノや楽譜を見ることができました。スメタナというと「Ma Vlast(わが祖国)」が有名ですが、恐らく日本で教育を受けた現在の50才以下の多くのみなさんが、モルダウを音楽の時間に聞いたり、クラスや学年合唱で唱った経験があるのではないでしょうか。

私は中学の教師をしている際、3年生の合唱課題曲がこのモルダウだった経緯から毎年中学生の素晴らしいハーモニーを聞くことが出来ました(不思議に9年間の学級担任としてクラスで歌った合唱曲は全て覚えています)。特に学年合唱でのモルダウは人数が200名近くになったため(現在の少子化とは真逆の世界でした)素晴らしい迫力で胸に迫ってきたのを覚えています。

チェコでは残念ながらスメタナのコンサートに(ドボルザークも)行けなかったので残念におもっていたのですが、ロンドンのバービカンホール(Barbican Hall; Barbicanとはもともと見張り台のこと)でLSOがスメタナの「わが祖国」全曲を休憩なしで6楽章演奏するというので、出かけてきました。

当日はあいにくの雨模様で、しかも最寄りのSt. Paul 寺院の地下鉄の駅だけが封鎖でCloseになっていたため、1つ遠い駅から歩かなければならないなど、相変わらずロンドンの地下鉄には苦労することが多いですが(後から分かったことですが、9月から10月の週末、土日は計画的に駅を封鎖しているそうです。またこの日はオックスフォードからバスで出かけたのですが、ロンドンハーフマラソンの影響で市内の多くの道路が通行止めで通常とは異なるルートを通るなど大都市ならではの経験もさせて頂きました。コンサートからの帰りは動いているという地下鉄リバプール駅まで歩くのも億劫だったので奮発しVictoria駅までてタクシーに乗らせていただきました[タクシー・アプリ(ドイツで使ったものと同じもの)を使うと2-3分でその位置まで来てくれます。これは便利です。日本でも使えるといいのですが])。

さて、 Barbican Hallですが、思ったよりも狭いというよりもどの席もステージに近い様子で、聴衆全体がステージに集中できるデザインになっています。

少し面白いとおもったのは、チケットの係員の対応です。大きな荷物はクロークに預けるようになっているのですが、知らずに入ろうとした私に、「うーん、ちょっと大きな感じがするね。預けてもらう方がいいな」といった感じのソフトな言い方で私に対応してくれました。その一言でこのバービカンホールにもロンドン・シンフォニーにも親近感が湧くのが不思議です。

わが祖国はレコード(CDではなく)で全曲聴いたことがあるのですが、休み休み、日をあけて聞いていたので、全楽章を一気に聞くのは初めてのことでした。もちろん、第二楽章のモルダウは素敵で歌い出しそうになるくらいだったのですが、他の楽章も力強く、ドラムとシンバルが迫力のある曲想を演出していてあっという間の90分でした。

やはりチェコに行っておいて良かったなあと思いました。曲を聴きながら何となくですが、チェコの風景が目に浮かぶようでした。第一楽章のハープから始まる美しいメロディーも印象的です。

民族というよりも、誰にとっても故郷は大切だなと実感します。ドボルザークよりもスメタナの方がよりヨーロッパらしい感じもするのですが、チェコの自然と風土を大切に思う気持ちは同じだと感じました。

生で聞く音楽はCDやレコードと違い、五感で音楽を感じるように思います。コントラバス奏者の弓が途中で切れてしまって、奏者がそおっとステージを降りていったハプニングも含めて(すぐに戻って来られました)心に残るコンサートでした。

ビートルズ、モーツアルト、ドボルザークに加えてスメタナもまたこれから長く聴き続けることになるだろうな、と思っています。

2月には同じホールであのウイーンフィルのコンサートがあるので行こうと思っています(マーラーの9番です)。

PS. LSOの常任指揮者にはサイモンラトルが就任。ただ本格的な演奏活動は来年からとのこと。

(2018.10.23)

★今回の教訓:ロンドンとオックスフォードはいい距離にあると思う。ストラットフォードアポンエイボンに行った際、かのシェークスピアは二晩、馬に乗ってロンドンに行ったと博物館で説明があったけれど、オックスフォードならその時代でも一晩で行けた距離だと思う。
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オックスフォード通信(208)Bath

お風呂の語源となったBathに行ってきました

前々から行ってみたいと思っていたのですが、天気も良かったので車を運転して日帰りで往復してきました。時間としては片道2時間弱というところです。行きは亀岡のような深い霧が途中まで覆っていましたが (A34~A420まで)、M4に入った辺りで快晴になってきました。イギリスはトンネルがない上に(一度も経験をしていません)道が真っ直ぐで、しかもほとんどがラウンドアバウト(ロータリー)なので信号が少なく(ラウンドアバウトの前によくあります)運転が比較的楽です(オートマチックの場合、これがミッション車になると全く別の話になります)。

さて、Bathはローマがイギリスを支配していた時代の歴史的な街だけに市内はほとんど車が立ち入ることができないため(歩行者天国又は道は一方通行が多い)Park & Ride を利用しました。街から10分くらいの無料駐車場に車を駐め、バスで移動です(往復 £3と安めの設定です)。

Bathは丁度谷底に降りていくように山の手から一本道の下り坂の底に街があります。天気が良かったせいか、まわりの山々も緑と所々の紅葉が太陽に映えます。街は観光客というよりは近郊の人達が買い物などにやって来ているのか大変な人出でした。

街のシンボルのRoman Bathに行かなくてはとまず、古代ローマ浴場に足を運んだのですが、教会前の建物の前には入場券を求めるかなり長い列(queue)が。ここは、映画「テルマエロマエ」をイメージさせるような大きな浴場(プール)があります。高めの入場券( £16.50 = 約2000円)を買って中へ。簡単にいうと写真のような浴場(本当に今も温泉が湧いている)があるのですが、ここではもちろん入浴することはできず、見るだけです。この浴場を見るだけでは「なーんだ」ということになるし、入場料が高いということになるので、さすがユネスコ世界遺産に指定されているだけあって、ここ自体が美術館になっていて、古代ローマ時代のBathがどのような様子だったのか、発掘された遺跡からの出土品をもとに再現されています。

論文でいうとこの出土品の展示と音声ガイド(無料というか入場券に込み)による説明が第1章~4章くらいの前置きです。この音声ガイドはよくできていてじっくりと展示を見さされます。本当は早く下の温泉のプールの所へ降りていってお湯に触りたい!と思うのですがなかなかそこへ行かせてくれません。論文でも最初から5章のディスカッションと6章の結論を見せるとだれも最初の章を読んでくれないのと同じです。

このプレゼンテーションの方法はなかなか狡猾にいや巧妙に、いや秀逸に構成されていると感心しました。散々ローマ時代の話(例えば、誰かが何かを盗んだことを神様に言いつけする金属片の展示)を見、聞き、そのムードになったところでお目当ての1階の温泉プールに到着となります。

温泉プール自体は手を触れてはいけないことになっていたので触ることのできるところで実際にお湯に手を触れることになります。

いい湯加減です。

これは是非ともお風呂に入りたいところです。古代ローマ支配の時代から現在まで脈々と温泉が湧き続けているのにはロマンを感じます。

実際のテルマエロマエ浴場はこのThe Roma Bathから100mくらいのところにあって、スパに入れるようになっています。様子だけ見に行ったのですが、大人気で60分待ちということでした。

河もきれいで歴史が現在にそのまま息づいているいい待ちだと思いました。予想以上に素晴らしい場所でした。オックスフォードよりも歴史が感じられる街といってもいいでしょう。イギリスに来るなら是非ともとお薦めしたい街です。

それにしても、日本人的には真ん中のいい湯が張ってあるプール状の温泉を見るだけではもったいないなあと思いました。せめて温泉卵でも作って売ったらと、次に行く機会があれば提案してみたいと思います。

(2018.10.21)

★今回の教訓:たかがお風呂と思ったら甘い。これだけで論文が1本書けそう。ローマ支配の古代イギリスと現在の日本の風呂文化の関係性について、などど。
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オックスフォード通信(207)海外生活のトラブル

アパートの家賃について少しもめています

海外で住むのは日本とは異なることはよく承知しているのですが、ルールが違うことはなかなか理解できません。現在住んでいるフラット(アパート)は最初に半年分(!)の家賃 (rent) を支払い残りを月払いするものと思っていました。

事実、10月からスタートする残りの家賃について、督促が来たので不動産業者に支払いに行ってきました。もともとその1週間前にインスペクションとしてフラットの現状を2名の不動産業者が視察に来たときにも家賃の支払い方法について質問していたのですが、その数日後に家賃が未払いになっているので至急支払うように督促メールが来ました。すぐにその支払い方法について尋ねるメールを送ったのですが返答がないので、不動産業者の支店に出向いてデビットカードで支払い、その際11月分からの支払いについても自動引き落としになるように書類を記入提出しました。

すると数日前に契約では残りの半年分を一気に支払うことになっているので至急支払うようにという唐突なメールがまた届きました。確かに契約ではそのようになっていたようなのですが、今となってはその契約自体が不当に思えてきます。

日本でも家賃を半年分ずつ支払うなどあまり聞いたことありません。これは外国人だからこのような対応をしているのかと思いたくなります。そう思うと気分が悪くなってくるのは困ったことです。

Sさんとメールで交渉しながらも半年分支払いができるように(まあ、いずれ支払うものですので)準備を進めていますが、先日のインターネットの唐突なサービス停止など、思いやりに欠ける対等に戸惑うばかりです。ルールや契約の重要性は認識しながらも、日本ではそのような対応をしていないはずです。イギリス社会の冷徹な部分を見たような気になります。

(2018.10.20)

★今回の教訓:相手の立場を思いやる姿をオックスフォードの至る所で見かけるだけにこのような対応は理解に苦しむ。
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オックスフォード通信(206)The British Museum

大英博物館に満を持して行ってきました

満を持してというのはいつか行こうと思いつつそのタイミングを計っていたのですが、在英も半年を過ぎ観光シーズンも済んだころを見計らって日曜日の午後に訪れました。

地下鉄 Tottenham Court Road で降りて(とてもきれいな駅でした)徒歩10分くらいで到着。反対側に随分と長い行列をにみつけました。聞かずもがな大英博物館への長い行列でした。雨が降っていたので、Queue も嫌だなあ帰ろうかと一瞬思いましたが、その行列はグングン進みます。何と10分ほどで荷物チェックのところへ。チェックといいながら顔を見るだけでパス(どうも日本人はパスのようです)。

さて、学生時代に一度旅行で来たきりなので実に36年ぶりの再訪ですが、広くて見きれないことだけは覚えていたので、ロゼッタ・ストーンだけは見ようときめていました。流石、エジプトやギリシアから略奪してきたことに良心の恥じらいを感じているのか入館料がFreeというのは有り難いです。

昔はもっと暗い感じだったのにと思うほど、会場は明るく広々とした感じに作り替えてありました。お目当てのロゼッタ・ストーンは(どこですか?と聞かれるのが嫌なのか)1F (Ground Floor)の分かりやすいところにありました。

昔はそのままおいてあったような記憶なのですが、現在はガラスケースにビシッと収まっています。そこに黒山の人だかり(本当)。かき分けながら前へ進むと目の前にロゼッタ・ストーンが。

このストーンは何か謎めいた威厳のようなものを感じさせますが、それ以上にこの暗号のような(暗号です)象形文字をフランスの言語学者 Champollion がよく解読したな、とその情熱と才能に感服しました。紀元前3000年前のものですから実に今から5000年前のものが残っている、しかもその時代に人間が言葉を記録していたということは重要な事実だと思います。

もうこれだけで本当に十分だったのですが、エジプト、シリア、バビロニアと見て回りました。興味深いのは石に彫られていたのはほぼ男性でしかも戦士の姿。弓矢や剣を突き刺すすがたです。それは勇ましいのでしょうが、その時代にはそのようなことの繰り返しだったのかと思うと、現在の文化的で平和な世界はそのような殺戮の時代の基礎の上に成り立っているのかもしれません。

一方、ギリシアのパルテノンの彫刻になると人間の肉体美や優雅さが描かれるようになってきます。高校時代に嶋本先生に世界史で教えて頂いた通りの特徴です。

大英博物館は過去の世界を垣間見ながら未来を見つめるいい場所なのかもしれません。

PS. お腹がすいたので何かたべるものを、と思っていた、何とお好み焼き屋さんが。つい入ってしましました(あべの、というお店でした)。山芋の入ったまさに日本と同じような味でうれしくなりました(ただ、二人でビールを入れて約6000円は少し高いと思います)。ロンドンには他にもお好み焼き屋もあるようで日本食のお店はかなり多いとのこと。ただ一時に比べるとロンドンに住んでいる日本人はかなり減っているとお店の方はおっしゃっておられました。

(2018.10.19)

★今回の教訓:大英博物館の土産物売り場は大行列。入り口付近の土産物売り場がおすすめ。売っているものは同じだけれど行列はゼロ。他の売り場で見付からなかったロゼッタ・ストーンのトランプと、TAのKさんおすすめのロゼッタ・ストーンのUSBを購入。
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オックスフォード通信(205)インドにおける女性の政治参加問題

Nuffield College で開催されたセミナーに参加してきました

インドにおける女性の社会的地位について興味があったからということもあるのですが、このセミナーはお昼ご飯付きで(サンドイッチとコーヒー)あるということも引きつけられた理由の一つです。

オックスフォードのいいところはあらゆるカレッジ、学部でセミナーが開かれているのでいろいろな場所で多様な話をお聞きすることができるところです(不思議なことにEnglish Departmentだけ公開セミナーをしていません)。ただ大変なのはそのカレッジの中のセミナールームを探し当てることで、ロッジ(受付)で聞いてもなかなかその場所まで行くのは難しいのですが、私のようにウロウロしている人がいるので大抵その人達と一緒に行くと目的地に到着できます。本日のロッジのスタッフはよほど慣れているのか、オックスフォードいやイギリスに来てからこれ以上ないくらいの分かりやすいクリスタルクリアな説明をしてくれました。

さて、インドの女性の政治参加意識ですが、日本と似ていて異なる所があってとても興味深い状況でした。似ているところは男性中心社会であることと政界や地域でも男性が実権を握っているところです。一方、異なる点は、インドは女性はHousehold(家事)に従事することが圧倒的ですが、日本ではむしろ真反対の傾向で、結婚する女性や男性の家族と同居することは激減し、代わりに家庭に縛られることなく社会で働く女性が多くなっているところです。

インドでは arranged marriage(お見合い結婚)の比率が高いようで、生まれ育った地域を離れて男性の住む地域に移り住むことがそれまでのつながりから切り離され孤立し、その一方で家事や育児に縛り付けられ政治参加や投票行動から遠ざかるというシナリオになるとのことです。

本日のスピーカーのSさんはプロジェクトしてGroupingを取り入れた効果を発表しておられました。それは孤立した女性のネットワークをつくり女性同士のグループを作ることによって、いろいろな話をする機会が増え、政治意識も高まってきたという内容でした。インターネットが高度に発達した中でもこのようなグループの効果をあらためて実感する機会となりました。

研究手法としても必ずコントロールグループ (Control Group) とトリートメントグループ (Treatment Group) を設定して比較しているところが手堅いところだと思います。

一方、素朴な疑問としてはインドの女性がそのような政治参加や意識向上を望んでいるのだろうかという点も挙げられます。西欧的な認識からすると男女は平等でなくてはならないのですが、このプロジェクトが終わった後にもその意識は維持されるのか、考え込む点もあります。

ただ女性達が一緒で笑顔につつまれている写真を見せて頂いたのですが、どの社会でも自由に伸び伸びと生きたいと思う点は普遍的なものであると思います。

私の母が広島に嫁いだころは恐らくこのインドのような状況だったのかもしれないと思いながらサンドイッチを頂いていました。

(2018.10.18)

★今回の教訓:アットホームな環境でのセミナー。セミナーの雰囲気や環境もあらためて重要と認識。
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オックスフォード通信(204)Raschモデル

統計の1日ワークショップに参加してきました

統計は現在4回生の卒論でもそうですが、応用言語学に必須のものです。今回参加したラッシュモデルは項目反応理論と一緒に議論されることがある高度な統計手法です。あとから分かったのですが(私の場合、このパターンが多い)オックスフォード大学にはイギリスでも2人しかいなこのラッシュモデルを研究に応用しているJ先生とR先生がいらっしゃいます。このお二人も参加されて、The Western Australia大学のD先生が講師の一日ワークショップが開かれました。

午前中は理論の講義で午後が実際にアプリケーションを使っての実践となりました。

正直なところSPSSに慣れていたためまず細かくデータ設定をしていくところからつまずいてしまいましたが、なにせ普通なら大学院の半期で教える内容を一日で教えて頂くのですから文句を言う筋合いはありません。J先生にも助けて頂いて何とかデータの設定ができ、分析にまでたどり着きました。

統計というとトロント大学で西里静彦先生にDual Scaling を中心に半年間みっちりと教えて頂いて以来となりますが、どうしても統計学は数式が入ってきてしまいます。数学は好きな方だったのですが、統計の数学は何度聞いても慣れることが難しいです。

あとから分かったことですが、14名の参加者はみなそれぞれこのラッシュモデルを博士論文や研究に実際に利用している人達ばかりで背景知識ゼロのズブの素人は私一人だったようです。知らないと言うことは恐ろしいことです。

ちょうど、Lawn Tennis をしたときに使ったことのない筋肉を動かし激しい筋肉痛に襲われたように、一日のワークショップが終わった頃には、頭の中の酸素と血液を全て消費したような疲労を覚えました。

一日で40年分のこのモデルの進展を教えて頂いたのですから仕方ないことかもしれません。

何とか、今後、テストの開発(e.g., 学科の語彙テスト)や質問紙の改訂に役立てたいと思っています。まずは、年末まで使用許可を頂いている統計ソフトの使い方をマスターしたいと思います(ウインドウズ版のみでマックではパラレルのようなエミュレータをインストールしないと使えない。それ自体とても不便)。

このソフトを使った後にSPSSを使うとこれまで面倒と思っていた操作もとても簡単に思えました。ちょうど、野球で重たい金属バットを振った後に木のバットを持つと軽く思える「マスコットバット効果」(勝手にそう呼んでいます)ですね。

しかし、統計は難しいですが面白いです。見えないものが見えるようになります。

(2018.10.17)

★今回の教訓:一日ワークショップのような集中学習は体力もいるが効果は絶大。なによりも集中力が高まる。
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オックスフォード通信(203)iSeminar 19回目

いよいよ卒論、結果分析についての発表がはじまりました

山場に近づいてきました。

今年は「通常の」対面での指導ができないため(Line Videoでの対面指導は春に全員実施)本年度はプレゼンテーションファイルのフォーマットや卒論ファイル(MS-Word) の形式を統一しています(ひながたを作成・共有)。結果的には、どのプレゼンテーションも構成が同様のものになっているので聞きやすく理解もしやすくなっています(恐らく、プレゼンテーションを作成する側についてもどうようの利便性を感じているところだと思います)。

先週までのChapter 2 & 3 をシーズン1とするとこのシーズン2ではそれぞれのプレゼンテーションの姿勢・態度も随分向上して、グンと説得力が増していると思います(北尾先生のよいアドバイスのおかげです)。すると不思議に聞いているものの理解能力も高まってくるのが面白いものです。

いつも思うことですが、大学生の順応性・可能性・飛躍性には目を見張るものがあります。アドバイスひとつで大きく成長出来るのが大学生であるとおもいます。その意味では指導する側の役割も大きくなるところですが、本年度のこの i-Seminar はNESの北尾先生とのTeam Teachingとなっているところが幸運なところだと思います。いつも北尾先生のアドバイスにはなるほどとうなることろが多くあります。その意味ではi-Seminarで一番多くの事を学んでいるのはこの私なのかもしれません。

本日はインターネットの接続状況もそれほど悪くありませんでした。ただ最近の傾向として、オックスフォード側は問題ないのですが、同志社女子大学側で約30分くらいで音声は通じていても画面がフリーズする状況が頻発しています。本日は、幸い、笑顔の状況でフリーズしていたので、プレゼンテーションの途中と言うこともありましたので、そのままにして音声のみで続行しました(これが下を向いていたりの画面なら即、再接続をお願いしていたかもしれません)。

この問題がやっかいなのは、音声OK画面フリーズの状況が気づかれにくいということです。オックスフォード側は正常ですので全く分かりません。同志社女子大学側も教室内のように私が動き回っている訳ではありませんので、そのようなものかと思っているかもしれません。何かいい解決策が見つかるといいのですが。

結果的に本日のゼミが終了したのが日本側、午後6時40分(イギリス側:午前10:40)でした。ゼミでも言っていたのですが、イギリス側は時間とともに(何せ朝7時からのゼミなので)モチベーションがアップしてくるのですが、同女側は時間とともに、特に午後6時を過ぎるとみるみるモチベーションが下がっているのが分かります。来春からは社会人の4回生としては休憩の15分を入れても4時間弱のゼミくらいは集中力を切らさないようにすることも課題ではないかと思っています(といいながら、私自身も最近では1時間半のセミナーでも集中力が切れることもあります)。

さて、来週の i-Seminarはいよいよ卒業アルバム用ゼミ写真撮影です。まずは全員がそろって写真を撮ることができること、次に天候に恵まれることを願うばかりです。私自身は写真に映り込むことができるかどうかは定かではありませんが、きっとゼミメンバーが笑顔でいい写真を撮ってくれることでしょう。
(2018.10.16)

★今回の教訓:そろそろi-Seminarをパックとして売り出すことを考えよう。まずは事例報告として論文を書き、SONYとApple、内田洋行さんに売り込みに行こうかな(お金儲けをしようとしているわけではありません。念のために)。
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オックスフォード通信(202)Visual stimulus

Physiology(生理学)のセミナーに参加してきました

カーディフ大学のF先生が1時間にわたって、視覚刺激を間隔をあけて与えた際のネズミの大脳皮質(cortex: retrpsplenial cortex: RSC)の変化についてお話になりました。RSCがエピソード記憶の鍵を握っているという前提での実験結果の紹介でした。

やはり専門外の話になると途端に理解能力が落ちるものでセミナーのほぼ全てが研究結果でしたが中々全体像を理解するのは難しかったです。一方、流石、理系(?)グラフの作成や提示、図解の提示が明快で分かりやすくなっていました。また場面によっては背景を黒にして白字で提示するなど、今後のプレゼンテーションの参考になることが多かったです。

いわゆる階段教室でのお話だったのですが、声がこもって聞きにくいのが意外でした。

ご出身はドイツだと思うのですが、英語自体は分かりやすい文法を使っておられたのですが、専門用語の意味を考えていると話が飛んでしまいますね。通訳をされる方でも専門以外の分野については事前に背景知識や用語を理解してから臨むと伺ったことがあります(進士和恵先生)。

その通りですね。

ただ記憶の住処について徐々に研究の光があてられていることは素晴らしいことだと思いました。この学期は少し専門分野外にも意欲的に挑戦してみたいと思います。

(2018.10.15)

★今回の教訓:普段行かない学部や建物に足を踏み入れるだけでもワクワク、ドキドキする。それはいいことかもしれない。
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オックスフォード通信(201)How we see the world

World Bank の首席エコノミストのRさんが約1時間にわたって行動科学的な手法をDecision Makingにどのように活用しているかお話になりました

政策・政治・経済学と畑違いの分野ですが、新鮮な切り口を見せて頂いたように思います。特に、データ分析をベースにしながらその分析結果をもとに活動方針を決めていくという手法は組織としては重要だと思います。

最初のアイスブレーキングゲームでしたように、確かに握手などによって相手について直感的な情報を得ることはできますが、それがどれ程正確かどうかは不明です。顔の表情による判断もそうです。これらのDecision Making は結構当たっていますが(会場の意見はほぼ一致していました)、エビデンスを基礎とした方が問題の解決策にたどり着きやすくなります。

例としてあげられていたのは、発展途上国での人生観ですが、どのくらい自分の人生をコントロールできていると思うのかという問題について、直感的には途上国であるほどその比率は低くなると判断しがちですが、実際のデータは先進国と変わらない数値である事を示していました(日本などは逆に低いかもしれません)。

また、教育プログラムの紹介がありましたが、Growth Mindset(成長する自己イメージ・マインドセット)を産み出すためのプロジェクトの中でLearning Strategiesを教えるという部分は興味をひかれる部分でした。やはり学習方法を教えないと先生がいないところでは(辺境の地出あれば尚更です)自分で学ぶことが重要となります。

“What happens in the future depends on me” という言葉にも引きつけられるものがありました。

会場のBlavatnik School of Government は普段立ち寄らない建物(セキュリティーが厳しい)ですが参加している大学院生や研究者も教育学部とは雰囲気が異なるのも面白いところです。

またギリシア語を母語とされるかたの英語を聞くという意味でも興味深いセミナーとなりました。

PS. ゼミの各期のみなさんや友人、先輩、諸先生から200回目を祝うメッセージを頂きありがとうございました。

(2018.10.14)

★今回の教訓:Decision Makingという観点から考えると、逆に直感の方が合っていることの方が個人の行動にはあるけれどそれが組織になると一部の人間の直感に頼るのは危険なのだろう。今の日本やアメリカがそうかもしれない。How we see the world, How we decide. eMBeD
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オックスフォード通信(200)Thinking outside the box

オックスフォード滞在が200日目となりました

この通信も最初は2-3回書けば、と思ってはじめたのですが、イギリスに住んでみて戸惑い、発見、怒り、喜びなどその時に書いておかなければ忘れてしまうものが多くあったので書いている内に50回、100回と回数を重ねることができました。これも「時々読んでいます」といったゼミや大学の卒業生、又は他大学での受講生の皆さんからの温かい励ましがあったからと感謝しております。

この200日で随分、自分のものの見方も変わってきたと思います。

また、来年度の授業の計画を立てる段階でこれまでとは違うアイディアで授業を見ることができるようになったと思います。言い方を変えると、これまでは「こうでなくてはいけない」という固定観念に知らず知らずの内に囚われていたように思います。授業の講時についても、何曜日でなければならない(例えば、4回生ゼミは木曜日の4時間目でなくてはいけないとおもっていたのですが、現在のゼミメンバーに聞いてみると案外月曜日でもいいという返答が多くありましたこの授業は課題を出さなければならないと思っていましたが(外国語教育論では伝統的にMoodleにコメントを書いてもらっていましたが変更してもいいように思います)、課題なしの講義というスタイルでもいいのではないか、その分、参考文献を提示して学習したい学生が事前に学べる仕組みをつくればいいと思うようになりました。

そんなの簡単なことだと思われるかもしれませんが、なかなか変えることはできないものです。一端はじめたことを途中からリセットするのは面倒くさく、腰が重たくなります。

また毎日、夕食を決まった時間に食べられるようになって、これまで夜の10時くらいに帰宅してから夕食を食べていたことが必ずしも良くないことだと分かるようになってきました(今更?)。仕事量は変わらないと思いますので、これからはそれだけ、仕事にメリハリをつけないといけないということだと思います。

来年度の授業時間割も1つの大学の分を除いてほぼ決まってきたのですが、これまで夜の7時半から9時過ぎまで担当してきたある大学院の授業も夕方の4時半からに変更していただきました。

すこし現場から離れてみることは少し遠くから物事を見ることにもつながるということなのでしょう。

Think outside the box、ということですね。

オックスフォードに来る前にある先生から、Before Oxford (BO) – After Oxford (AO) のようにいわば歴史の時代が移り変わるかのような違いがでないといけないと、助言を頂いたのですが、そのような認識の変化が起きているようにおもいます。あとは行動ですね。

このオックスフォード通信も365回まで綴ることができれば、是非「アフター・オックスフォード通信」として続けてみたいと思っています。

引き続き、御愛読の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。

(2018.10.13)

★今回の教訓:10月はセミナーも多く、コンピュータ関連の講習会にも数多く参加する計画を立てている。オックスフォードの真髄発揮というところか。
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オックスフォード通信(199)Causal Effect

Causal Effect、いわゆる因果関係についての(実験)心理学のセミナーに参加してきました

Causal Effectはピアソンの積率相関係と一緒によく議論される概念で、2つのものの間に相関関係があるからといって因果関係があるとは限らない、と習うと思います。そう聞くとこの2つのものは無関係のように思うかもしれませんが、そうではなくて「限らない」ということです。つまり、相関があるといってすべてのものに因果関係があるわけではないのですが(たまたま他の要因と結びついたもの同志に相関がある場合:[例] 大学入学試験になると雪が良く降る、これは入試があたかも雪を呼び込むような迷信=superstitionsですが、入試が冬に行われ、雪は冬にふる、この二つの関係セットで相関を見ているのであたかも雪と入試に関係がありそうに思ってしまいます。試しに、夏に入試をしてみてそこで雪が降れば、この2つの因果関係は証明されますがそうはならないということですね)、逆に言うと、因果関係のあるものは必ず相関があると言えます。ですから、相関関係のあるものの中で因果関係があるのはどれだ、と考えてみるといいわけです。またはそのような統計分析(例、回帰分析やパス解析)を取るわけです。

さて、本日のランチセミナーは、R先生によるものでしたが、7つの関連した実験を通して、どの刺激又は刺激がないこと(Empty Time)が学習 (広い意味でのLearning)に貢献するか実証した者でした。普段、応用言語学の分野であまり実験をしないため、実験心理学のような緻密なプランによる実験によって効果を確かめる手法がまず面白いと思いました。

質問紙による調査に頼らざるを得ないことが多いのですが、その場合、他の要因が影響している可能性を完全に排除することができず、更に質問紙自体がやや一般的なことについて聞くことが多いこと、そして何よりもそのデータが参加者自身によって回答されていることがデータの信頼性にとって問題となることがあります。

その点、今回のR先生のような反応をみる実験であると、もちろん参加者からの反応によるのですが、言語化していない(Verbal Reportでない)点がすっきりしている点です。

本日の、Contingency Learning(刺激に対する反応)を見る実験はシンプルですが、結果がハッキリとでるところが気持ちいいところです。そのなかでstreaming procedureという手法を取る中で空白の絵=Empty timeの効果を見ようとしたということですが、結果を断定するには至らないとのことです。

ただ、この因果関係を探す中で、入試と雪のような、迷信(superstition)の蒙昧を解くような作業が期待できるのが面白い所です。

関係ないですが、今回の会場となった Worcester College は奥に美しい芝生があり、新築された Sultan Nazrin Shah Centre は緑の中に映える美しいオーディトーリアムでした。

(2018.10.12)

★今回の教訓:応用言語学で実施できる実験を考えてみると面白い。R先生が最初におっしゃっておられた 記憶の研究も Learning における因果関係の研究の枠組みに含めることができるのだろう。
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