オックスフォード通信(74)ラグビーとサッカー

今日の土曜日はラグビーのテストマッチ(国の代表チーム同士の真剣勝負の試合)でイングランドと南アフリカの試合を近くのバーで観戦してきました。

本当はスカイTV(通信61参照)をアパートで見ているはずだったのですが、5/29に仰々しくスカイのテクニシャンという人が来て(来られる3日前から5/29の確認のShort Messageが来て、当日もあと40分くらいで到着すると電話があり、大雨の中、来ておっしゃったのが、あなたのフラットはオーナーの意向でスカイTVの工事が出来ないと述べて)2分で帰って行かれたという顚末になってしまいました。いつか恨みを込めてブログに書こうと思っていたのですが、今日まで忘れていました。まあ日本でいえば余計なケーブルTV(WOWOWに近いですね)の視聴料を払わなくていいので良かったと自分に言い聞かせています。しかしこのあたりがイギリスは信じられませんね。ダメなら最初の時点、又は三日前に言えばいいのに。

さて、実は日本対スイスのサッカーの親善試合も前日に観ました。これは誰かが生放送をYoutubeで流しているもので全編フランス語での中継でしたが、日本のやる気のなさ、というよりは勝つ気のないのはよく伝わって来ました。

それに比べて(比べてはいけないでしょうが)、本日のラグビーは盛り上がったし観ている方も気分が高揚しました。パッと気づくと恐らく30人くらいはいたでしょうね。パブも大盛り上がりでした。

実は、以前にInvictusという南アフリカ対ニュージーランドのW杯ラグビー決勝の映画]を観ていて、代表チーム(Springboks)が好きなっていたのですが、本日の試合は(負けはしましたが)圧倒的にイングランドの方が良い試合をしていました(でも最初の南アフリカの国歌斉唱は感動的でした。国歌が誇れる国はいいですね。イングラインドの選手は一人感激して泣いていました。もちろんイギリスの国家の時ですが。イギリスの国歌はメロティーはいいのですが、女王陛下万歳はやりすぎですね。パロティーとしてはいいですが)。

現在のイングランド監督は前ジャパンのエディージョーンズです。

パブで(スポーツバーではありませんが)皆んなで観るのはいいものですね。帰りにはイングランドを応援してくれてありがとうという意味でしょうね(なにしろTVの一番前で観ていましたので)見知らぬお客さんから握手を求められました。

日本のサッカー はなぜハリルさんを解任したのでしょうね。ハリルさんがいるだけで試合に本気で勝つ気が相手にもジャパンの選手にも伝わったのに。

(2018.6.9)

★今回の教訓:パブでスポーツ観戦はいい。
f:id:wakazemi:20180609161629j:image

オックスフォード通信(72)自転車登場!

自転車を安い値段で譲っていただきました。

オックスフォードに来て最初に考えたのが移動手段です。K先生など多くの方からは自家用車の購入を進められました。実際に(別の)K先生は半年間の滞在ですが、湖水地方など方々へ行かれる計画なので最初から車を購入(買った形にして実際にはリースで半年後に返すとおっしゃっておられます)しておられます。それもありかなと思っています。

そう言えば、海外で中古車を買って1年後や2年後に同じ値段又は時にはそれ以上の値段で売るという事があると聞く事があります。前々から不思議に思っていたのですが、オックスフォードの地元に住むイギリス人のHさんとお話した際にいいお話をお聞きした事があります。それは新車を買ってしばらくするとグンと車の値段が下がるそうです(ここまでは日本も同じ)。ところがイギリスでは(カナダでも同じだと思います)一旦下がった中古車の値段はそれ以降は年々下がる事がなく一定のままという事らしいです。なるほど。なぜ一定なのかそこは分かりませんでしが(Hさんも分からないと言っていました)中古車の謎は一応解けたように思います。

さて、自家用車を購入するか?と一応考えたのですが、結論は不要ということに達しました。その理由として①サマータウンという大学まで徒歩でも20分の所に住んでいるのでしかもCity Centerは車は原則立ち入りが難しいので、大学や街の中心部に車で行くことはない、②ロンドンもしかりで車の立ち入りはかなり厳しくナンバープレートの番号などで規制されている、③交通規制が厳しく速度違反はもとよりバスレーンを走るだけで罰金がかなり課せられる、これらはほとんどがカメラによってなされる、④1年後に売るのが面倒くさい、⑤必要があればレンタカーを借りれば良い(実際にはレンタカーはミッション車がほとんどで苦労しました→通信42を参照)。

では徒歩とバスでということになるのですが、オックスフォードは京都と良く似ていてあまりアップダウンがありません(正確には多少あります、当たり前か)。こうなると自転車を(通信24、21を参照)買うしかないと思っていました。ただ、日本人大学院生のAさんに言わせると新しい自転車を買うと取られるとのこと。中古を買えとのことでした。確かのフラットの近くのサマータウンサイクルで物色してみると最低で£300(=4万5千円)、普通に並べてあるものは£800(=12万円)とか中には£3000(=45万円)なんてものもあります。これはだめだ。

果報は寝て待てといいますので、しばらく「売ります!」という声がかかるのを待っていました。

すると来ました。妻のネットワーク(New Comers Club)のメーリングリストで夫婦で2台売りたいとの。ただ夫は身長が190cmで写真を見るととてもどんなんことをしても地面に足が着きそうにないので奥さんが持っていた自転車を売っていただくことになりました。値段は£50(=8000円)でした。有り難いです(ちなみに売ってくださったのはイギリス人のOさんという女性なのですが、自転車の受け渡しにサマータウン周辺までわざわざ持って来て頂きました。しかも妊娠6-8ヶ月目の身重の状態で。こちらは赤ちゃんでも昨日生まれたの?というような本当にまだ小さな赤ちゃんをハイキングやパブに連れ出しているのでびっくりします。これはカナダも同じですが出産したら翌日には退院をしなくてはならないそうです。そう言えば、18年前トロントで全身麻酔で胃カメラを飲んだときも終わったらすぐに帰らさせられました。胃カメラに全身麻酔するのも凄いですが。当時フラフラしながら帰った記憶が鮮明に残っています)。

次の果報もまた妻のネットワーク経由できました。こちらはYさんというイギリス人と結婚してオックスフォードに在住30年というご婦人から古くなった自転車を£30(=4500円)で譲って頂きました(Yさんは奥ゆかしい方でそのお金は寄付されるとおっしゃっておられました)。

ということで、果報が二回続き、5月下旬に自転車が2台そろいました。自転車に乗ると日本でもそうですが世界が変わりますね。それはまたの機会に。

(2018.6.7)

★今回の教訓:本当に果報は寝て待て。さて1年後に自転車を自動車と同じように買った値段で売ったら?とよこしまな考えがふと浮かんだがそれはないな。
f:id:wakazemi:20180527142709j:image

オックスフォード通信(71)Oxford University が世界一の秘密(7)虫がいない

オックスフォード大が世界一の秘密をこれまで何回か(6回)書いてきましたが、もう一つ秘密を見つけました。それは虫と天候です。

おそらくこれを書くと日本で読んでおられる皆さんは激怒するだろうと思ってこれまで控えてきたのですが、読者も随分減ってきたと思いますので、そろそろ書いても大丈夫でしょう。イギリスはよく天気が悪いと言いますが、少なくとも現在のところ最高の天気が続いています。

確かに到着した3月下旬から4月にかけては毎日雨が降っていましたが、平均的には爽やかな天気の日が多いように思います。しかも湿度が低い。今日は6月7日、恐らく日本では蒸し蒸しとした天気で気温も25℃を超える毎日だと思うのですが、本日のオックスフォードは20℃前後、汗を知らないくらい湿度は低いです。

こんなに天気が爽やかだと頭も冴えます。夜もぐっすり寝ることができます。しかも日が長い(もちろんその反動が冬に来ることは知っていますが)。本日などは夜の10時でもまだ薄明るいくらいでした。

もう一つ良いことが。虫がいないんです。まだ一度も蚊というものを見た事がありません。ハエは一度だけ見ました。亀岡市内の私が住んでいる農村部で現在おそらく大合唱のカエルの声も聞きません。この調子では夏の蝉の声もないのではと思っています。

その当然の帰結として、各家庭にはエアコンも網戸もありません

このような爽やかな気候と汗だくになりながらという状態では、アイディアの生まれかたも違うと思います。極端かもしれませんが初夏の軽井沢か(初夏に行ったことはありませんが)尾瀬(行った事自体ありません)にいるような気分です。

恐らく、半年後には全く正反対のことを書いているかもしれませんが、現在の気候は最高です。そりゃ良い研究ができるわ、と思います。

何かイギリスバンザイみたいになってきましたね。大丈夫ですよ。

(2018.6.6)

★今回の教訓:そう言えば「存在が意識を決定する」と喝破したあのマルクスのお墓もイギリスにある。
f:id:wakazemi:20180606132712j:image

オックスフォード通信(61)勝つときもあれば負けるときもある


サッカー・ヨーロッパ選手権ファイナル
を昨夜見ました。サッカーよりもラグビーの方が好きなタチですので、それほど熱狂的ではないのですが、何しろリバブールファンの熱気がオックスフォードにいてもすごいので生放送で観戦させていただきました。

イギリスではスポーツ中継は大手3チャンネルに絞られています。ひとつは言わずもがなのBBCです。でも案外、BBCでビッグイベントを中継することはそれほど多くなく、いわゆる民放のBTとSKYが交互に独占中継をしている感じです(スポーツ中継ではありませんが、先日のロイヤルウエディング・ハリー王子はスカイとBBCが同じ画像で[アナウンスは別]放映していました)。

昨日の中継はBTが独占という形でした。

イギリスの我が家ではインターネット契約がスカイという関係でテレビもスカイです(正式にには5/29からスカイテレビが観れるのですが、それまでということでiPadでも見えるようになっています。申込から設営まで3週間!という信じられない長さです。私もメールの返事やアクションがいわばイギリス風になっていたのでこれを機に改めようと決意しています)。すると普通に行けばスカイの私はBT中継を見ることができないということになります。

ところが、このリバプール対レアルマドリードの一戦はいわばイギリスを挙げての一大イベントなんですね。恐らくイギリスでBTとスカイの両方に加入している家庭はそれほど多くないと思います(正確にには最近では例えばスカイの加入者でもBTの中継を[逆もあり]追加料金ゼロで見ることができるようになっています。ただし、追加の申込が必要)。暴動が起きるでしょうね。

ということで昨日はBTの無料アプリまたはYoutubeで誰でも(インターネットに接続していればですが)生中継を見ることができる仕組みになっていました。私はWestgateで購入したSONY Braviaのリモコンに大きくYoutubeのボタンがあったので迷わずこちらを選択。

びっくりしました。

Youtubeって生中継もしているのですね。しかもテレビで見ると普通の(?)チャンネルと全く変わりありません。2時間、時々画像が止まることはあっても楽しんで見ることができました。ついで、テレビでコンピュータを介さずに見ることも覚えました(バックグラウンドミュージックなどを聞く・見る時にはとても便利です。現在もその状態で日曜日の午前中、このブログを書いています)。

さて、エールビールを買いこみ、万全の態勢でTV観戦をしたのですが、残念ながら試合は1-3で負けてしまいました。しかも、その内の2点はキーパーKariusの不注意な気の抜けた行動で取られてしまった失点だけに悔やまれます。coachのKlopも試合後の会見で、この試合で得るものは無かった、、マイナスばかりだと失望の表情を浮かべていました。

でもそのようなことってあると思います。

レアルは3連覇、かたやリバプールは恐らく初出場。会場はウクライナのキエフ。舞い上がってしまって当たり前だと思います。キーパーのHariusは自分を責めていると思いますがそんなことはしなくていいと思います。十分良い試合を見せてもらったと思います。長い競技人生の中でそのような失策もあるでしょう。必ず誰しも通らなくてはならない道なのだと思います。

印象的だったのはリバプールファンです。TVのニュースで見た範囲ですから本日の新聞は知りませんが、みんな肩を落として会場を去っていました。暴動が起きることもキーパーの名前を取り出して避難することもありませんでした。あっさりと淡々としているように思えました。このアッサリとした冷静な態度が重要だと思います。冷静であることは次へ繋がるのだと思います。

結果のみに拘泥される人がいますが、その結果もまたしばらくすると過去の栄光として忘れ去られます。河島英五のある歌の歌詞に(正確には作者は加藤登紀子)「喜びも悲しみも立ち止まりはしない、めぐりめぐっていくのさ」(「生きてりゃいいさ」)というものがあります。

生きていれば成功も失敗もある。

若いキーパー Karius にはガッカリし過ぎないで頑張って欲しいと思った一夜でした。(2018.5.27)

★今回の教訓:成功ばりではなく失敗もまた人生の糧。
f:id:wakazemi:20180526194838j:image

オックスフォード通信(60)働きすぎない方がいい仕事ができる

イギリスに来て60日目を迎えました。

この間、休む間もなく、いろいろなことに積極的に手や足をだしてきました。今週、共同研究者のR先生には日本での生活は忙しすぎるのではないの?と言われてしまいましたが、事実、日本と比較してイギリスでの生活は随分ゆとりを持っていろいろなことを考える時間を頂いています。

オックスフォード特有のセミナーにも数えてみると(お腹の痛くなったものも含めて)17回に及びます。我ながら日本人は勤勉であるように思います。日本で働いていることを思えば何ということはありませんが。

この間、考えたり感じたことを書き綴らせていただきましたが、もう1/6が終わろうとしていることにビックリします。イギリスはそろそろ1年のAcademic Yearが終わろうとしています。いろいろなセミナーもしめくくりという位置づけのものが多くなってきました(例、通信59の講演会)。

これまでバラバラだったものも徐々に、ああ、そういうことなのか、と繋がってきているように思います。街の位置関係、人との関係、オックスフォード大の仕組みなどやはり時間をかけないと分からないものが多くあります。

この分かることには時間がかかるということは当たりまえですが重要なことだと思います。オックスフォード大は3学期制を取っていて(1学期目が10月からのhilary term, 2学期めがmichaelmas term、そして最終3学期目がtrinity termという名前がついています)、それぞれ8週間です。年間でも3×8=24週間という計算です。現在日本の大学は執拗に15週間を維持しようとしていますが、私が同志社女子大学に勤め始めた頃から2000年くらいまでは各学期の授業回数は12回~13回でした(ちなみに私のK大学時代は、精々11回くらいの授業回数に先生の休講、学生の自主休校があって8回くらいの授業回数だったと思います)。

じゃあ、オックスフォード大の方が成果が上がっていないかというとそうでもないのですね。緩急の付け方が学問には大事だと思います。いま、私がイギリスで Sabbatical を頂いているのもそうですが、学ぶ期間と休暇の時間のバランスは重要だと思います。

先日の講演会の最大のテーマは統計学者Tukeyの “An approximate answer to the right problem is worth a good deal more than an exact answer to the wrong question“ (正しい問いへの曖昧な解答の方が間違った問いへの正確な答えよりもマシだ)という言葉で集約されるものでした。

忙しすぎると、自分が持っている問い自体が正しいかどうかを考える余裕なくその答えを出すことに精一杯になってしまいます。これほどの時間の無駄はありません。むしろ、余裕をもってまずその問い自体が適切なものかどうか吟味する必要があると思うのです。

その意味ではイギリスでは日々の中にも夜の時間の確保、土日の確保、また大学では学期中以外の沢山の時間が贅沢に用意されています。

今、自分が取り組んでいることが重要なことなのか、それを吟味するメタ認知の時間は重要であると思います。特に、大学においては。そうでなければ、大学の授業が終われば学んだはずのことはすべて忘れ去られてしまいます。それこそが最大の損失です。

日本の大学も文部科学省とか大学基準協会のような組織の顔色ばかり伺うのではなくで、本当の学問発展のために何が必要か、じっくりと考える必要があると思うのです。

そんなことを書いている私もまた日本においてはそのような余裕もなくがむしゃらにやってきたのも事実です。今、こちらでいろいろな研究に取り組む中で、自分が取り組んできたことがそれほど間違っていなかったのは奇跡的だと思っています(これは私の力ではなくて私の周りの特に同志社女子大学の同僚と学生諸姉のおかげです)。

日本に来春帰国したら、15回の授業回数は個人の力では変更できないと思いますので、学ぶ内容の精選と深層化・行動化・連携化・考える時間の確保などに取り組んでみたいと思います。

大学に学生を縛り付ければ着けるほど、期待した方向とは違った方向に進んでしまうように思います。学生の自主性を養うには学生の自由な時間を用意してあげることだと思います。学生諸姉もその時間はアルバイトに使いすぎるのではなくて、本当に自分がしたいことにあてるようにしてもらいたいと思います。

残り10ヶ月、私も更に思考を深め、広げるられるよう、一層アクティブに動いてみたいと思います。(2018.5.26)

★今回の教訓:光陰矢のごとし、と終わってから思うのではなくて、時々振り返るようにしたい。
f:id:wakazemi:20180515154558j:image

オックスフォード通信(56)便利さと幸せのトレードオフ

オックスフォードににて不思議なのは本当のコンビニがないこと(もどきはあります。例えば365日、朝の9時から夜の9時まで空いていますなど。ただ日本のコンビニとは似ても似つかないです)。

平日で午後6時半には大方の店は閉まってしまいます。オックスフォードというよりはロンドンでもそうですがスターバックスはあまりみかけないのですが、現在住んでいるサマータウンにある大きめのスタバでも平日で午後7時、日曜日は午後6時には閉まってしまいます。バスや鉄道も土曜日で2/3くらい、日曜日に至っては1/3くらいの運行という感じです(しかも、遅れる、頻繁にキャンセルになる。3日前からしなきゃいいのに新ダイヤになったようで[日本でも3.17新ダイヤ運行とかありますね。あれです]、早速運休の嵐だったようです。イギリス人も怒っているようでBBCはよくそのようなTwitterをTVで紹介しています。こないだは、朝3時の!電車に乗ろうと早起きして駅に行ったらキャンセルだった、と怒っておられました。その怒りよく分かります)。

以前この不便さについては書いた事があります(通信47)。日本との環境や文化の相違はまずこの便利かどうかというところに目がいくのですが、毎日オックスフォードで生活をしていて思うのは日本なら、コンビニでほとんどすべて片が付くなということです。コーヒーにしてもアイスクリームにしてもコピーにしてもそうです。正直なところここにセブンイレブンを作ったら便利さ1000倍、すべてのモヤモヤが解決するように思います。

オックスフォードに来てほぼ2ヶ月ですが、でもイギリスはあえてしない道を取っているように思います(単にできないだけやん、という別の声も私の中で聞こえていますが)。その証拠に店が早く閉まっても(パブは開いています)、売っているものが多少高くても、それほど不幸に見えないのです。それほど不満を持っているように見えないのです。大学もいまだにローテクな所がおおいけれど、それが決定的に不利であるようにも見えないのです。それが少し分かってきました。

合理化とは何かを捨てることなんですね。

日本のように吉野家や松屋にいけば5分以内にご飯が食べれて、コンビニは24時間空いていていつでもビールでもお菓子でも買うことができます。でもその代償としてオックスフォードにはまだある街の本屋さんや文房具店などの小売り店がいまの日本にはわずかな例外を除いて残っていません(僅かな例外はありがたいことに同志社女子大学今出川キャンパスの近くの枡形商店街、通称出町商店街です)。

先ほど、母の誕生日カードを街の文房具店に行って買ってきたのですが、日本に送る封筒が欲しいというと引き出しからお店のおばあさんが出してくれました。日本ならこの手間が合理化されているのですね。その分、封筒代も多少安くなるのかもしれませんが、ここにコンビニを作ったら、このおばあさんの Pen to Paper という味のある名前のお店はほどなくなくなってしまうことでしょう。

一見無駄に見えるところに大切なことが隠れている、とは本当のことで、このような一手間かける部分を大切にすることで、みんながそれぞれ何かの主人公になる形(例えば、このおばあさんなら自分の文房具店を経営していることに誇りが感じられると思います)を持続できている野田と思います。イギリスは社会主義の国ではありませんが、国民が共存共栄できる道を他の国の目を恐れることなく選択していると思います。

それとはこれ以上ないくらいの便利さを手にしている日本にすむ1億2千万の国民。便利=幸せなのか、と首をかしげてしまします。

よくゼミでトレードオフの関係について議論することがあります。トレードオフとは二律背反のことで、一方を立てるともう一方は捨てないといけないことを指します。よくいう例えは、イソップ物語の「欲張りな犬」の例です。肉を加えた犬が湖に来たら、湖にもう一匹肉を加えた犬がいる(もちろん自分の姿が映っているだけです)。その犬の肉を取ろうと思ったら今口にくわえている肉を手放さないと取りにいけない。この寓話のように、日本人は便利さを取るためにみんなの幸せを手放してしまったのかもしれません。そしてイギリスはそれが分かっているから今持っている幸せを手放さない。

もちろん、便利さも幸せも共存する方法を模索することもできると思います。しかし、スマートフォンができて、ラジオもカメラもタイマーも時計も万歩計まですべてスマートフォン一つでできるようになって、これまでデジカメを作っていたカシオが撤退したりするニュースを耳にすると、便利さと幸せの共存は難しいなと思ってしまします。その証拠にアップルは(私は大好きですが)もう一企業としては使い切れないくらいのキャッシュフローを手元に持って次から次にベンチャー業を買いあさっています。

一人の幸せが99人の不幸を生むような社会にしないようにしよう、とする静かな意思をここオックスフォードでは感じます(買いかぶりかもしれません)。

といっても日本の便利さが後退するとは思えません。ただ、2019年春の帰国を視野に入れながら、便利さと幸せがトレードオフにならない方法を自分なりに考えてみたいと思っています。おそらくそのヒントは私は英語学習、外国語学習にあるのではないかと踏んでいます(また考えがまとまったら書きます)。(2018.5.22)

PS. そんなことを考えていたら昨日まで普通に映っていたTVが今朝から不通。原因不明。やっぱりイギリスの不便さにも幸せを感じられるほど人間が大成していないようです。

PS. 大学院生の方々と書いていた論文の改訂が終了。久しぶりに朝方まで論文と格闘。でも終わると爽やかですね。18期生のみなさんも12月にその快感を感じることができますよ。

★今回の教訓:トレードオフを乗り越えること。問題があれば必ず解決方法が見つかる。重要なのは問題設定ができないこと。さて。
f:id:wakazemi:20180522185425j:image

オックスフォード通信(51)Pubとエールビール

今住んでいるフラットの近くにはいいパブがあります。

イギリスに来たらまずはパブへ、と思っていたので徒歩5分以内のところにいいパブがあるのは有り難いです。パブを前提に住む場所を決めがわけではありませんが、探している過程ではパブの場所は注視しておりました。先週の日曜日にはパブのまわりにお店が沢山でてジャズの演奏もしていました。パブではギネスもいいのですが(日本ではなかなか飲めないので)なるべくAleビールを選ぶようにしています(Lagerもいいですが)。お店によってそのAleの種類は違うのですが(Light~Bitter)どれを選んでもそれほどはずれたという経験はあまりありません。近くのDew Drop(露のしずく、という意味かな)では3種類のAleがあって Undercurrent というエールビールが一番口にある気がします。苦みがありすぎす(コクがあるといってもいいですが)軽すぎず、何しろよく冷えているのがいいところです。

エールビールで少しビックリするのは余り冷えていないものが多い点です。まあ生温いといったらいいでしょうか。日本のキンキンに(グラスも)冷やしておいて一気に飲むというのとは随分スタイルが違って、ワンパインとのビールをじっくりと時間をかけて1時間くらい飲む姿が良く見うけられます。お代わりも余りしていなくて、一杯のグラスを目の前に一人でじっとしている人も、多くは数人でグラスを片手に談笑、という姿です。

だからなのかもしれません。冷えていてもどうせ時間をかけて飲むので最初から温くていい。または温い方がビール自体の味をじっくりと味わうことができるのかもしれません。考えてみると冷たく冷えていればのどごしという言葉があるように舌で味わっているわけではないのかもしれません。ただ、私はやはりビールは冬でも夏でも冷たく冷えている方が断然好きです。

また、食べるものはほとんど誰も注文しておらず(時間帯にもよるのかもしれません)本当にビールだけという感じです。この点は日本の居酒屋やビアガーデンと大きく異なる所です。私はついおつまみに何か欲しくなる方で必ず食べるものももらってくるのですが、イギリス人はビールのグラスのみという姿です。

私も最近ではパブで食べる量は圧倒的に減っていて、おつまみは crisp(日本のポテトチップス、市販の小さな袋に入っているのを4種類くらいの味付けで販売、ビールと一緒に席に持ち帰ることができるのが利点。パブは基本的に前払い)か chips(こちらではポテトフライを指す、後から席まで持ってきてもらえる。この場合席番号を覚えていないともう一度見てこいと言われてしまう)のどちらか程度です。

考えてみると日本の居酒屋が特殊な存在なのかもしれません。(2018.5.17)

★今回の教訓:もし私がイギリス文化に興味があって卒論を書くとしたらパブに見られるイギリス文化とかエールビールの歴史など、こじつけて書くだろうな。楽しみながら更に究めたいものです。

f:id:wakazemi:20180514160316j:image

オックスフォード通信(47)ユニクロとalteration

イギリスに来てからそろそろ服を買おうと思い立ちました。

ご存じのようにそれほど服には頓着しない方なのですが流石にジーパンとチノパンが必要となってきました。というのも急いで持ってきたわけではないのですが(余り考えずに持ってきてしまいました)、持ってきたジーンズは冬に買ったのでわざわざ余分に綿の入った冬仕様であり、チノパンは長年はいてきた愛用のものなのですがポケットのところが破けてきています。

オックスフォードにはWestgateというショッピングモール(大学院生のIさんによると期限を決めて作ったのでオープン当時には信じられないことにあちらこちらに穴が空いていたそうです。今はとてもきれいですが)が駅の近くにありその中にユニクロが入っています。

多少日本の店と品揃えは違うかもしれませんがほぼ同じ。サイズは残念ながらUK表示ですが靴下にしてもジーンズにしても多分日本と同じものがおいてあります(ヒートテックもあります)。ただこちらで一つだけ問題になるのが、そう長さなのです。ウエストは自分にあうものを選べばいいのですが、長さは調整しなくてはいけません。ここで普通、日本の店ならFitting Roomで合わせて早い時はその日の内に、遅くても2-3日中に切って、縫って、自分にピッタリとした長さのズボンに寸法直しをしてくれるのですが、その試着室はあってもメジャーも針も誰も持っている様子はありません(代わりに何着試着室に持って入ったのかを示す大きな番号札を渡されます)。

実はカナダも同様であって、直しを専門にする業者は別なのですね。そう考えると日本は便利で消費者目線で親切なサービスがちゃんとセットになっていることに気づきます。問題はどこにそれがあるかということです。よく見るとイギリス人はかなり長めのズボンをはいている人や裾を折っている人が結構目立ちます(家にミシンがないのかも)。

そうこう考えながら街を歩いていると妻がどこかで見た気がするというのです。その記憶を頼りに街をさまようことほんの数分。ありました。そう、クリーニング屋さんとセットになっていました。明らかにインド系(家族経営らしく息子さんとはヒンズー語で話をしていました)のおばあさんが日本のブラザー製(流石世界のブラザーですね)のミシンの前に座っておられました。

Alteration (=alterは変える)? だけで話は通じて3日ほどでしてあげるとのこと。ミシンの前には依頼が多いのでしょうね沢山のジャケット、ズボンが無造作に置いてあります。ただ結構高くて、ひとつ£12とおっしゃいます。日本で£30? ???というと特急料金だと。急いでないのでというと£24で決着。メモ用紙に名前を書いたのが領収書代わりです。ただ、青刷りの複写式になっていておばあさんの手元にも残るようになっていました。

ただ少し戸惑ったのが長さを合わせる時。クリーニング屋さんの中の奥(といってもすぐ横)で着替えて長さ合わせ。カーテンも何もありません。男性はいいにしても女性の場合にはえー!と思われるでしょうね。

昨日土曜日お昼頃に取りに行くと顔色一つ変えず4pmとおっしゃいます。そんなこと聞いていないと思ったのですがまあしかたありません。出来上がりは完璧でした。さすが。(2018.5.13)

PS. 現在 (8.2) £30以上購入する場合には無料で、それ以下だと£xx(忘れました)でユニクロの店舗で直しをしてくれるそうです(さすが)

★今回の教訓:日本はなんだかんだといって消費者天国。便利にできている。ユニクロも製品とお店を輸出するだけでなくてお直しのようなサービスも輸出するべきだ。イギリス人も感動することだろう。
f:id:wakazemi:20180329171931j:image

オックスフォード通信(46)NISSAN Institute

オックスフォードには日本研究の拠点として、NISSAN Institute of Japanese Studiesがあります。

毎週金曜日の夕方、日本に関わるセミナーがあるので昨日を含め2回参加させて頂きました(司会は東大教授も務め現在オックスフォード教授の著名なK先生です。お人柄でしょうが、K先生の誠実さと優しさが司会の端々から感じられます)。セミナーの内容についてはまたの機会に書かせて頂きたいと思いますが、今回は昨日はセミナーの前に行かせて頂いたインスティテュートの図書館についてご報告したいとおもいます。

図書館としてはオックスフォードの中ではかなり小さい印象がありますが、地階にはぎっしり日本の本や辞典が移動式開架に収められていました。カバンは入る前にロッカーに入れないといけないので(本当は取り出していけば良かったのですが)記録のノートも(モレスキンのこのノートもいい働きをしてくれています)置いたまま。

地階で日本語の文庫本をパラパラとみると日本でとは異なる印象が湧き上がってきます。それは地上階で久々に見た印刷版の朝日新聞を読んだときにも感じたことなのですが、日本をまるごと一つのものとして見ることができるということです。日本にいると小さな違いを議論しようとするかもしれません(大切なことです)。しかしイギリスからみると大なり小なり日本的なものは同質なのです。つまり「日本とは・・・」というくくりで日本を論じることが容易な気がします。

大ざっぱになってしまってはいけないのですが地勢が変わると視点が変わるのは面白いことです。朝日新聞国際版も日本のサマリーニュースのように読むことができます。面白いのは国際版でも広告はあるのですね。おそらく海外でも購入できるのでしょうが、サプリや中高年向けの薬のCMが多いように思いました。

5/11版の新聞を見たところ「日本って森友とか加計の問題をまだ解決できないのだな」という諦めのような感覚とアジアは遅れているというステレオタイプ的な印象が入り交じります。明らかにウソをついている官僚や政府高官をさっさと葬り去ってもっとクリエイティブなことに時間とお金を使えばいいのに、ときっとイギリス人なら思うと思うのです。繰り返されるセクハラ発言もそうです。それはしつこく取り上げる新聞に問題があるのではもちろんなく、そのような政治屋(家でもないですね。単なる世襲ですね)を選挙でホイホイと選んでしまう日本人的マインドセットがマズイのだと思います。

ただ私は直感ですが、このようないわばconstipationのような閉塞感はポピュリズムではなくて割と健全な形で10年も経たないうちに解消されると思っています。そのためにはまず「このような状態は健全ではない」「自分達こそがそのような状況を変えるステークホールダー (stake holder)= 利害関係者」であることをを認識すること、そして「楽観的に考える」ことが大切なのだと思います。

ヨーロッパの島国から東洋の島国をみるとそんなことを感じています。

時々、インスティテュートに行って日本の本も読んでみたいと思います。レセプションの日本人女性はとても親切でしたので足も向くと思います。

PS. 昨日のセミナーで再会した(Oxxxxの会というオックスフォード日本人会で一度お目にかかっています)Iさんも今春退官されましたが、オックスフォード・ボードリアンライブラリー分館日本ライブラリーの館長をされておられました。このようなつながりも大切にしたいと思います。(2018.5.12)

★今回の教訓:高校の時に微分積分を学んだが、物事は微分的に(極小的に差に気をつけながら)同時に積分的に(大局的に類似性に注意しながら)考える事が重要だ。そのために物理的に自分の立ち位置、すなわち居場所を変えることは最も容易な方法だろう。旅もまたその類。

f:id:wakazemi:20180511161857j:image

オックスフォード通信(45)カレッジ・ディナー

オックスフォードでは学部とカレッジの両方に所属することが通常となっています。

今回私は教育学部の所属ですが、残念ながらどこのカレッジにも所属していません。カレッジは通常、宿泊施設(accommodation)が併設してあり、学生(学部生、大学院生)はそこに住みながらカレッジの授業や学部の授業に参加することになっています。

昨日はオックスフォードにお招き頂き共同研究を行っているR先生が所属するLカレッジのディナーに夫婦で招待して頂きました。それほどフォーマルでもないのでということで、このような場面を想定して持ってきたスーツにタイなしで参加させて頂きました。

午後7時過ぎにカレッジの入り口で待ち合わせ、中のレセプションへ。食事前の軽い飲み物(ワイン、ビール、ソフトドリンク、ジンやウイスキーもありました)を。私達はビールをということでカレッジ内のバーに(あるのですね)。

当日は50名くらいの参加者で座席表や名札もテーブルに置かれていました。Lカレッジは創設は1963年ということで新しいカレッジだそうで、大学院生中心であることや国際色豊かに院生が集まっていることから他のカレッジのような教会もなく食事前のお祈りもありませんでした。代わりにカレッジの代表の方が、食事のはじまりの合図(よく見えなかったのですが、木の銅鑼のようなものを食事のはじまりと終わりに叩いていました)と簡単な言葉を述べて食事スタート。7:30頃から9時過ぎまで、割とあっという間でした。前菜からメイン(ラム肉でした)、デザートと進みます。

カレッジのメンバーはオックスフォードのガウンを着ており私達のようなゲストとひと目でハッキリと分かるようになっています。たまたま向かいに座っていたのが私達同様のゲストだったのですが、香港出身の医学部の女性院生Mさんでした。

Mさんの生まれは中国のどこですか?という話をしているなかで、実は私の父と同じ哈爾浜(ハルビン、ハルピン)であることが分かりました。第二次世界大戦前は哈爾浜は満州であり事実上日本の占領下にあったわけですが、私の父は生まれも育ちもその哈爾浜で大学まで(哈爾浜学院)そこで過ごしています。なんという偶然なんでしょうと話が盛り上がりました。昨秋亡くなった父が生きていたら真っ先にこの話をしてあげたのに、とちょっと口惜しい思いもしました。

流石にオックスフォードらしく右横にはドイツ出身のメンバーも座っておられます。食事自体はケイタリングと契約しているようで割とあっさりと配膳をしたり片付けたりしていかれます。

毎週木曜日にこのようなディナーが開催されているとのことですが、食事をしながらいろいろな話をしたり、いろいろな人と定期的にあったりすることで気分もリフレッシュし、活力も湧いてくるように思います。

食後は最初のレセプションルームでコーヒーを頂き、談笑。イギリス人院生とオックスフォードのどこかでテニスができないか、なんていう話をしていました。

日本の宴会とかコンパとは少し異なる、いい経験をさせて頂きました。オックスフォードに来て1ヶ月半経ちますがなぜか少しほっとした気持ちになりました。食事やアルコール(ビール、白・赤ワイン)の力は大きいですね。(2018.5.11)

★今回の教訓:ディナーで社交性を育むことも大切。よく考えれば学会などに行くとパーティーがあったりするけれどこのような定期的なディナーによって社交性の素地が形成されるように思う。

f:id:wakazemi:20180510190555j:image

オックスフォード通信(44)イギリスが非効率のわけ

今住んでいるフラット(アパートです)は 家具付き(Furnishedと言います)。

冷蔵庫はもとより洗濯機、掃除機からコーヒーテーブルから机、ベッドからスプーン、フォークまでおよそ生活に必要なものはほぼすべて揃っています(といっても、TV、時計はありませんでしたので、ソニー製のTVとラジオ付き時計を購入しました)。まあ、付いているので文句を言ってはいけないのですが、それぞれに多少の問題があります。

例えば、シャワー室についている取っ手はしっかりと持ってしまうと取れてしまうほどもろそうですし、掃除機は電源コードが異様に短く各部屋でコンセント(outlet/socket)に差し込み変えないと使えません。昨日なぜこんなに不便な造りになっているのかと話をしていたところ、ある発見がありました。それはどうもイギリスで掃除機を使って掃除をしているのは女性ではなくて男性なのではないか、ということです。だから不便でも改善しようという話にならないのでは。女性がそのような掃除機を使っていたらすぐに文句が集まって改善されるのではないでしょうか(日本の家電メーカーの製品が使いやすいのはそのようなサイクルになっていませんか)

イギリスは物価が高く Costa という一般的なコーヒーショップで何かを注文すると£3(450円)くらいします(日本のドトールコーヒーくらいなので値段は少し高めですね)。税金も高く、カナダでは取られなかった住民税も年間で£2000(約30万円)も徴収されました(1年間滞在の外国人から徴収するとは!日本では中高のALTは初年度は無税です)。となると必然的に共働きをせざるを得ず、夫婦ともにフルタイムの仕事を持っているというのが普通のように見えます。事実、街の至る所で女性が活躍しています(長距離バスの運転手から大学の事務職員に至るまで)。

すると必然的に家事も夫婦で分担となるのでしょう。妻曰く、掃除機は確実に男性の仕事だわ(まだ幸いなことにこの仕事は私に回ってきません)。すると多少電源コードが短かろうが、不便であろうが男性はあまり文句を言わないのでは、と。日本の家電が高度に発展してきたのは女性、特に妻の家事を軽減するために細かな主婦の要望に答えてきたからではないかと。

なるほど、と思います。日本の高度な家電文化を形成したのは女性、主婦の知恵なのかもしれません。

今日は Ethnography についてのセミナーに参加してきました(なんと参加者は私一人でした)。ボートをどのように作るのか、vocational training に関してワークショップに参加しながらそのリフレクションをジャーナルとして書き綴っているという博士論文プロジェクトの発表です。私のこの報告もいわばイギリス生活のエスノグラフィー(民族史的記述)になってきているのかもしれません。

ポイントは思ったその時に書かないと永久に記憶から失われてしまうということです。もともと若ゼミ18期生の書き綴りをサポートするために補助的にはじめたものですが、ここまで書いてきて結構面白いものが積み上がってきたと思っています(どれだけの人が読んでいるか定かではありませんが)。

できれば365回を目指して日々の発見、思ったことを書き続けていきたいと考えています。

(2018.5.10)

★今回の教訓:何かをキッカケにブログや日記を始めるのはいいことだ。もう少しコメントがあると励みになるのですが(お待ちしています・[注] 反映されるまでに約12時間かかります)

f:id:wakazemi:20180510150547j:image

オックスフォード通信(38)ヘアカット

ヘアカット、散髪。

少し恐れていたことです。大体2ヶ月に1回のペースで日本では散髪に行っていたのですが(身だしなみには気をつけながら結構考えて散髪に行っていたのですが回りからは、家族ですら、気づかれないことが多かったです)そろそろ行く時期になってきました。

慣れないところへ行くのには少し勇気が要ります(妻は日本人の美容師を見つけてきてカットしてもらう段取りを付けています。ずるい)。でもこれも経験です。

サマータウンに住み始めた頃から通り沿いにあるBarbarに目を付けていました。結構一杯でいつ行けばいいものかと考えていました。昔カナダに住んでいた頃はどうしていたのだろうと思い出そうと思ったのですが全然浮かんできません。ということはあまりショックな経験はなかったのでしょう(息子を散髪に連れて行ったときのことはよく覚えています)。

先週の水曜日の午後3時くらい、結構早い時間に手が空いたので今だと思って行ってきました。待っている人ゼロ。3人のカットマン。すべて男性。日本と違ってカットのみ(顔ぞりやシャンプーはなしです)。

にこやかな男性の美容師がカットしてくれました。案外というと失礼ですが、丁寧にお願いした通りに切ってくれます。日本とほぼ同じです。最後はバリカンで仕上げというところまで。

最後に鏡を見せてこれでいいかと確認して終わり。30分くらいでしょうか。約£15(2250円)くらいでチップもなし。

何を言ってもイギリス人みたいに回りを刈り上げられてしまうと恐れていたのですが案ずるより産むが易し (An attempt is sometimes easier than expected) でした。(2018.5.4)

★今回の教訓:知らないところに一歩踏み出すのには少し勇気がいるが案外大丈夫。

 

オックスフォード通信(29)New Comers Club

新入りのためのクラブと訳せるでしょうか。本日は私と言うよりは同伴の妻のための会に一緒に参加してきました。

必ずしも新学期(Trinity)からこちらに来たというわけではないのですが、本当に3日前に来た人から半年前に来た人まで含めて、オックスフォードに同伴で来ている人達向けの会合が毎週水曜日10:30-12:00まで開かれている、と教育学部のバーバラ(今回の在英には3人のBarbaraさんにお世話になっています。出発前のBarbara先生、不動産担当もBarbaraさん、教育学部事務長もBarbaraさんです)さんに教えて頂きました。

University Clubというオックスフォードにしては少し近代的な建物に入るとSuper Friendlyな受付の皆様。どちらかというとシニアの方が多いですが、若手の方もチラホラ。同伴者が女性であることがおおいためが、ほぼ全員が女性。

今日は特別ということで普段は£1のコーヒーを無料で頂き、テーブルへ。日本と違うのは自己紹介とか何か堅苦しいプログラムがあるのではなく、適当に楽しく近くの人達と話すことです。

たまたま隣がドイツから2週間の予定で来た日本人男性のSさん(滋賀県出身で関学卒業後、ドイツに渡り、修士号を取得、現在博士論文を執筆中とのこと。ドイツ語で、しかも専攻は哲学)とSさんのパートナーのFさん(上海出身でドイツで法律の研究員をしているとのこと)。二人とも30歳前後というところでしょうか。すごいなあと思います。英語よりも格変化がグッと複雑なドイツ語で博士論文を書いているとは(何度書いても友人にみてもらうと直されると笑顔で言っておられました。博士論文終わるかなあという気持ち、よく分かります)。ただドイツの大学はうわさには聞いていましたが、授業料は外国人であっても無料で、300ユーロ程度諸雑費を払うだけだt言っておられました。

その他、コンピュータサイエンス専攻で来ておられるご主人の奥さんとか(5-6年はかかるよ、と指導教官に最初に釘を刺されたとか。かかるかもしれませんね)。

このような受け入れ体制を大学がサポートしてボランティアベースで始めておられるというのはさすがですね。何かすがすがしい気持ちになりました。

Jさんには5/1のMagdalen College のお得なチケットを教えて頂き購入の手続きまでしていただきました(朝5時集合)。

帰りに伸び伸びになっていた銀行カード(結果的に2週間かかりました)をH銀行でピックアップ。これで諸準備はほぼFin!ということになりました。皆様、大変お世話になり、ありがとうございました。(2018.4.25)

★今回の教訓:Welcomeの笑顔は人を元気づける。笑顔は世界共通。

オックスフォード通信(23)暑い! 銀行キャッシュカードComments

急に夏がやってきました。

極端です。半袖、短パンの世界です。お昼に街を歩くとなぜか人が一杯。とても働いているように見えません。近くの高校生も芝生の上でランチをしています。午前中にフラットチェックにきたDさんも半袖!半袖!と唸っていました(ビーサンを持ってきていて[さすがに訪問時はきちんとした靴を履いておられましたが] 帰りは履き替えておられました)。また相変わらず歩きタバコをする人は多く、高校生風の男女も堂々と煙をはいています。

気温25℃くらいでしょうか。一昨日まで10℃くらいでしたから本当に夏がやって来た感じです。

さて、こちらでは携帯の契約をするのになぜか銀行のキャッシュカード(デビット)が必要です。銀行のキャッシュカード・クレジットカードの暗証番号は早々に来たのですが、肝心のカードが来ません。しびれを切らして電話をしてみたらH銀行にもいろいろな銀行があるようで、あの・・・は何番の後にオペレーターにそう言われてしまったので、支店に行くのが早いということで先ほど行ってきました。すると口座開設を手伝ってくれたMさんが対応してくれました。覚えてないけど思い出した、なんといいながら、「カードが先に届いているはず」とのこと。Sorry、といいながら再発行の手続きを取ってくれました。

信頼がおけるはずのイギリスでもそうなんでしょうか。ただ日本のような書留がないので本人受取が確認できないのは事実です。そういうこともあろうかと思って暗証番号を別々の便で送ってくるのですね(そうでなければ別送しませんよ)。ということで、早々に再発行になり、次週銀行にピックアップ(こちらではcollect)することになりました。この部分では日本の方が確実安全ですね。

本日の写真はよくガイドブックやオックスフォードというと出てくる写真を。St. Mary教会の塔からです。その昔36年前にヨーロッパを訪れた際、あのバルセロナ聖家族教会の塔を登ったのを思い出しました(パリのノートルダムもニューヨークの自由の女神も同時に思い出しました。自由の女神は1995年です。911以前はあの目の所まで登ることが出来ました)。サグラダ・ファミリアから見えた地中海を見た時なんとも言えない感動があったのを思いだしていました。同じような石段です(といってもサグラダ・ファミリアの1/10くらい)。サグラダ・ファミリアに登ったとき22歳、何を考えていたのでしょうね。地中海の青さだけが脳裏に鮮明に残っています。(2018.4.19)

★今回の教訓:銀行のキャッシュカードは届かなければなるべく早く銀行にコンタクトを取ること。日本郵便、Royal Mailに勝っているかも。日本社会の勝利!?

オックスフォード通信(22)塩けのない生活

血圧が高かった。

というと下がったみたいに思われるかもしれませんが(血圧を測る場所がありません)正直まだ分かりません。でも下がったと思います。というのは食事の影響です。

17日間、放浪の生活(といっても大学の寮住まいですが)をしていた関係で、夕食はすべて外食(=ほぼパブ)で頂いていました。その関係上、口にするものBritishな食事ばかり:フィッシュアンドチップス、ウインナー、チキン、マッシュドポテトなどなど。引っ越しをして、先日久々に家で(フラットで)食事をしました(妻が作ってくれました)。

今回のフラット、Furnishedといわれる家具付きの物件なのですが、よくできていて冷蔵庫や冷凍庫はもとより、掃除機、ソファ、イス、ベッド、カーテン、フォークにナイフワイングラスにコップと何も買い足さなくていい素晴らしい環境です。更にどうも前に住んでいた方は日本人らしく、しゃもじやセイロまで置いていって下さっています。

これは日本食をということで引っ越して2日目にご飯を炊こう、味噌汁を作ろうということになりました(妻が)。しかもスーパー(ダウンタウンとフラットの近く)に行くと味噌もあるし豆腐もあるし、ネギまで売っているのですね。ラーメンはなぜか出前一丁の各種が置いてありました(東京醤油、豚骨、海鮮、ビーフなど、少し日本とは異なります)。

さて、まずメインのスモークサーモンを口にした瞬間出て来た言葉は「塩辛い」。次に味噌汁「塩辛い」。実は特段サーモンが塩辛い訳でも、妻が味噌汁の作り方を忘れてしまって失敗したわけでもないのですね。これまでの日本の普通通りの食事が塩辛く感じてしまうほど、この17日間、ほとんど塩気のない食事をしていたということなんですね。改めて、日本でいかに塩分の多い食事をしていたか、合点がいった気がしました。

すると当然のことながらこの17日間のノーソルトの生活の成果で、血圧が下がったのではないかと推測した次第です。本日のコーヒータイムにいろいろと教えてくれたSさんにヘルスセンターはないかと聞いたのですが、トロント大学にあったような大学付属のセンターはないようなのですね。ですからしばらく血圧を測ることはできそうにないのですが、研究とは全く関係のないところでいい発見をしたなあ、とほくそ笑んでおります。

今日はオックスフォードにきて初めてといえるくらいのいい天気です。気温も予報通り20℃近くあり春になったような気がします。木々も葉が出てきました。春はどこの国でもいいですね。また、本日の午後、Dornyei (2015) を大学の図書館で読んでいました。今後の研究の方向性をじっくりと考えてみたいと思っています。(2018.4.18)

★今回の教訓:日本の食事は美味しいけれど塩分が多い。多すぎる。塩分のない生活をしようと思った洋食にすればいい(言い過ぎ)。

オックスフォード通信(19)傘をささない!?

雨が降ります

2月から3月上旬の天気もようやく終わりを告げ来週からは20℃台の天候が予測されています。楽しみです。オックスフォードに来てやはりと思ったことがいくつかあるのですが、その一つに雨でも傘をささないことです。

やはりというのは昔トロントに住んでいた頃、びっくりしたことを思い出したからです。ただ、オックスフォードでの状況はなんとなく納得させられるものがあります。一日の内に四季があると言われるくらい(ニュージーランドもそうでした)天気がコロコロと変わります。イギリスに到着してから本日で19日目を迎えますが、雨が全然降らなかったのは3日くらいだと思います。晴れては雨が降り、曇りになってまた日がちょっとだけ差すという感じです。

要するにこのような天気で傘をいちいち持って歩くのは面倒くさいということなんでしょうか?

それ以上にイギリスに在住の皆さんは雨に濡れることに余り抵抗がないようにも思います。私もブリティッシュに習えということではありませんが、いつもフード付きのウインドブレーカーを着ていて(写真はほとんどこの出で立ち)雨が降ったらすぐにフードをかぶるという感じです。

さすがにひどく雨が降る日があって傘を買おうと思い立ち2000円くらいだしてボタンでぱっと開く傘を買いました(ただこの傘の重たいこと。日本だったら1/3くらいの軽くて便利な傘があるでしょう)。

雨に対する個人差も面白いものです。(2018.4.15)

★今回の教訓:雨が降ったら傘をさそう、というのは日本だけか。

オックスフォード通信(18)歩きタバコをする人が多いことについて

スモーカーに優しい国!?

オックスフォードにはパブが沢山あって、本当にどこのパブに行っても(注:晩ご飯代わりに行っているだけで本格的に飲みに行っている訳ではありませんよ)ビールもご飯も美味しいし、さすが分煙どころか、パブの中ですらタバコを吸う姿はみることができません。必ずパブの外で吸っておられます。

タバコを吸わない身としては素晴らしい、さすがイギリス!と絶賛したくなるのですが、一方で京都市内ではほとんど見ることのない歩きタバコはザラにみかけます。タバコを器用にすいながら歩いておられます。

規則があればそれに従うがなければ構わない(それは日本も同じか!)ということでしょうか。歩きタバコでもsecond-hand smokingの害は同じだと思うのですが。その点、カナダ(トロント)は両方上手くコントロールされていたように思います。タバコについてはイギリスもまだまだなんでしょうか。(2018.4.14)

★今回の教訓: 規制があるからしないのもいいけど、そもそもなぜタバコが規制されているのか考える方がよい。

オックスフォード通信(13)銀行口座開設(2)

銀行口座開設最終章

Eさんのアドバイスはメガバンは4つあるので、B銀行はあきらめてその横のH銀行にいってみてはというものでした(あれほどB銀行は大丈夫だと言っていたのに、臆することなく悪びれることなく前言をひっくり返すことが出来るのはさすがにグローバルの資質ですね[オックスフォード通信12参照])。

B銀行はOxfordといい関係にあるから大丈夫という前言をいとも簡単にひっくり返すのにはビックリしましたが、同じ書類を持って行ってどうような反応があるのか興味がったので翌日(実は同じ日に行ったのですが、15:30までに来なくてはいけないということでその日は断念しました)12:30頃にB銀行支店の2軒となりのH銀行へ。行くと、まず雰囲気がすごくFriendlyであることに気づきました(ノンバーバルコミュニケーションです)。笑顔の行員が近づいてきて書類の簡単なチェック。OK、2-3分待っていて、今昼ご飯を食べているからとのこと。実際には6分くらいまっていると、Manuelaさんという若い女性行員のオフィスへ(B銀行は個室ではなくてCubilceでした)。

雰囲気からして大丈夫、または問題があっても何とかするよ、口座を開かせてあげるよ、いや口座開設のお手伝いを全力でさせてもらいますよ、というのが言葉の端々から伝わってきました。私はさらにハードルをあげて、最初からクレジットカードもあわせて作りたいと言っておきました(イギリスの銀行のクレジットカードがあるとiTuneなどで便利です)。クレジットカードはさすがに難しいねえ、分からないと言っていましたが、話をしているなかで、行けるよという話に。1時間くらいかかるけどいい?ということで口座開設が始まりました。

まずPart 1が銀行口座、Part 2がクレジットカードです。ポイントはOverdraft、つまり支払い超過になった際の利率がどれだけになるか、そひてその利率がかかるのがいつからか、ということでしした。紙に図解をしながら分かりやすくManuelaさんは説明をしてゆきます。恐らくスペイン系の移民2世だとおもわれますが(多少スペインダイレクトがありました)英語はクリアで分かりやすいです。面白いのは話が済んで同意したところで、飛行機の安全装置についてのビデオ説明のように、インターネットの画面で確認ビデオを観るところ。Part 1, 2とも見せられ質問があればその場でしました(同席の妻は英語のよいリスニングの勉強になったわ、と感激していました)。

ただ問題になったのが契約書で印刷したものが必要とのことで、iPhoneのメールを何とか転送しようとしたのですが、DocuSign(後日時間があれば書きます)というインターネットサインシステムを使っているので普通のドキュメントのように印刷できないんですね。Manuelaさんはその文書をみるためにそのソフトまで自分のコンピュータにインストールしてくれてなんとか彼女のコンピュータで文書を出すことが出来たのですが、今度はその文書の印刷が出来ないのですね。これはスクリーンショットしかないと、私がF12キーを押して画面キャプチャーをしようとするのですが、さすがにセキュリティーの関係でその機能が無効になっていました。

でもあきらめることなくいろいろと一緒にしている内に何とかPDFにたどり着き、印刷しようとするのですが、なかなかそのページが出て来ません。だって、契約書って40ページくらいあるので、日本でもそうですが、関係のないページを印刷することほど、もったいない!と心が痛むことはありません。あ、また違った(何ページ目かなかなか分かりません)を繰り返すこと5回目くらいに、Yes! という喜びの言葉が。文書が整いました。

B銀行はこの手間をかけてくれないのですね。scaffoldings=足場かけ、という言葉がありますが、条件の整わない場合には、その手伝いをしてあげるかどうか、これがビジネスでも教育でも分かれ道になると思います。条件の整った好条件の人だけを相手にビジネスをしているのが恐らくB銀行なんでしょう。でも50年先にB銀行がどのような姿になっているか、私には何となく想像できるような気がしました。大学でも同じですね。なんでもかんでもではなくて、ほんの少しお手伝いをしてあげるかどうか、これは日本人、英語のネイティブ・スピーカーに関係なく、その人のスタイル、又はビリーフに関わることなんだと思いますが、重要なことだと思います。

ざっと、3時間後(1時間を大幅に超過、こんなに一人のカスタマーに時間をかけていいの?と思うくらい)全てが完了しました。それまでに、インターネットバンキングのアカウント設定、パスワード設定、おまけにスマートフォンでのバンキングの仕方、ソフトのダウンロード(そうそうH銀行のWifiまで丁寧に教えていただきました。ただ、この日に限って、iPhoneの充電をするのを忘れ、残り6分くらいの電源残量で、ずっとヒヤヒヤしていました)、アクセスの仕方(XではFace IDでログインできます。文字通り顔パス、この辺りはUKは最先端ですね)まで全部一緒にやってくれました。最後に£100預けると言っていたわね、といってもうこの場所には帰ってこないからと荷物をまとめて、ATMへ、さっとその£100を預け入れしてくれてスマホの顔パスで確認、入金完了となりました。

Manuelaさんとは笑顔で握手をして銀行口座開設の幕は降りたのでした。

(2018.4.9)

★今回の教訓:相手に言われるままではなくて、他の銀行はどうだろう、などと少し余裕を持って他の可能性を試してみること。また、前言を翻すことはそれほど恥ずかしいことでも相手に誤り倒すことでもない。でも日本人ならではの対応の方がいいような気もする。

オックスフォード通信(12)銀行口座開設

新生活スターアップ第3章

家が決まると次のステップは銀行口座開設。簡単と事務室のEさんに聞いていたので、軽い気持ちでB銀行へ。まずビックリしたのが待ち順番は「顔で覚えておく」ということ。5-6組待っていたが(家族連れを含めて)要するに私がラストで次に来た人の「前」ということを覚えておくということ。さて30分くらいまってMartinが私達の対応をしてくれました。口座開設をしたいというとSureと快い返事。うまく行くと思ったのはつかの間で、Martinの顔が曇ってきました。まずい。このような良い方向に行っているか、まずいかというのはノンバーバルコミュニケーションで分かるものですね。

パスポート
BRP(住所証明)
大学からの招聘状
給与所得証明
銀行残高証明
入居に際しての手付金払込情報
契約書(デジタル)

普通これだけあればOKなんだとおもうけれど、新住所を証明するものとして、(1)新住所へ送付された水道、電気などの公共料金の請求書、または(2)日本の銀行が発行する残高証明で新住所に郵送されたもの+IBANコード付き。このどちらかがないとどうしても口座が開けないとのことなんです。「話が違う」(今回のオックスフォードではそれほど多く感じなかったがでも時々あった)とおもって、そうだ事務室のEさんに電話してMartinと話をしてもらおうと思いました。話すこと3-4分、それでも結果的には何もラチがあかず、ダメとのこと(Eさんさっきと話が違うよ)でした。

じゃあ、どうしたらいいの?と思ったのですが、(2)をしろという。じゃあということで、どのような条件の書類を作ってもらったらいいの?とMartinに聞くと、下に行って紙をとってくるので書いてあげるというのです。聞き間違いで下に行ってコンピュータのコピーをしてくると言ったと思ったのです。

またまたびっくり。本当に紙を一枚持ってきて、コンピュータの画面を鉛筆で写し始めました。それなら私でもできる(だって一緒にその画面を見ているのだから。写メをとったらおわりじゃないですか)。またMartinが一生懸命書いてくれたのはいいのですが、ネイティブが字が下手というのはALTの板書で痛いほどよくわかっていたのですが、象形文字のようなデザイン文字で判読が大変でした。

でもMartinの努力に感謝して、その規則がんじがらめは日本のM銀行とよく似ているなあ、さすがイギリスもメガバンは融通が利かないなあと思いながら銀行を後に。その足で日本のM銀行に国際電話をしたところ(今回は時差なし)、そのIBANコードはつけられません、明細は日本語でする設定になっているので、まず英語にするように申請をしなければいけない(確か、日本で郵送かないかで申し込むように言われたと思うのですが、あきれ果てていたのでほとんど上の空)、これはダメだと思いました。携帯の本契約にも銀行のデビットカードが要るし、待っていられません。さて。

(2018.4.8)

★今回の教訓:グローバルとは英語が通じるとか通じないとかそのような次元よりも、どのような状況にも動じない心を持つことだと実感。いい勉強をさせて頂いています。

オックスフォード通信(11)Catch 22(家探し最終章)

Catch 22

Catch 22とは何かの結果がその前提となっているジレンマのことをいいます。

もともとJoseph Heller の小説が元になっている言葉です。簡単にいうと、戦争中、戦闘機のパイロットから免除しもらうには、自分が正気でないことが条件なのですが、自分が正気でないと分かっている人は正気なのでどこまで行っても免除条項に当てはまる人は、少なくとも自らは出てこないというジレンマをいいます。「正気でない」「パイロットから免除」この2つはつながりそうでつながらないということです(若ゼミの卒業生はゼミで議論したので覚えているかもしれません)。

今回、やっと家が決まったので、家賃を支払うことになりました。その場合、現金はダメでOxfordのB銀行に振り込みとなっているのです。それは想定していたので、日本の口座のあるM銀行から海外送金をしようとしました。すると、海外送金先を日本のM銀行に印鑑を押して郵送しなくてはならないのです。この場合、FAXもe-mailも不可となっています。印鑑はもちろん日本に置いてきましたのでイギリスから何もしようがありません。

またこの払込情報は日本にいる間には知り得ない情報でイギリスに来てから知った情報です。もし学生の皆さんの場合であれば、家族が日本にいて、家族の口座から払い込むよう家族に連絡をすればいいでしょう。しかし夫婦ともこちらに来てしまっては子ども達は日本にいるものの印鑑の場所を含めて教えて→書類を作成→M銀行に送付→何日か経ってその情報が承認され登録→日本から海外に送金、ざっと1週間はかかると思います。久々に、少しあせりました。ただ、今回のオックスフォードでの研究生活はメタ認知をすることにしているので、このような状況は今後、日本人学生、日本人研究者にもあり得るな、と思いましたので、焦りを少し横に置くことができました。そこでいつものようにプランBを考えました。

プランB:妻の姉が広島で大学教授をしているので(分野は全然別の福祉関係)、すぐにライン電話をしました。ところが新年度初頭で月曜日の午前中は会議や新入生関係の仕事で一杯で早くて水曜日とのこと。→断念

プランC:そうそう今年で25歳になる息子がM銀行(同じではない)に勤務しているので、彼に頼もうと電話。日本時間で深夜2時くらいでしたがさすが若者、飲み会から帰ったところで酔っ払いながらもライン電話に出てくれました。さらにさすがなところにどれだけ酔っていても銀行員の冷静さを持ち合わせていて、勤務時間中に100万円以上のお金を海外送金すると間違いなく行内のチェックに引っかかるとのこと。→断念

プランD:そうそう私には2歳違いの妹がいてA部市で図書館に勤務しているのです(ちなみに出世していて館長です)。しかも図書館は月曜日が休み。これしかない。同じく夜中の2時頃に電話。さすがに寝ていると思ったところ、公務員は歓送迎会の嵐のようで、帰宅したところとのこと。話をすると考える暇もなく(酔っていたので考えていなかったかもしれない)快諾。プランはこう。月曜日の朝にA部市のK銀行に行き、彼女の口座から100万円云々のお金を引き出す→イギリスポンドに交換→指定口座にK銀行から振り替え。この場合現金が絡むので為替手数料は結構かかる(つまり損をすることになるが、+10円くらいなので100万円を超えるとざっと10万円は損益)この場合そんなことを言っていられない。妹に頼むことに決着。持つべきものは妹、兄妹、家族です。

するともう一つのプランが。

プランE: そういえば(言わなくても)子どもは双子なので娘(二卵性です)も関西で金融関係の仕事に就いている。妹よりは娘に頼む方が筋だろうということで、同じく娘にライン。さすがに日本時間では午前3時を超えていたので翌朝、快諾の連絡。本当に娘に頼もうとは思ったし、快諾はさすが昔トロントに住んだだけあって、グローバルにものが考えられると、いや親思いだと感謝したけれど、勤務時間中に市中の銀行にいってもらうのは忍びないと思ったのとそもそも時間は懸かるだろうと想定したので、このプランは丁寧に断念することした。

ざっと10分くらいの間にこのプランB~Eまで考えられたというと、私が頭が冴えているように思われるかもしれないのですが、緊迫する状況になると(だって、住むところが決まるかどうかの瀬戸際ですから)頭脳は120%、いや150%以上のスピードで動くものですね。

プランDが実現可能と分かると安心して今度は違うアイディアが。そうそうメガバンクのM銀行ではなくて、今回はインターネットバンギングのS銀行のアカウントも持っていたことに気づきました。

最初は半信半疑だったのですが海外送金の所を見ると、M銀行とは異なる記述が。そうなんですね、インターネットバンキングに送金先を登録するのに郵送という発想はないのですね。だって支店が存在しないのですから。ただマイナンバーの事前登録が必要とのこと。これはラッキーだったのですがマイナンバーがこの世に出現した後に口座を開いた場合には必須、それ以前であればどこかの時点で(つまり帰国後でも許容)登録すればいいことになっていました。

やった!さすがインターネットバンキング、海外生活をサポートしてくれるのはメガバンではなくてインターネットバンキングだ!と心の底から思いました。ただ、1点大きな壁が。それは送金申し込みをしたらその後にその内容確認を電話でするとのこと。しかもその電話は国内限定とのこと。まあこの時点ではプランB~Eの誰かに頼もうかと思ったのですが、正直が一番、S河銀行に国際電話をしてみました。国際電話は久々で(ラインでの国際電話は何度もしたことがあった)少し緊張したのですが、びっくり。「もしもし」・・・「もしもし」・・・・「もしもし」、相互にこの繰り返し。さすがにかなり疲れていたのでなぜこうなるのかすぐに分かりませんでしたが、ぱっとテレビでの国際中継の場面が目に浮かびました。そう時間差なのです。ラインの場合は恐らくインターネット回線なので時差はないのですが、電話はインターネット回線とは異なる回線をいまだに使っているのですね。

私:「海外送金をしたいのですが」
(3秒待つ)
S銀行行員F田さん:「わかりました」(ちゃんと日本人も名前を聞いていおいた)
(3秒待つ)
私:「連絡先ですが・・・」

これほど3秒間が長いと思ったことはありません。でもS銀行が偉いのは柔軟性があるというよりはカスタマー第一に考えているということです。もちろん、今回こんなに苦労しているのはオレオレ詐欺のような犯罪が横行しているからですが、S銀行が取った方法のように、支払い明細をメールで送る、こちらからその内容について再度電話確認するなど、異なった方法を提案するという手はメガバングにも考えられると思うのですね。結果的には、

プランF: S銀行の自分の口座から直接イギリスのB銀行の不動産業者の口座に振り込む

という方法で決着することが出来ました。ただ問題になったのは着金するまでの時間です(プランB~Eの場合、実はもっとかかったかもしれません)。3日~1週間、日本を出金してからイギリスの銀行に着金するまでかかるとのことなんです。イギリスの不動産は予想以上に厳格で着金するまでは鍵は絶対に渡してくれないということなんです。現在、大学の寮にB&Bとして滞在させてもらっているのですが(これもいい発見があったのでまたの機会に書きます)さすがに10日を過ぎると豪華な朝食も飽きてきますし(毎日完全に同じメニュー)妻に至っては卵焼きを自分で焼きたいと言い出す始末。なんとしても金曜日には引っ越しをしなくてはいけないのです。

実はこのエントリー(ギクッ!)は4/10に書き足しているのですが、妻は月曜日の午後などには、お金は今頃どのあたりを通っているのかななどと呑気なことを言う始末です。飛行機で運んでいる訳ではないので。しかし、さすが日本の銀行ですね。S銀行を出発して→Mほ銀行を経て、その後は不明と言っておられましたがが、正確にはイギリス時間、月曜日午前3時15分発(ここで当日レートと送金の確認電話、これは眠い)→火曜日正午着金、という素晴らしいスピードと正確性で送って頂くことができました。時間として1日半という超特急です。この時ほど、インターネットバンキングと日本人の勤勉性を再確認、感謝したことはありません。

(2018.4.7)

★今回の教訓:インターネットバンキングは海外生活には必須。ただ、注意点は、海外送金する場合、途中の経由する銀行が手数料を取るらしい、しかもいくら取るか分からないとのこと(自分の口座のあるS銀行は4000円+1500円の手数料、つまり必要額+αを送金する必要がある。今回はS銀行のアドバイスも得て、1万円相当を(£60)を加えた額を送金。