オックスフォード通信(226)エジンバラ紀行(2) CranachanとスティーブンソンComments

エジンバラの人は気さくで親切です

旅行をしていてそれほど多くの方と話をするわけではないのですが、でもホテルで、パブで、観光地で少し話をすることがあります。その端々からその人となりが伝わってくるのは面白いものです。

最近はまずホテルに着くと<span class=”deco” style=”color:#FF0000;”>ホテルのスタッフにその街の美味しいレストランを聞くことに</span>しています。そしてなるべくその地方の料理を食べることのできるお店を。その際に料金で高いところから手頃なところまで3つほど教えてもらうと完璧です。

エジンバラでも到着してすぐにホテルに向かい、美味しいランチの店を教えて頂きました。これまでの経験に違わずリーズナブルな料金で(2品どれでも £11といった感じです)エジンバラの美味しいランチを頂くことができました。このテクニックは日本人がバイブルにしている「地球の歩き方」よりも安くて美味しい店に確実にたどり着く方法だと最近は確信しています(9月ウイーン・プラハ・ドイツを訪問した際にももちろん活用しました)。

このお昼をたべたHowiesもまたそのようなお店でした。11:30くらいに行くと12時からなので出直すようにと。でも気になって戻って12時に念のために予約をしておいて良かったです。12時少し前に戻ると日本の人気レストランのように外に人がイスに座って待っています。中に入ると結構広い店内はどんどん人で埋まっていきます。

ここでも店員さんの受け答えがオックスフォードやロンドンよりも親しみがこもったもののように思います。するとビールも料理も美味しく思えるから不思議です。

夜に訪れたDeacon Brodie’s Tavern では更に人情味のある女性店員に会うことができました。この店は予約ができないということだったので、小雨が降る中お店に急ぐと続々と客が入ってきます。1Fがパブで2Fが食事ができるレストランという構造。2Fに行くと40分待ちとその愛嬌のある店員が。14分では?というと強調して40分と。あきらめて帰ろうと思ったのですが、そういえば昔トロントのレストランでよく一杯飲みながら順番が来るのを待っていたことを思い出し、一杯のパブで席を何とか譲ってもらって待つことに。再度2Fに行くとニヤリとしてその店員が40 minutesといいながら日本のレストランであるような順番が来たらブザーで知らせる Pager のようなものを渡してくれます(イギリスで初めてみました)。ビールを飲み始めて待つことなんと5分少々でブザーが鳴ります。2Fにいくとその店員が<span class=”deco” style=”font-weight:bold;”>短い40分だったねえと笑いながら席に案内</span>してくれます。この辺りが旅の面白いところです。

店内には Robert Louis Stevenson の絵がいくつも。聞いてみるとこの店に来ていたかどうは定かではないけれど、この店の近くに住んでいたとのこと。そう Treasure Island (1883) や Strange Case of Dr Jekyll and Mr Hyde (1886) で有名なスティーブンソンです。

デザートで勧めてもらったのがクラナカン(Cranachan)というヨーグルトに蜂蜜とウイスキーが少し入ったものです(よく考えるとホテルの朝食のデザートにも似たものがありました。ウイスキーは入っていなかったけれど)。その店員さんにエジンバラは好きですか?と聞いてみると私はエジンバラから少し離れた街の生まれでずっとそこで育った、エジンバラは大きな街ですきではないとのこと。

なるほど、なるほど、と思いながらクランカンを頂きました。

(2018.11.8)

★今回の教訓:訪問するとその街で生まれた作家や作品を読んでみたくなる。その意味では文学は奥深い。私もかすかにスティーブンソンの名前を知っていたからこそ、Tavernでああ、と思うことができたのだろう。そう思うと文学概論などの授業はイヤでも大学生に教え込む必要があるのだろう。ただし、私のような体験談付きで(後日役に立ったよ、と)。f:id:wakazemi:20181108204324j:image

オックスフォード通信(224)楽観主義者の悲観

Romanes Lecture: Dr Vint Cerf さんのレクチャーに参加してきました

このレクチャーの中身もそうですが、最初の挨拶にもあったように1892年(日本の明治時代中期)に始まった伝統のレクチャーらしく、講師は2名の大学の杖を持った人が先導し(レクチャーの間中、杖をフロアに立てて聴衆の方に向かっていました)、入場と共に、”Please rise” と全員が起立し、入場が終わると “You may sit” と座らせてもらえるなど格式を感じます(終わりも同様でした)。

シェルドニアン・シアター自体重みを感じる場所ですが、一層という感じがしました。しかも写真は厳禁、素直に指示に従うことにしました。レクチャーが始まるときには最前列に座っていたガウンを着た2名の大学関係者(おそらくどこかの教授)が帽子を取って挨拶をします(レクチャーの終わりにも)。

Dr Vint Cerf はインターネットのCo-Founderという肩書きが示すようにかなりの高齢でしたが、話し方はハッキリして時々ジョークも交えながらの30分間のお話でした。春がヒラリークリントンで(インターネット中継で見ました)その時はヒラリーだから30分で質疑応答もないのかとおもったのですが、このロマンスレクチャー自体がそのような形式のようです。

インターネットの進化の歴史を縦軸に個々の出来事を横軸にした論理的なお話でした。インターネット自体がアメリカで戦争を想定し軍事用コンピュータを接続したところからスタートしたことなど時々年代が聞き取りにくかったのですが、インターネットは約50年間の歴史を持っていることをあらためて実感しました(実際の開始は1980年代ですが)。

なかでも2007年のiPhoneの発売以来、スマートホンのインターネットへの占有率は高まる一方で現在では50%に上ると述べておられました。またあらためて、Cyber-Spaceという言葉について考えるきっかけになりました。SNSをはじめ、現実を投影するひとつの世界が存在しているということです。その中でSNSは、misinformation/disinformationにあふれている、このセキュリティーをどうするのかという話にも言及がありました。またインターネットは電気に依存していることも事実です。電気が使えない状況ではdisasterに陥るというのはコンピュータを自宅以外で使っていると実感するところです。

新しい話というよりは、インターネットを作った伝説の人から直接、これまでの経緯と今後の課題をお聞きしたというところに意義があるのだと思います。オックスフォードならではの「大物」のお話を拝聴した晩となりました。

(2018.11.6)

★今回の教訓:サイバースペース、どこかで(既に?)現実世界と逆転する時代がくるのだろうか。Vint Cerf は自分は楽観的な人間だがインターネットの将来については Not Optimisticと言っておられた。ところで楽観主義者の悲観と悲観主義者の楽観ではどちらが楽観的だろう?f:id:wakazemi:20181106173852j:image

オックスフォード通信(200)Thinking outside the box

オックスフォード滞在が200日目となりました

この通信も最初は2-3回書けば、と思ってはじめたのですが、イギリスに住んでみて戸惑い、発見、怒り、喜びなどその時に書いておかなければ忘れてしまうものが多くあったので書いている内に50回、100回と回数を重ねることができました。これも「時々読んでいます」といったゼミや大学の卒業生、又は他大学での受講生の皆さんからの温かい励ましがあったからと感謝しております。

この200日で随分、自分のものの見方も変わってきたと思います。

また、来年度の授業の計画を立てる段階でこれまでとは違うアイディアで授業を見ることができるようになったと思います。言い方を変えると、これまでは「こうでなくてはいけない」という固定観念に知らず知らずの内に囚われていたように思います。授業の講時についても、何曜日でなければならない(例えば、4回生ゼミは木曜日の4時間目でなくてはいけないとおもっていたのですが、現在のゼミメンバーに聞いてみると案外月曜日でもいいという返答が多くありましたこの授業は課題を出さなければならないと思っていましたが(外国語教育論では伝統的にMoodleにコメントを書いてもらっていましたが変更してもいいように思います)、課題なしの講義というスタイルでもいいのではないか、その分、参考文献を提示して学習したい学生が事前に学べる仕組みをつくればいいと思うようになりました。

そんなの簡単なことだと思われるかもしれませんが、なかなか変えることはできないものです。一端はじめたことを途中からリセットするのは面倒くさく、腰が重たくなります。

また毎日、夕食を決まった時間に食べられるようになって、これまで夜の10時くらいに帰宅してから夕食を食べていたことが必ずしも良くないことだと分かるようになってきました(今更?)。仕事量は変わらないと思いますので、これからはそれだけ、仕事にメリハリをつけないといけないということだと思います。

来年度の授業時間割も1つの大学の分を除いてほぼ決まってきたのですが、これまで夜の7時半から9時過ぎまで担当してきたある大学院の授業も夕方の4時半からに変更していただきました。

すこし現場から離れてみることは少し遠くから物事を見ることにもつながるということなのでしょう。

Think outside the box、ということですね。

オックスフォードに来る前にある先生から、Before Oxford (BO) – After Oxford (AO) のようにいわば歴史の時代が移り変わるかのような違いがでないといけないと、助言を頂いたのですが、そのような認識の変化が起きているようにおもいます。あとは行動ですね。

このオックスフォード通信も365回まで綴ることができれば、是非「アフター・オックスフォード通信」として続けてみたいと思っています。

引き続き、御愛読の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。

(2018.10.13)

★今回の教訓:10月はセミナーも多く、コンピュータ関連の講習会にも数多く参加する計画を立てている。オックスフォードの真髄発揮というところか。
f:id:wakazemi:20181012140422j:image

オックスフォード通信(187)コンピュータフェア

コンピュータフェアに行ってきました

といってもフラットの横のFerry Pool Leisure Centerでの開催です。行ってみてビックリ。朝10時開会でしたので少し早い目に行ってみると(といっても5分前の9:55)すでに大行列。皆さんの関心の高さがうかがわれます。

ジムの中の体育館での開催でしたので、ついでにジムに行こうと思って携帯はもっていたのものの手ぶらで行ってみてまたビックリ。入場料が £5も。でも流石にコンピュータフェア。Apple Payで手にスタンプを押してもらって無事入場。

マック、ウインドウズのデスクトップマシン、ラップトップマシンをはじめ、内蔵ハードティスクからマウス、イヤホンからありとあらゆる付属品までのセール。

最初は何も買うつもりはなかったのですが(手ぶら)、見ている内に段々欲しいものが見付かってきて慌ててアパートにお金を取りに戻りました。

最初に購入したのが、車にスマートフォンを固定するアダプター。スマートフォンがナビになっているのであると便利だと思っていたのですが、丁度いいものがあって購入しようと思ったところ現品限りと言うことで £7を値切って(これが大事) £6で購入。

次にBluetoothの小型スピーカーを見ている内に欲しくなり、 £15だったので値切ろうと思ったのですが、中学生くらいの男の子がお父さんの手伝いで販売していたので値切らずに購入(’いい子でした)。

もう一度最初のパーツの売り場に戻って、延長コードがあったので、こちらは £12を £10に値切って購入。これで毎週月曜日のiSeminar毎にコンセントの付け替えをしなくて済みます。

半分はマックのラップトップでかなり綺麗な状態のものでも £300(約4万5千円)くらいで売っていました。セカンドハンドのコンピュータは恐いので購入しませんでしたが、半分はマックというところにアップルの浸透度が分かりました。その他はiPadが多く販売されていました。

帰ってきてBluetoothの小型スピーカーでiPhone経由でApple Musicの音楽を聞いてみました。体育館は広かったのでそれほど音量があると思わなかったのですが、8畳くらいのアパートの部屋では十分。これまではiPhoneで聞くのと差はないと思っていたのですが、スピーカーが少し離れた場所にあってそこから出る音を聞くのと、手元のiPhoneで聞くのとではかなりの違いがあることに気づきました。やはりスピーカーはスピーカーです。

プラハで聞いたドボルザークのスラブ舞曲を繰り返し聞いてみました。いい曲です。いい音楽です。

(2018.9.30)

★今回の教訓:9月も終わろうとしている。いよいよ後半戦へ。

f:id:wakazemi:20180929103852j:image

オックスフォード通信(149)学会

学会に参加しています

たまたまですが、オックスフォード大学教育学部でInformal learningについての学会が開催されているので本日から明日の日程で参加させていただいています。

教育学部の1教室を会場にしての開催ですので参加者数は40名限定ということですが、イギリス国内からだけでなく、スウェーデン、オーストリアといったヨーロッパやアメリカからもこの学会のための参加があります。

私がたまたま座った席の横は今年イリノイ大学大学院で博士号を取得された韓国のJさんとその指導教官のMさんでした。Mさんは今年の8月に京都を訪れてそれは暑かったと言っておられました

この学会には日本語を第二言語として教えておられる日本人研究者のIさんとかBath大学大学院生のMさんなど日本人も数名参加されておられます。その他、イギリス人で日本で教えておられるDさんとかPさんなどの先生も参加されておられました。

日本でもそうですが学会に参加して新たな考えだけでなく、新しい友人に出会うのは素晴らしいことだと思います。

(2018.8.23)

★今回の教訓:どの国でも学会に参加するのは少し緊張するけれど研究へのインパクトという意味で得るものは大きい。

f:id:wakazemi:20180821183845j:image

オックスフォード通信(144)IKEA

車があると少し近郊に足を伸ばすことができます

本日は Milton Keynes にあるIKEA(日本語ではイケア、英語読みではアイケア)に行ってきました。現在のフラットはもちろん借家で来年の3月一杯までなので大型家具を買うことはできませんが、ソファなど色々と見て回るのは楽しいものです。

神戸にもあるのですっかりお馴染みですが、中においてあるものも日本と良く似ています(神戸のイケアで購入した我が家のダイニングテーブルと全く同じものもおいてありました)。日本と唯一異なるのはワイングラスの種類が多かったり、アイスクリームのスクープなどかもしれません。

日本と異なり土曜日でも駐車場に待たずに入ることができるのも異なるところでしょうか?

面白かったのはレストランです。オックスフォードやロンドンで食べるとどんなに安くても£5は下らない Fish and Chips などが£3台、コーヒーなどに至っては£1台です。もちろん、これは買い物のおまけという意味合いもあるし、郊外にあるお店なのでそれだけ安くできるのでしょうが、スウェーデン人が作ったらこんなに安く美味しくできますよ、と言っているような気もしました。それをイギリス人が列を作って買い求めているのも何か滑稽です。

どこの国でも同じなのは、子供です。子供はゼリーやケーキなどの甘いものが好きで、セルフ形式で取って行く中でついつい手が出るのですが、お母さんに怒られて戻しています。お母さんは厳しいですね。

このレストランでは買い物の途中でも立ち寄れるし、買い物が終わった後でも寄れるのですが、後者のパターンんでレストランで食事をして帰ろうとすると、セキュリティに呼び止められました。どうも買い物のチェックアウトをしないでそのまま帰ってしまう不届き者もいるようです。レシートを見せるとと事なきを得たのですが、そのようなことで呼び止められるとドキドキするものです。

IKEA を見て回りながら、帰国したらあれを買いたいな、などと考えていました。

PS. レストランのサーモン、さすがに北欧スウエーデンの店だけあって、いい塩味。

(2018.8.18)

★今回の教訓: IKEA お得意の小物を買ってきた。iPhone用のスタンドだが£1台と驚異の安さ。以前神戸で500円で購入したクロックは残念ながらなかった。

f:id:wakazemi:20180818152229j:image

オックスフォード通信(143)Folyes

ロンドンに行く用事があったので、本屋さんに行ってきました

オックスフォードにはBlackwell’s とWater Stoneという大きな本屋さんがあるので特に本については困っていないのですが、折角ロンドンに行くのだからということで、一番有名な本屋さんに行きたいと思っていました。

イギリス人の友人二人に別々に尋ねるとそろって、それは Folyes だよ、とういことで、Charing Cross Station駅と地下鉄のTottenham Court Road駅の中間にあるこの本屋さんに行ってきました。

中には第二次戦争当時、ナチスドイツに空爆を受けても周りの住民と協力しながら営業していた大きな写真も展示してあったりと歴史を感じさせつつもモダンな新しいビル構えです。

5Fだったと思いますが、本の売り場としては最上階にLanguagesのコーナーがあり、もちろんTESOL(外国語教授法)関係の本がたくさん並んでいるのですが、ラテン語から始まり中国語、イタリア語と諸外国語の書籍が並んでいます。その中でも他言語と比較しても日本語のコーナーが広いように思いました。それだけ日本語に興味を持っている人達がロンドンに多く住んでいるということなのでしょう。

3FにはCDコーナーもありオックスフォードではすっかり見なくなったCDジャケットを眺めて懐かしく思っていしまいました。

それほど巨大な本屋さんではありませんが、本を手にとって色々とインスピレーションが湧くいい本屋さんだと思いました。

(2018.8.17)

★今回の教訓:アマゾンもいいが、本を実際にパラパラめくって見ることの意味は大きい。
f:id:wakazemi:20180817161253j:image

オックスフォード通信(142)Beyoncé

ビヨンセ、というとモデル、歌手であることは知っていましたがそれ以上は何ら知りませんでした

新聞を読んでいる中で、雑誌『Vogue』の中で彼女のこれまでの歩みを振り返る記事が掲載されていることを知りました。

ビヨンセがオックスフォード大学で学んでいたことも意外でしたが、双子の女の子を出産していたことにも興味を持ちました。記事の中では、Non-whiteとして、女性としての生き方、そして自分の子供達への希望が語られています。

Oxford, where I’d dreamed of going since I was a bookish fifth-grader, saved my skin. Oxford in those days couldn’t care less that you hadn’t played varsity hockey or helped build orphanages in Costa Rica; they didn’t even seem to know what an SAT score was. All they cared about was how you did on their entrance exams. Luckily, my enthusiasm for English literature was just as fervent as my taste for nightclubs. When I scraped through the admission tests and was offered a place at Oxford’s Magdalen College, I vowed that I was going to reform. I did.

My mother taught me the importance not just of being seen but of seeing myself. As the mother of two girls, it’s important to me that they see themselves too; in books, films, and on runways. It’s important to me that they see themselves as CEOs, as bosses, and that they know they can write the script for their own lives; that they can speak their minds and they have no ceiling. They don’t have to be a certain type or fit into a specific category. They don’t have to be politically correct, as long as they’re authentic, respectful, compassionate, and empathetic. They can explore any religion, fall in love with any race, and love who they want to love. (Beyoncé, 2018, in Her Own Words: Her Life, Her Body, Her Heritageより)

自分の人生の主人公になるとよく言われますが、人から自分がどう見られるかではなく、自分をどう見るかという言い方も興味深いものです。

(2018.8.16)

★今回の教訓:生き方についてはいろいろな言葉を持っておくほうがいい。

f:id:wakazemi:20180816152254j:image

オックスフォード通信(141)イスラムの世界

しばらく前に、ブルキナファソのピーターさん、ギニアのサマーさん、シリアのオマールさん、そして日本のコナツさんと一緒にランチを食べました(通信114参照)

その日はピーターさんがステーキが好きだというのでオックスフォードの南、カウリー (Cowley) にあるパブでお話をしました。

折角ステーキが美味しい店に来たのですが、サマーさんとオマールさんは宗教的な理由でステーキを食べないというのです。ピーターさんを含め3人ともイスラム教を信仰しています。ピーターさんが詳しく教えてくれたのですが、イスラムではまずポークを食べることを禁じている、これはよく知られた事実です。難しいのはビーフです。

ビーフに関しては、ハラル (halal)によって詳しく規定されていて、要するにこの要綱に沿った食肉の処理をしなければ食べられないとのことです。牛はインドのヒンズー教や日本の神道の一部でも固く信じられているように、田畑を耕したりして人を助ける動物であり神聖化されているところがあります。その聖なる牛を食すには牛が苦しまないような形で食肉化 (slaughter)しなければ食べられないということです。その証拠としてhalalというマークの付いている食肉でなければ、またレストランであればハラルの肉を使っていると証明がなければいけないとのことです。

サマーさんとピーターさんは30代半ば、オマールさんで40代半ばといったところですが、ピーターさんを除くお二人はこの掟を堅く守っておられるようです。

ただアフリカでも国が異なるからなのか、個人差なのか、ピーターさんはハラルには気にせず、ステーキが好きだと言ってメニューにあれば良く注文するそうです。

その他の行動規定についてはシャリーア法 (Sharia)で細かく規定されているようで、原則としてお酒やタバコも禁止とのことです。最も厳格に守っているのがサマーさんでお酒もタバコも吸わないとのこと。その中間がオマールさんでタバコは吸う、お酒はほどほどに、ポールさんはタバコは個人的な趣味で吸わないだけであとは何ら規制されないと言っておられました。

全世界人口の何分の一かを占めるイスラム教ですが、このように個人ベースでお話を聞くとよく分かって面白いです。

その他、シャリーア法では一夫多妻制度を禁じていないそうですが、実際に実践してしている人は少ないそうで、二番目の奥さんをもらうには一番目の奥さんの許可がいるそうです(許可する奥さんは少ないと思いますが)。

先日話題になった、女性が初めて車の運転を許されたサウジアラビアはイスラムの中では例外的存在のようで他の国では女性も普通に車の運転が許されているようです。

ハラルシャリーア法についてはイギリスの新聞でも触れられることがあるようです。

お二人には申し訳ないのですがステーキはとても美味しかったです。

(2018.8.15)

★今回の教訓:イスラムというと分かりにくいというイメージがあるが話をしてみるとなるほどと分かってくるところもある。日本は敗戦記念日。

f:id:wakazemi:20180802142656j:image

オックスフォード通信(140)車を譲って頂きました

日本に帰国されるK先生ご一家からNISSANを譲って頂きました

当初は車を持つ予定はなく必要があればレンタカーを借りる予定にしていました。実際、オックスフォードで5日間、スコットランドでも5日間レンタルしたのですが、オックスフォードではミッション車ばかりでオートマのレンタカーが少なく(通信42参照)苦労しました。また保険代等含めると結構金額がかさむことも気になっていました。

今回、K先生からご提示されたのはレンタカーにすると2回分くらいに格安の値段であったことが決め手になりました。とはいえ、保険代( £320、日本のあいおいニッセイ保険のイギリス支店で契約)、自動車ロードサービス(AA、月あたり £10)など費用がかかりますが、それを含めてもかなりお得感があります。

K先生は几帳面かつ親切な方で、2000年製のNISSAN ALMERA の上手な乗り方をご教授頂くだけでなく、引き渡しの際には密かにガソリンも満タンにしていただいていました。このような親切な方にお会いできるのが海外生活での幸せのひとときだと思います。Pay it forward の精神で次、来年3月に誰かにお譲りする際にはK先生に親切にして頂いたご恩返しをしたいと思っています。

さて、午後少し時間があったので、オックスフォードから10マイルくらいのところにある Witney(ウイットニー)という街までドライブしてきました。エアコンは付いていないのですが、18年落ちとは思えない堅実な走りです。

オートマということもありますので、以前苦労した(通信42参照)ラウンドアバウトもそれに集中できるので間違えることもなく行って帰ってくることができました。とはいえ、車の運転には十二分に気をつけたいと思います。

(2018.8.14)

★今回の教訓:車があるとオックスフォードの街から少し郊外に足をのばすことができる。
f:id:wakazemi:20180815135245j:image

オックスフォード通信(139)銀行のIT化

銀行は海外生活の根幹を成す機能です

4月にやっとの思いで銀行を開設してから、日本からの生活資金の送付やこちらでのクレジットカードの支払いによく利用しています。

クレジットカードはイギリスのクレジットカードでないと受けてつけてくれない会社やサイトがありますので(現時点ではamazon UK、easy Jet)、銀行口座を開設したら一緒にクレジットカードも作るほうがいいと思います。

またこちらの銀行口座からお金の払い込みをする場合もあります。日本の銀行からするとなると、送金について一律4000円(Sルガ銀行の場合)かかるので実用的ではありません。

ただ、イギリスの銀行はIT化がおそらく世界で一番進んでいると思えるくらいありとあらゆることを自分のコンピュータやスマートフォンでしなければなりません。これは私の設定ミスだと思うのですが、クレジットカード料金も銀行から自動引き落としではなく自分でWebにアクセスしていちいち引き落とし手続きをしなくてはなりません。

特に、一番最初に払い込みをする相手先には銀行口座の入力だけでなく、スマートフォンを使ってワンタイムパスワードを発生させなければいけません。この辺りは日本でも似たような状況になっていますが、イギリスのH銀行に限って言うとそこに相手先の銀行口座の一部を含めるなど複雑です。

それだけセキュリティが強化されているということですが、このIT化にイギリス人がついて行っているのがすごいと思います(お年寄りもスマホを使っている人が多いです。もちろん銀行のことをスマホでしているとは限りませんが)。

日本の近未来を見ているような気がします。

(2018.8.13)

★今回の教訓:住まいの近くのロイド銀行サマータウン支店はしばらく前までは有人だったそうだが現在ではATMが並んでいるだけ(と言っても銀行のWifiは飛んでいるので近くのコスタの窓側に座るとその電波の恩恵に預かれる)。銀行もJRのように無人支店が増えるのだろうか。
f:id:wakazemi:20180814182658j:image

オックスフォード通信(132)47℃

暑いです

以前、イギリスの暑さは大したことがないと豪語していましたが(通信113)、暑くなってきました。特にヨーロッパ、スペインが連日47℃近くに達しているようでTVの天気予報では濃いオレンジから赤色に近づいています。こちらでも異常気象だと新聞でも報じています。それでもスペインでは48℃が過去最高気温というのでビックリします。そう考えると日本の41℃くらいはまだまだという感じがしませんか?(しませんね)

干ばつも広がっているようで山火事がスペインでも頻発しているようです(先日はギリシアで街を襲ったひどい火事がありました)。オックスフォードも連日30℃を越える暑さです。特に日中は暑さが応えるようになってきました。

それに合わせ虫の数も徐々に増えてきたようで、蚊は依然としていないのですが、小さな蜂を見かけるようになってきました。ただ、刺すような感じはありません。

というとあまり外に出たくなくなるのですが、オックスフォードで面白いのは確かに日の当たっている場所は暑くて堪らないのですが、通りでも日陰を選んで歩くと汗を書くほどではないのが不思議です。フラットの前の週末のマーケットもかなりの人が出ていました。ただ、イギリス人も暑いようで、スーパー併設の喫茶コーナー(M&S)などはギッシリ人で一杯でした。

じゃあ、雨とどちらがいいかというと断然こちらの暑いほうがいいですね。芝生はとうに枯れ果てていますが、それでも木々の緑が青空に映えて美しいです。

夜になると(最近では9時頃には暗くなってきました)ぐんと気温が下がるので助かります。

来週は日本からお客さんが次々とおいでになるので、共同研究のデータ分析などを早く済ませてしまいたいと思っています。日本は、もうすぐ、広島・長崎の原爆の日、そしてお盆ですね。

インターネットゼミの4回生も教員採用試験やアルバイト、お祭り、花火、BBQ、旅行とそれぞれに夏を謳歌しているようです。卒論も3章と2章の前半はほぼ全員、フィードバックを完了しました。

(2018.8.6)

★今回の教訓:暑い夏を体験しながら、時間を大切にしなくては、と思う。
f:id:wakazemi:20180805121734j:image

オックスフォード通信(131)Oxford University が世界一の秘密(10)図書館-2: Oxford Weston Library

オックスフォード大学図書館・Weston Library に行ってきました

ボードリアンライブラリーという名前のもとに各カレッジの図書館がオンラインでつながっているのですが、その中心に位置するのがラドクリフカメラとボードリアン図書館本館及びウエストンライブラリーです。

メインの入り口は一般市民向けで展覧会(例えば現在はホビットやロード・オブ・ザリングの著者、Tolkienの展覧会が9月までの会期で開催されている)ですが、大学関係者(Reader)向けの入り口は、すぐよこ、パブ Kings Arms の真向かいにあります。

ボードリアンライブラリーはカメラ厳禁など厳しいルールがあるのですが、このウエストンはオックスフォード大学の博士論文など貴重本を閲覧する用途に使われているため、一段と厳しいルールがあります。

何も知らずに入ろうと思ったところ、まず入り口で、バックパックをロッカーに預け、必要なものだけを取り出して、必要であれば透明のビニールバックに入れるように指示されます。その際、パソコンはよいがそのカバーは駄目など、袋物はすべて駄目とのことでした(盗難防止のためなのでしょう)。ロッカーには£1(返却型)必要ですが両替機も備え便利です。

おっしゃる通りにビニールバックに入れて3階建の2階(1F)へ。更に、閲覧室に入るにはIDの提示以外に、初めの利用にはドキュメントに必要事項を書き入れサインをする手鋸みよう。2015年に改装がおわった建物はピカピカなのですが、中を歩いてみると何か映画『ミッションインポシシブル』の中を歩いているようです。一般入り口から見えていた2階の近未来的な本棚の裏側から地上階を見下ろす雰囲気は、これまた映画『インターステラー』の最後の本棚のシーンのようです。

閲覧室に入ると、エアコンは入っていないものの外気温が30℃くらいあるのにヒンヤリした感じです。ラドクリフは大学院生が中心という感じでしたが、ここは研究者が多い印象です。年代も70歳くらいの方もいます。本が読みやすいように書見台もおいてあったり、デスクライトも各自でスイッチを入れる仕組みです(しばらくわかりませんでした)。Pencil Onlyと注意書きもあります

全くの無音でこれ以上のアカデミックな雰囲気を感じたことがありません。天井は寄木のモザイク模様で一層その雰囲気を高めます。

機能的でありながら豊かなアカデミック空間に浸ることができて幸せでした。

(2018.8.5)

★今回の教訓:真摯に学問に向き合う雰囲気を感じることができるのがオックスフォード大学の最大の強みかもしれない(通信120も参照)。
f:id:wakazemi:20180803184709j:image

オックスフォード通信(125)卒業式と卒業生

金曜日、そして土曜日はオックスフォードのどこかのカレッジの卒業式だったようで黒のガウンに帽子のいでたちの(おそらく)学部卒業生を数多く街の中で見かけました。

卒業式は日本でも特別の感慨があるものですが、ことそれがオックスフォード大学になると格別のようです。卒業生の顔は誇りと喜びで満ち溢れ、それを取り巻く家族(両親に加え祖父母も一緒のケースが多いようです)もまた息子や娘を誇りに思う気持ちで満ち溢れているように見えました。ガウンを着たままの姿で市内のデパートに買い物に来ている姿にも出会いました。

オックスフォード・ケンブリッジ大学に入学するのは難関を極めるらしく(さすが世界一、二を争うだけあります)、GCSEなどの日本の大学センター入試に当たるものはあるものの、日本の一発勝負の大学入試と異なり高校の内申点が大きくものをいうために、勉強ができるだけでは入学するのが難しいようです。つまり、品行方正で人格に優れ人柄もいい人が求められるということだと思います(例えば、日本の多くの私立大学で行われている一般入試では内申点も高校から報告されていますが、仮に最低の内申総合評価でも入学試験の点数を覆すことはできないのが実情です。もっとも最近報道のあったようにM部科学省の高級官僚の子弟であれば別かもしれませんが)。

また大学院ではIELTSの点数は80-90%くらいの水準(TOEFLでいうところの100/120点)が最低点数であるのに対し、学部ではほぼ100%でないと基準に達しないため、外国人が学部に入学するのは極めて難しいと、オックスフォード大学の日本語教師をしているN先生にお聞きしたことがあります。

ところで、オックスフォード・ケンブリッジ大学が他のイギリスの大学と異なるところがあります。それは授業回数が短いだけでなく(通信60号参照)、就業年数が4年ではなく3年であること、また学部の卒業なのに大学の卒業と同時に修士号(Master)の学位がもらえるという特権的な待遇です。これには少しびっくりしました。そんなに勉強をしている大学生を見ての感想なので実際にどれほど優秀かどうかは同じ授業に出て見ないと分からないですね)。

洋の東西を問わず、卒業式はいいもので同志社女子大学の卒業式を思い浮かべながら、入学も大変、卒業試験も大変な(試験は Trinity Term の5-6月に実施されるようで、1年生は薄いカーネーション、卒業年次生は真っ赤なカーネーションを胸ポケットに差して試験に臨んでいました)彼ら・彼女らを祝福する気持ちに満ちあふれる思いでした。

そのようなことを考えていたら、日本でゼミの同窓会をしている皆さんからLINE VIDEO通信が入りました。2年前の卒業ゼミでその日に同窓会をする計画だったところ台風で開催できなくなり、集まったメンバーで近くにすむMさんのアパートでたこ焼きパーティーをしているとのことでした。ゼミもそうですが最近ではインターネット・ビデオ通信が簡単に使えるのでこのようなこともできるのですね。ゼミの担当者も忘れずに連絡していただいたことに感謝するとともに卒業後もゼミの人間関係が豊かに発展していることをうれしく思いました。やはりゼミはいいものだと思います。もちろん、卒業式も。人のご縁やつながりは大切にしたいものですね。

(2018.7.30)

★今回の教訓:卒業までの教育が大学の使命、しかし卒業後も学んだことを生かしたり、大学時代の友人を大切に思う気持ちも持てるようにすることも同じくらい重要。
f:id:wakazemi:20180728135116j:image

オックスフォード通信(115)ノドが痛い(かった)

外国で暮らしていて一番恐怖を感じるのが病気です。

イギリスにはNHSという国民皆保険があるのですが今回の私の1年間の滞在中はこれが適応されないと考えています(適応されるよというこちらでの友人の話もあるのですが)。

恐らく海外留学などで外国に住まわれるみなさんは日本で保険に入って渡航されると思います。私の場合も包括的な保険に加入しています(東京海上日動・海外旅行保険あんしん)。これは優れた保険でキャッシュレスで治療が受けられるものです。このような最後の砦がないと海外生活はやはり心配です。

オックスフォードで?と思うのは大学としての医療センターがないことです。大学院生として通っていたトロント大学では、Health & Wellness Centreが大学の中心部にあって、体調がちょっと良くないとか(実際に胃が痛くなりました=ストレスだったとおもいます。ただ、そこでは次の大きな病院を紹介してくれるホームドクターの役割になっていて、胃カメラ検査をするよう勧められたのですが、実際にカメラを飲んだ?のは3ヶ月後、帰国の1ヶ月前という時間のかかりようでした)、インフルエンザの注射などはそこへいけばアポなしで簡単に見てもられて安心でした。

先週のスコットランドへの旅行から帰ってから、ノドに違和感があって、嫌だなあと思っていました。日本なら耳鼻咽喉科へすぐに自転車で行っているところですが、こちらではそうもいきません。インターネットは見ないに越したことはありません。不安をあおることしか書いてありません(そうして通院を促すのでしょう)。

最初は何かの包装紙(チーズなどの包みの一部)を間違えて食べてしまったような違和感が喉にあって間違えて一緒に食べてしまったのかと思ったのですが、3日くらいして全快しました。よくよく考えてみるといわゆる旅の疲れだったと納得するのですが、日本でとは異なる不安感がつきまといました。

あんしん保険でカバーされていないのが歯の治療です。これは以前のカナダで痛い思い(子ども達の虫歯治療で計30万円くらい支出させられました)があるので取り分け気をつけています。留学する大学生諸姉によくアドバイスしている通り、半年前くらいから歯医者さんには足繁く通いました。幸い、高校の同級生が京都市内で歯科医院を開業しているので(腕がいいですよ、必要な方はご連絡ください。ご紹介します)、事情を説明して向こう1年間歯に問題が起きないよう、徹底的に治療をしていただきました。そして日々の歯のメインテナンスについても、歯磨きの仕方から(小学生みたいですが)教えていただきました(ただ、高校の同級生なので教え方がタメ口で、冗談混じりでいろいろ言ってくるので面白かったです。多くは私がクリーニングなど口が開いた状態で反論できない状態で、ウンウン、ウウン、などとうなるばかりでした。)。

その中でも日々実践しているのが、歯間ブラシと糸ようじです。最初は歯間ブラシもうまく使えず、半信半疑だったのですが、特にオックスフォードに来てからは毎朝、毎晩、ご教授頂いた通り実践しています。これは実感として歯の健康に大きく貢献していると思います。

もう一つ、これから実践しなければいけないのが、持久力の維持向上です。これについては自転車に乗っている以外は特段何もしていないので、近々新しいことに取り組みたいと考えています。

(2018.7.20)

★今回の教訓:健康あっての研究、健康だからいい仕事もできるもの。毎日の少しずつの積み重ねが大きな成果を生むことになる。
f:id:wakazemi:20180720140520j:image

オックスフォード通信(113)Oxford University が世界一の秘密(8)気候・蚊・セミ

涼しいです。

こういうと反感を買うので書くのをやめようかと思ったのですが、きっともうすぐ(皆さんが口を揃えてアドバイスされるように)暗くじめじめした冬がやってくる(はずな)ので、現時点で思っていることを書いておこうと思います。

と言っても、イギリスは過去にないくらいの猛暑と言われ、この1カ月くらいシャワーも含め殆どの雨が降っていません(通信23, 96も参照)。皆さん、暑いと言っておられるのですが、日本人的感覚でいうと5月くらいの爽やかな天気です。何しろ、エアコンがなくてもやっていけます。もっとも、先週訪問したスコットランドのように、夏でも全く暑くなく、むしろ寒さ対策を前提に作ってあるホテルなどでは窓が10度くらいしか傾いて開かない仕組みになっているので夜は暑く感じるかもしれません(その証拠に大型扇風機がおいてありました)。

まず朝晩、ぐっと気温が下がり10℃台に下がります。私のフラットは3階にありますが、窓を全開で開けておくと夕方5時以降には爽やかな風が通ります。夜は窓を閉めて寝ないと寒いくらいです(申し訳ありません)。ですから夜暑くて寝れないという事がありません。このような快適な生活はアカデミックライフにプラスにならない訳がありません。

また以前にも書いたのですが(通信71)虫がいません。と言ってもさすがに最近は、ハエ(a fly)が窓を開けておくと時々入ってきますが、それでも数がしれています。しかも蚊 (a mosquito) をイギリスに来てからまだ一度も見た事がありません。そして、夏の風物詩の蝉の鳴き声がないのです。約20年前、カナダのトロントに住んでいた頃はそんな風に感じませんでしたので(忘れただけかもしれません)、蝉がいないのはヨーロッパ、イギリスだけかもしれません。

皆さん、想像して見てください、朝夕が涼しく、蚊も蝉もいない夏(返ってさびしい?)。確かに日中は30℃近く(と言っても30℃を超えても32℃くらい)、このような夏だと仕事が進まないわけはありません。日本ならまず日中はエアコンをガンガンにかけて、それでも暑いのでタオルで汗をぬぐいながらという感じですから、そのような中で論文を読んだり、書いたり、授業をしたりするというのは、現在の状況から考えるとミラクルとしか言えません。

気候が人々の生活だけでなく、思考に与える影響は大きいと思います。いわば、イギリス人約6000万人が全員、軽井沢で生活しているようなものです。

正直、ずるい、と思います。

もちろん、蒸し暑い日本の夏があるので、秋の感動があるわけで、また夏ならではの日本の美味しい料理もあるわけで、日本の夏、全てがダメというわけではありませんが。

(2018.7.18)

★今回の教訓:気候を含めた風土がアカデミックライフに与える影響は大きい。逆に考えると日本に居住するイギリス人はよく日本の過酷な夏に耐えている、ということになる。M先生やD先生が夏休みにイギリスに帰りたくなる気持ちがよくわかる。私も正直なところ夏はこれからもずっとイギリスがいい(到底無理ですが)。
f:id:wakazemi:20180717192440j:image

オックスフォード通信(101)帰国便・その後

航空チケットはネットではなく、旅行代理店で購入するべきです。
以前、A社の帰国便を予約変更で(11月→3月末)しようとしたところ既に予約で一杯でできなかったと報告しておりました(通信91)。その後日談です。

私は21世紀になってから(おおげさ)ほぼ全ての海外航空券を奈良県にあるR旅行代理店にお願いしています。今となっては何がきっかけだったのか記憶が定かではありませんが、電話一つで細かなリクエスト(例えば、飛行機の座席は窓側で翼にかからない所で外の景色が良く見えるところにして欲しいなど、大したものではありません)に気持ちよく答えてくださることと、最初の頃はチケットを研究室まで手渡しで持ってきてくださるなど、人間味あふれる対応にほれ込んだのが理由だと思います。

国際電話をしたところ、既に代理店は閉まっている時間だったのですが、オーナーのSさん(いつも声だけでお会いした事はありません)個人の携帯につながりました。事情を簡略に説明して詳細をメールで送ると、翌日には解決策の提示のメールが届いていました。

L航空(同じスターアライアンスグループ)だがA社のコードシェア便(という形だと思います。ですから形の上ではANAという事)に変更して3月末の航空券の発券が可能とのこと。同じことをA社の東京(恐らく)事務所に電話で相談したのですが、そこではそのような話では出ることもなく、オプションは2つ、正規運賃の60万円のチケットか、格安の15万円の片道チケットを再購入する、という選択肢から選んでください、というものでした。もちろんその時点でインターネットを調べるとF社のヘルシンキ経由がA社の半額くらいの格安チケットが出てきましたので、これで帰らないと仕方ないなあ、と思っていたところです。

では、チケットの変更に全く料金が発生しないかというと、
・払い戻しになるもの:週末料金ー>平日料金 ¥5000払戻し
・追加料金:空港税追加(経路が変わったため)¥1690、再発行手数料 ¥2160

とうまく相殺できそうだったのですが電子チケットを現金化するのに¥5400かかる為、空港税の追加は払い戻しの5000円を充て、残りの¥3310の払戻は放棄し、再発行手数料(これは代理店の業務に関するものなので充当できない)のみの支出ということで決着しました。約2千円でチケット問題が解決したということです。

飛行機のチケットを購入する際、安いからといってインターネットのクリックで購入をしている大学生も多いと思うのですが、今回の事象が象徴するように人の機転によって救われることがあります。ネット自体は救ってくれません。

お会いした事はないと書きましたが、Sさんそしてもう一人のSさんが誠実なお人柄である事は電話の声からよく分かります。またA社の社員さんも長時間に渡って親切に色々な方法を考えてくださったのですが(感謝しています)、R代理店との違いは、どれだけ「お客さん」の立場に立って考えているか、という事だと思います。恐らくR代理店は大会社というような規模ではないと思いますが、人間味あふれる、言い方を変えると、お客にあった柔軟な対応ができる会社なのだと思います。ここは大事なところですね。よくルールとかプロセス論を持ち出して、そのような個人的な対応をしてはいけないのだとおっしゃる方も(特に大学において)いらっしゃいますが、そうなのかな、と疑問に思います。単に面倒くさがっていらっしゃるだけではないかと。

飛躍してはいけませんが、同じことは大学での教員と学生の関係についても当てはまるのではないか、と思います。つまり学生のことを本当に親身になって考える、ということ。

その意味では同志社女子大学は学生規模が6000名、英語英文学科で一学年145名と中規模でいいサイズなので、節度のある人間味あふれる対応が十分できる条件にあると思います。

でもオックスフォード大学の規模は同志社女子大学よりも遥かに大きいのですが、対応はとても人間味溢れるものです。なぜできるのでしょう?

この人間味溢れるというのはつまるところ「一対一の対応」をするという事です。確かに時間も労力もかかりますが、効果は絶大です。

恐らく完璧にしようと思っていないのでしょうね。または「求めよ!されば与えられん」に基づいて申請のあったものだけに対応しているのかもしれません。

インターネットゼミを続けていますが、恐らくこの「一対一の人間味あふれる対応」にインターネットをうまく組み合わせると効果的になってゆくのだと思います。

オックスフォード滞在も100日を超え、そろそろ、Connecting the dots、すなわち、関係ないと思っていたことがつながり始める、ということを「感じて」ゆきたいと思っています。

(2018.7.6)

★今回の教訓:100回を記念してFacebookにリンクを貼ったところ多くの方からご支持をいただいたり、更に365回まで頑張るよう激励のメールを頂いた。365回は無謀と思えるがまずは200回を目指して頑張りたい。
f:id:wakazemi:20180705071714j:image

オックスフォード通信(98)日本代表はよくやった!

サッカーファンではありません(でしたという方がいいか)。

ワールドカップで世界中が(特にイングランド)熱狂している中、割と冷静を保ってきたのですが、前の試合をUniversity Clubで在オックスフォードの皆さんと一緒に見て(通信94参照)少しずつサッカーが頭の中に入ってくるように(時間の流れ、ルール、勝ち負けの予感)なってきました。

本日の(イギリスでは7/2、試合直後に書いています)試合はどこで見ようかと思いあぐねたのですが、パブの大スクリーンで観るのもいいかと思い立ち、サマータウンにあるパブ(Dew Drop)で午後7時10分くらいに到着して観戦をさせていただきました。

海外にいると大局的に日本を見るようになってしまうのか、サッカーの試合を見ている間は少なくとも100%愛国者になって日本を応援していました。サッカーという魔力なのか(オフサイドを除けばルールは至極簡単)国民をひとつにまとめる魅力があります。

パブで日本人は私達夫婦だけで他はおそらくイギリス人(後に判明したのですがベルギー人が一人いました)がほぼ全て。で、パブのムードはどうなのかというとほぼ全面的に日本の応援でした。

日本がボールを持つと「おおおー」と歓声が上がり、危機に陥ると「あああー」と悲鳴にも似たどよめきがおきます。ハイライトは次々に日本が点数をあげた瞬間。パブに来て良かったと思いました。大歓声です。これで愛国者にならなければおかしいと思うくらいです(日本人を愛国者に仕立てあげようと思ったら、全員海外に送って、日本のサッカーの試合を見せると劇的な効果があると思います。最も帰国するとその効果はなくなるかもしれませんが)。

でもイギリス人がこれほど日本を応援してくれるとは。恐らく、格下の日本に対する判官贔屓というのが本音なのでしょうが、同情とかではなくて、日本のサッカーを楽しんでいるようにも思いました。

f:id:wakazemi:20180702200955j:image

横に座っていた髭ズラのイギリス人は、日本がゴールを決めると、Good! Congratulations! と言ってハイファイブ、逆に入れられると、Sorryと慰めてくれます。このような姿を見ていると日本だけでなく、イギリスに対する愛着も湧いてくるから不思議なものです。

最後の最後に逆転されてしまいましたが、爽やかでいい試合を見せていただきました。ファールや過剰な演技が多い中、日本は清廉な清々しい動きを見せてくれました。日本人に対する世界の見方も少し変わったのではないか、と思います。

決勝ゴールの瞬間、実はベルギー人だったという男性が、Next Time!と握手を求めて来ました。その表情からはいい試合をした日本に対する尊敬の念が浮かんでいるように思いました。

なぜか、私たちが帰る際にお客さんから拍手が起こりました。その拍手はもちろんジャパンに対するものでしょうが、半分くらいは日本人に対する拍手のようにも思えました。

忘れることのできないいい1日になりました。

(2018.7.3)

★今回の教訓:スポーツはしている人達以上の効果をいつも産むものだ。スポーツは文化であり社会学の研究対象になるはずだ。

日本敗因の原因_1_2_3
f:id:wakazemi:20180702201000j:image

オックスフォード通信(94)ワールドカップ in オックスフォード

日本チーム、おめでとうございます。

オックスフォードに住む日本人の組織(通信46参照)の呼びかけでみんなで応援しようということで、大学会館に当たる University Club で皆さんと一緒に観戦させて頂きました(私は前半のほぼ終了時点から参加)。これほど居たの?というくらい多くの日本人が集まって(と言っても約50人くらい)熱の入った応援がなされていました。食堂と兼用のホールには大きなテレビが4台あって、その内の2台が「日本ーポーランド」残りの2台が「セネガルーコロンビア」でした。午後3時同時キックオフだったのでほぼ同時に両方の試合がテレビ放送されていたことになります。

もちろんオックスフォードにはコロンビやセネガル出身の方もいて時々歓声が上がると「点が入ったのか?」と日本人グループも気になります。何せ、コロンビアーセネガルの試合次第で日本の決勝リーグへ進出も微妙となります。

オックスフォードなのでビールサーバーは当然のようにあるのでエールを(わたしはハーフパイント)飲みながら(社会学者のK先生はここでもアサヒスーパードライの瓶を購入されていました)の観戦です。

試合はご存知の通りなのですが、おやっと思ったのが、配偶者を除いてほぼ100%の参加者が男性だったことです。それはすなわち、オックスフォードの大学院やポスドク(博士号を取得してから研究を続ける研究者)はほぼ男性ということです。もちろん、先日お会いした法学を研究しているKさんのような女性の例もあるのですが(すいません、またはサッカーに興味のあるのが男性の方が多いだけでオックスフォードには沢山の日本人女性がいるのかもしれません)興味深かったです。

自宅で見るよりはパブでパブよりは同国民が集まって見る方が楽しいですね。それはまぎれもない事実で、久々にミニジャパンという感じでした。

私は正直なところあまりサッカーに興味がないので(ラグビーの方が好きです)、最後の西野監督の「0-1でファウルをしないようにして負ける」戦術にどうこうというコメントはありません。負けるが勝ち?ただ、見ていて面白くないのは事実でしたし、最初は何が起きたのか分かりませんでした。同じことは同日夜の「イングランドーベルギー」でも見て取れました。イングランドの先発にKaneなどの馴染みの顔はなく決勝リーグに温存しているようでした。というよりは決勝リーグでブラジルなどの強いグループに入らないように「わざと負けるようにした」という新聞報道もあります。まあ、Clubで見ていた日本人からブーイングはなく、決勝リーグに進むことができたことを喜ぶ声が多かったですが、まさに戦術を練った結果なのでしょう。

でも興味深いのは同じチームでも日本なら6名選手が交代しただけでも全然別のチームのようになってしまう点です。これは学校の教室でも同じことが言えることです。数名メンバーがいなかったり、変わるだけで集団は全然別のものになってしまいます。Chemistry という一語でいい表されることもありますが、まさに化学変化によって別物に変わってしまうのでしょうね。

次の試合も是非、University Club で皆さんと応援したいと思います。

(2018.6.29)

★今回の教訓:試合の終盤になって、音さ小さいでしょうと、University Club の職員がリモコンで音量を上げた。あなたがリモコンを持っているとは知らなかった。なら最初からもっと音量を上げて欲しかった。そこまで誰も文句を言わないのが日本人の美徳か。
f:id:wakazemi:20180628161525j:image

オックスフォード通信(91)帰国便がすでに・・・

フライトは一年のオープンチケットを購入しました
といっても購入時には半年後までしか設定できないため、当初の日本への帰国便フライトは11月になっています。イギリスに到着してから来年3月末に変更することになっていたのでそろそろしておこうと思いANAのロンドン支店(と言っても電話は結果的に日本に転送されているようですが)に電話しました。

予約でいっぱいです

例によって長時間待たされた挙句(ただいま電話が混んでおります、という例のアナウンスの後、30分くらいは音楽を聴きながら待たせていただきました)、衝撃のご返答。そうなんですね3月というと日本は年度末、帰国する人が多いようです。特にこのタイプのチケットは席の割り当て数が少ないようですぐに一杯になってしまうとの事。しまった!旅行代理店から言われているように4月末に電話してをしておけばよかった、と思うのですが、その時にはそんな気にもならないのですね。この辺りが海外生活の難しさです。

ただ海外で大事なのは冷静になって対応策を考えるです。以前こんな事がありました。空港での話ですが、カナダのトロントから日本に帰る便。時期は同じ3月末。超まで行きませんが格安のチケットで、トロント→シカゴ→大阪、という便で帰ることになっていました。ところが、ピアソンインターナショナルエアポートのNorthWest航空(現デルタ航空)のカウンターに行くと、トロント→シカゴがキャンセルになったと平然とのたまうわけです。I am sorry も何もなしに、君にはオプションが2つあると:①その晩ホテルを用意するのでそこで泊まって翌日の同じ便で帰る、②香港まで行って、そこから乗り継いで日本に帰る、That’s All. えー、ですよね。

でもよく考えると何かおかしい。そうなんです。トロント→シカゴは精々1時間くらいのフライトです。本丸のシカゴ→日本がキャンセルなら諦めますが、トロント→シカゴは色々な行き方があるはず。

落ちついて(ここが海外では最も重要で最も難しい)、本当に他にはオプションはないのか?トロントからシカゴへは本当にいけないの?と聞いてみると、渋い顔(本当にそのような顔をしておられました)をしながら、ないわけではない、と仰るのですね。ルートは、トロント→デトロイト→シカゴ。なぜそのルートを先に言わなかったかというと乗り換えが大変だということよりも他航空グループを使わないといけないからなんです。あるじゃないですか。ということで、そのルートで横で私の話を聞いていた福井県出身のビジネスマンと一緒にそのルートに乗りました。実際、デトロイト→シカゴが大変で、シカゴ・オヘア空港(あの映画『ホームアローン』で迷子になる空港です)の巨大な空間を映画さながらに全速力で走ったのを鮮明に覚えています(なにせ乗り換え時間が10分くらいしかなかった)。後日談として私達は無事に乗る事ができたのですが、福井県のビジネスマンのスーツケースは乗り遅れて(なぜ彼の分だけ?)関空には到着しませんでした。

ということで、現在対応策を考えています。①まずANAにご相談。片道のチケットを取り直す、キャンセル待ちをする(この場合waiting listはないので時々電話をする)、11月までに空きがあれば片道チケットをキャンセル、逆の場合にはオープンチケットをキャンセル(税金分は返却されるそうです)。②次に電話で(国際電話も最近は快調です [通信11参照])旅行代理店に相談。

ということで当初予定していた日程での帰国が少し怪しくなってきました。まあ最善を尽くして楽天的にことの進展を待ちたいと思います。Good luck to me!

(2018.6.26)

★今回の教訓:航空券は複雑。でもANAの日本直行便で帰りたい。
f:id:wakazemi:20180328115520j:image