オックスフォード通信(51)Pubとエールビール

今住んでいるフラットの近くにはいいパブがあります。

イギリスに来たらまずはパブへ、と思っていたので徒歩5分以内のところにいいパブがあるのは有り難いです。パブを前提に住む場所を決めがわけではありませんが、探している過程ではパブの場所は注視しておりました。先週の日曜日にはパブのまわりにお店が沢山でてジャズの演奏もしていました。パブではギネスもいいのですが(日本ではなかなか飲めないので)なるべくAleビールを選ぶようにしています(Lagerもいいですが)。お店によってそのAleの種類は違うのですが(Light~Bitter)どれを選んでもそれほどはずれたという経験はあまりありません。近くのDew Drop(露のしずく、という意味かな)では3種類のAleがあって Undercurrent というエールビールが一番口にある気がします。苦みがありすぎす(コクがあるといってもいいですが)軽すぎず、何しろよく冷えているのがいいところです。

エールビールで少しビックリするのは余り冷えていないものが多い点です。まあ生温いといったらいいでしょうか。日本のキンキンに(グラスも)冷やしておいて一気に飲むというのとは随分スタイルが違って、ワンパインとのビールをじっくりと時間をかけて1時間くらい飲む姿が良く見うけられます。お代わりも余りしていなくて、一杯のグラスを目の前に一人でじっとしている人も、多くは数人でグラスを片手に談笑、という姿です。

だからなのかもしれません。冷えていてもどうせ時間をかけて飲むので最初から温くていい。または温い方がビール自体の味をじっくりと味わうことができるのかもしれません。考えてみると冷たく冷えていればのどごしという言葉があるように舌で味わっているわけではないのかもしれません。ただ、私はやはりビールは冬でも夏でも冷たく冷えている方が断然好きです。

また、食べるものはほとんど誰も注文しておらず(時間帯にもよるのかもしれません)本当にビールだけという感じです。この点は日本の居酒屋やビアガーデンと大きく異なる所です。私はついおつまみに何か欲しくなる方で必ず食べるものももらってくるのですが、イギリス人はビールのグラスのみという姿です。

私も最近ではパブで食べる量は圧倒的に減っていて、おつまみは crisp(日本のポテトチップス、市販の小さな袋に入っているのを4種類くらいの味付けで販売、ビールと一緒に席に持ち帰ることができるのが利点。パブは基本的に前払い)か chips(こちらではポテトフライを指す、後から席まで持ってきてもらえる。この場合席番号を覚えていないともう一度見てこいと言われてしまう)のどちらか程度です。

考えてみると日本の居酒屋が特殊な存在なのかもしれません。(2018.5.17)

★今回の教訓:もし私がイギリス文化に興味があって卒論を書くとしたらパブに見られるイギリス文化とかエールビールの歴史など、こじつけて書くだろうな。楽しみながら更に究めたいものです。

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オックスフォード通信(50)Not Special

イギリスは日本よりも先進的なのか?

英語を学んでいる人達は英国というイギリスに憧憬の念だけでなく日本とは異なる所をみつけてはやっぱりイギリスはいいよね、だから日本は駄目なのよ、と言いたくなると思います。ハリーポッターもピーターラビットも、不思議の国のアリスも、ホビットもシャーロック・ホームズも日本人では作れないよねと(念のために私はこの5つとも大好きです)。

このブログも皆様のご支援によって50回目を迎えることができました。この間、イギリスと日本の違い、オックスフォードに来てから私がおやっと思ったことを書き綴って参りましたが、読み方によっては大英帝国万歳に聞こえるかもしれません。事実、日本の大学よりもオックスフォード大の方が優れているところを沢山書いています。

でもそうではないのです。じゃあ、よく海外にいる日本人が日の丸を見たら、君が代を耳にしたら涙するような愛国者になったのかといえばそうでもないのです。

確かにイギリスには魅力的な所が沢山あります。ひとりひとりを大切にするような姿勢、ひとりひとりとコミュニケーションを大切にするところ、レディーファーストが徹底していて男性が威張り散らしたりしないところ、歴史を大切にすることろ、BBCのテレビのクオリティーが高いところ、ビールが美味しいところ、蚊やハエ、虫がいないところ、ゴミゴミしていないところ、湿気が少なく爽やかな天候が多いこと、ゆったりしているところ、バスがすぐに来るところ、バスが二階建てで景色が楽しめるところ、働き過ぎないところ、幸せそうな人が多いところ、芝生がどこも綺麗なところ。

でも、おやっと思うところも少なからずあります。例えばバスの乗り方。一人一人と運転手さんが話ながら切符を売るので長蛇の列ができるところ、昨日のように急に列車がキャンセルになるところ、列車が遅れるところ、安心できないところ、オックスフォードで最強と聞いたVodaphoneですら圏外になることが頻繁なところ、お店がすぐに閉まるところ、仕事が遅いところ、ショッピングモールやレストラン街でのトイレが異常に少ないところ、トイレのウオッシュレットがないところ、ラテのミルクの割合が多すぎるところ・・・書き出すとイギリスの魅力と同じくらい不満も出て来ます。

しかし、丁度、英語学習に見られるようにこれは単なるスタイルの違いなのかもしれないと思うのです。日本ではあり得ないようなお店の営業時間も(パブは開いていますが)コンビニや大手スーパーだけが儲からないようにパイを上手く分け合う手段なのかもしれないと考えてみるといいのかもしれません。

先日参加したセミナーで日本の教育制度がいかに先進的かというレクチャーがありました。私はそんなバラ色ではない、例えば日本の学校の大クラスは大きな問題じゃないですか、と質問したのですが、イギリス人の講師は大クラスにすることによって教師の数は抑制されその分教師の待遇は他国に比べて手厚く、優秀な人材が集まりやすくなるいいシステムだと答えていました。100%納得しませんよ、とは言ったものの、そのような見方もあるのか、と感じました。

自分の国だけが正しかったり間違っていたりするのではなくて、違和感を感じるところは他国や多文化を参考に自国にないものを柔軟かつ平和的に取り込むチャンスだととらえる方がいいのだと思います。特に、英語に関わる人達は英語圏の文化こそが素晴らしいと思うかもしれませんが、日本も捨てたものじゃないと思った方がいいと思うのです。

同じ人間が長い歴史を生きてきたわけですから、どこかが100%正しくどこかが100%間違っていると考えない方が健康的に進歩できると感じています。

愛国者にも他国追従者にもならず自分らしくかつ持続的に成長しながら生きることができるチャンスが、多文化や他言語との接点から得られるサトウキビ(宝)ではないでしょうか。

来春、帰国後私の研究室のドアにユニオンジャックが飾られることのないようにしたいもと決意しています(怪しい?)(2018.5.16)

★今回の教訓:卑屈にならず、尊大にならず、他者も自己も尊重できること。それは異なるものに触れることでしか得られないのかもしれない。そういえば通っていた高校の校訓は真理を探究せよ、社会に貢献せよ、そして自己を尊重せよ、であった。流石、校祖弘法大師も中国留学経験者。
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オックスフォード通信(49)19+40

5/15 本日は私の誕生日でした。

LINE、Facebook、Messageを通じて同僚、元同僚の先生、同分野の研究者の先生方、ゼミの卒業生・在学生、同志社女子大学の卒業生・在学生、立命館大学大学院修了の皆様、中学校教員時代の教え子の皆様、トロントで知り合った皆様、高校時代の同級生、親戚、同志社女子大学を通して知り合いになった方々、今出川通りの皆様(書き忘れている皆さんがいらっしゃるかもしれません)など100名以上の方々からお祝いのメッセージを頂きありがとうございます。本当にうれしく思います。光栄です。

よく何歳になったのですか、と聞かれるのですが、50代最後の一年をオックスフォードで迎えることになりました。ただ先日文房具店でバースデーカードを見ていたら、50歳は20歳+30、60歳は20歳+40、と考えるといいと書いてありました。それに習って、大学1回生の気持ちで(一浪していますので)19歳のバイタリティに40年分の経験を加えた年になったと思うようにしたいと考えています。

本日はお休みを頂き、ロンドンに行ってきました。後から行こうと思って午後に行ったウエストミンスターは火曜日の見学時間は午後1時まで終了、国会議事堂は土曜日のみの見学で見れず、Paddington 駅から帰りに乗るはずだった列車はキャンセル(後から考えればその列車だけなのでじっとしていれば良かったのですが、日本的にその路線全部がキャンセルになったと思ったのでMarylebone駅からの列車のチケットを購入してしまいました)など予定通りには行かないところも多々ありましたが、念願のビートルズ・アビーロードスタジオやその前の横断歩道に行き、中学生、高校生の頃に聞いていたビートルズ、Paul, John, George, Ringo がこの辺りを歩いていたんだなと思いを馳せることができました。イギリスでの 大切なTo do リストを一つクリアすることができたように思います。高層ビルのShardからの眺めも格別でした(入場料が£30=4500円!)。

快晴のもと爽やかで豊かな気持ちにひたることができた一日でした。(2018.5.15)

★今回の教訓:ビートルズはなぜいまだに人々に愛されるのか。なぜ普遍的なメロディーを産み出すことができたのか。イギリスや英語と関係しているのだろうか。何度も横断歩道を渡りながらいろいろと考えた。

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オックスフォード通信(48)インターネットゼミ4回目・視界が開けた!

若ゼミインターネットバージョン5回目。

このゼミがすごいと思うのは毎回進化していること、そして就活などがあるにも関わらず遅くなってもゼミに参加しようとする意欲です。本日も4時間目には2名間に合わなかったものの、5講時には全員がそろいました。また3回生ゼミメンバーであったゼミフレンドの2名も来てくれるなどオープンさもいいところです。

本日はモチベーションについて議論しました。プレゼンターの都合もあり前半は初めての試みで「リスニングをどう教えるか」教員採用試験の2次試験を想定して3人ひと組でディスカッションをしました。試験官1名、2名の受験者を想定して、まず受験者が1分間、自分の考えを述べ、その後5分間、2名がリスニング教材、教え方、評価、宿題のありかたについて述べるというものです。英語でのディスカッションですが5グループ、いい議論が出来たように思います。

本日よりMacBookの三脚台が登場し、マックを三脚につけて、丁度カメラが三脚に乗っているような形で中継をしていただきました(コンピュータが三脚に乗っているのは変な感じもするのですが)。

しかしこの効果は絶大でした。前回まで話をしている人の顔が見えないという事を言っていましたが、本日は(機転を利かせてマックを声がする方へ回して頂いたからですが)話をしている人の顔を見て英語を聞くことが出来ました。また本日は試しに私のフラットから中継をしたのですが、インターネット回線がおそらくオックスフォード大よりも早い、自分のコンピュータであるので(大学の備え付けではなく)Facetimeで会話をすることができました。Facetimeの利点はマイクとスピーカーが交互に切り替わらず、こちらが話をしている間も同志社女子大学側の音声が聞こえている、つまりインターラクションがシームレスにできること、画像がLINEに比べてやや鮮明であること(ややですが、この2-3%の違いは大きいように思います)、画面がコンピュータ全面になることです。一方、問題点は音声は続いていても画面がフリーズしてしますことが多い(オックスフォード側からはフリーズしませんでした)。

いずれにせよ、三脚、ゼミメンバーの機転、Facetime、この3点とPages(インターネット共有による実質的に私が同志社女子大学のS506教室のホワイトボードに字を書くことができる)によってほぼフラストレーションを感じない程度のゼミを構築することができてきたように思います。

ただこれはいわばこれまでの若ゼミの水準に追いついたというレベルですので、ここから+アルファを積み上げていきたいと思います。

研究とは研究をめぐる人間関係である」(京都大学前総長松本紘先生)、この言葉に案外ヒントがあるのかもしれないと思っています。ソフトとハードの融合。ゼミメンバー同士の更なる意見交換。そこからまた新たなモチベーションも生まれてくるのではないでしょうか。

次回ゼミをわくわくしながら待ちたいと思います。(2018.5.14)

★今回の教訓:いろいろと試すことは重要。ただ「聞こえません」「もう一度言ってください」と言っているのは私だけだが、同じ教室で同じ空気を吸っているメンバーは本当に分かっているのだろうか。コミュニケーションを問い詰めるとどこまで理解するかという問題に突き当たるのかもしれない。
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オックスフォード通信(47)ユニクロとalteration

イギリスに来てからそろそろ服を買おうと思い立ちました。

ご存じのようにそれほど服には頓着しない方なのですが流石にジーパンとチノパンが必要となってきました。というのも急いで持ってきたわけではないのですが(余り考えずに持ってきてしまいました)、持ってきたジーンズは冬に買ったのでわざわざ余分に綿の入った冬仕様であり、チノパンは長年はいてきた愛用のものなのですがポケットのところが破けてきています。

オックスフォードにはWestgateというショッピングモール(大学院生のIさんによると期限を決めて作ったのでオープン当時には信じられないことにあちらこちらに穴が空いていたそうです。今はとてもきれいですが)が駅の近くにありその中にユニクロが入っています。

多少日本の店と品揃えは違うかもしれませんがほぼ同じ。サイズは残念ながらUK表示ですが靴下にしてもジーンズにしても多分日本と同じものがおいてあります(ヒートテックもあります)。ただこちらで一つだけ問題になるのが、そう長さなのです。ウエストは自分にあうものを選べばいいのですが、長さは調整しなくてはいけません。ここで普通、日本の店ならFitting Roomで合わせて早い時はその日の内に、遅くても2-3日中に切って、縫って、自分にピッタリとした長さのズボンに寸法直しをしてくれるのですが、その試着室はあってもメジャーも針も誰も持っている様子はありません(代わりに何着試着室に持って入ったのかを示す大きな番号札を渡されます)。

実はカナダも同様であって、直しを専門にする業者は別なのですね。そう考えると日本は便利で消費者目線で親切なサービスがちゃんとセットになっていることに気づきます。問題はどこにそれがあるかということです。よく見るとイギリス人はかなり長めのズボンをはいている人や裾を折っている人が結構目立ちます(家にミシンがないのかも)。

そうこう考えながら街を歩いていると妻がどこかで見た気がするというのです。その記憶を頼りに街をさまようことほんの数分。ありました。そう、クリーニング屋さんとセットになっていました。明らかにインド系(家族経営らしく息子さんとはヒンズー語で話をしていました)のおばあさんが日本のブラザー製(流石世界のブラザーですね)のミシンの前に座っておられました。

Alteration (=alterは変える)? だけで話は通じて3日ほどでしてあげるとのこと。ミシンの前には依頼が多いのでしょうね沢山のジャケット、ズボンが無造作に置いてあります。ただ結構高くて、ひとつ£12とおっしゃいます。日本で£30? ???というと特急料金だと。急いでないのでというと£24で決着。メモ用紙に名前を書いたのが領収書代わりです。ただ、青刷りの複写式になっていておばあさんの手元にも残るようになっていました。

ただ少し戸惑ったのが長さを合わせる時。クリーニング屋さんの中の奥(といってもすぐ横)で着替えて長さ合わせ。カーテンも何もありません。男性はいいにしても女性の場合にはえー!と思われるでしょうね。

昨日土曜日お昼頃に取りに行くと顔色一つ変えず4pmとおっしゃいます。そんなこと聞いていないと思ったのですがまあしかたありません。出来上がりは完璧でした。さすが。(2018.5.13)

PS. 現在 (8.2) £30以上購入する場合には無料で、それ以下だと£xx(忘れました)でユニクロの店舗で直しをしてくれるそうです(さすが)

★今回の教訓:日本はなんだかんだといって消費者天国。便利にできている。ユニクロも製品とお店を輸出するだけでなくてお直しのようなサービスも輸出するべきだ。イギリス人も感動することだろう。
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