オックスフォード通信(239)バイリンガルキッズと双子

二日連続で興味深いセミナーに参加してきました

ポーランド語と英語のバイリンガルの双子(LIとTD、二卵性:dizygotic)を対象としてコミュニケーション能力の発達を縦断的に研究した博士論文を元にした発表でした。二卵性ということもありますが、BiとTDの2言語の発達が異なっていること(主としてTDが上回っている)をベースにしながら、LIが時間の経過とともにどのように二言語を発達させてきたのかについて報告されていました。

質問にもあったのですが、このような子どもを研究対象として見つけることはなかなか難しいことですが、その幸運も研究成果のひとつだと思います。またこの発表の中で、力説された「コミュニケーション能力とは何か」という点には興味を覚えました。

Dynamic Model of Communicative Abilityと称されるモデルでは、従来型のLinguistic, Discourse, Sociocultural, Strategicの4つの要素に加え、Monitoring, Interactionalという2つの新たな構成要素も含めそれらが相互に関連し合っているというものです。

その背景には、近年注目されているComplex Dynamic Systems Theoryがあります。バタフライ・イフェクトに象徴されるように、時間の経過とともに言語発達は混沌とした姿を見せます。一方、スタート時の影響や環境との相互作用も議論に含まれます。

この発表を聞きながら、言語発達は一様に何かの影響であると断言するよりも多様な要因の相互作用によって生まれてくるものだというその総合性に目を向ける必要があると思いました。一方、そうはいいながらも複雑な言語発達をある一定の視点や構成要素によって分析的に検討する必要性もあると思います。

二卵性双子という場合、遺伝子としては50%の共通性しかないわけですので、言語発達への遺伝的要因の影響は無視できません。しかし、同じ親であるため、SES (Socioeconomic Status)は同じであり、言語環境もほぼ同一のものが用意されます。複雑な要因のかなりの部分が統制できるところが双子研究の面白いところかもしれません。特にコミュニケーション能力の発達には、周囲の大人(家族、親戚)とのインターラクションが影響してくることを考えると環境をコントロールして研究を行うことは重要です。双子という偶然出現したこどもによって言語発達の秘密に光があてられることは興味深いところです。

(2018.11.21)

★今回の教訓:私の子ども達も双子。この研究対象の二人と同様二卵性であり、同様にその能力の相似性と相違性が見られる。

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オックスフォード通信(216)晩秋のCotswolds

グロスターシャー州のBourton-on-the-Water(バートン-オン-ザ-ウォーター)までドライブしてきました

オックスフォード自体は蜂蜜色の昔ながらの壁を基調とする家々が点在する、いわゆるコッツウォルズと呼ばれる田園地帯には含まれていないのですが、車で30分くらい走ると、小さな村のどこかに行くことができるところに位置しています。

本日は午後から天気がよくなってきたのでガソリンを入れる必要もあったので、A40をひたすら西に約40分走ったところにあるBourton-on-the-Waterに行ってきました。今私が乗らせていただいている車は21世紀初頭に制作されたものなのです。安定感はあるものの加速はあまり良くなく、70マイル/h(時速約110km)を超えると少しハンドルに振動が感じられるようになるので、なるべく60マイル(時速約100km)くらいで走るようにしているのですが、片側2車線の場合いはどんどん抜かされてゆきます。このスピードで一緒に走ってくれるのはトラックか後ろにキャンピングカーを連結した車くらいです(昨日のように雨の夜にはこのタイプの車が前を走ってくれるとついて行くことができるので目が楽です。おまけに車のテールランプが上にも付いているので、それに合わせてハンドルを自然に操作することができます。バスは駄目です。猛スピードで走って行きます)。イギリス人のスピード狂にはついてゆけません。もっとも道はほぼ真っ直ぐでトンネルもラウンドアバウトのせいでほぼ信号もありませんのでスピードは出ます。

今日はA40のBurfordを少し超えたところから北にハンドルを切り、丘陵地帯を20分くらい走りました。恐らく北海道を走っているような雄大な風景が目の前に次々に現れてきました。なだらかな丘、紅葉した木々、コッツウォルズの優しい黄色い家々。運転しているのでじっと凝視はできませんが、美しい自然の中をドライブすることは人を幸せな気持ちにしてくれるものです。

折しも、今日は昨年天界に帰った父の命日。運転しながら父との思い出が頭の中にどんどん浮かんできました。美しい自然が呼び起こしてくれたのかもしれませんが、父の懐かしい声が聞こえるようでした。年老いてからはそれほどたいした話はしていなかったかもしれませんが、父に話をすることがどれほど重要であったのか、今になって再認識しています。「まあ、元気で頑張りなさい。」という言葉にどれほど励まされてきたか分かりません。

Bourton-on-the-Waterは以前一度訪れているのですが、観光客は減ったと言ってもかなりの人ででした。カフェも一杯で、以前と同じレストランでSunday Roast、今回はラムで試してみました。晩ご飯がいらないくらい(食べましたが)の量です。

美しい自然の中で豊かな時間をすごすことができた日曜日になりました。

PS. そういえば、土曜日の深夜にサマータイム(Daylight Savings Time)が修了し、時間が元の時間に戻りました。つまり、1時間進めていたものを戻すことになりました。この作業は午前2時に行われ、午前1:59の次がもう一度午前1時になりました。このようなことに変な興味を持つ性分なので起きてじっと見ていました。SONYのラジオ型時計は自動で、携帯も、パソコンも自動で時間が修正されていました。SEIKOの腕時計は電波修正がイギリスではできないので手動、そしてフラットの暖房用ガスのタイマーがなぜか修正されず(触ると壊れそうなのでそのままにしてあります)。今日は1時間遅くまで寝ることができたのですが、朝はいつもよりも明るく、夕方はいつもよりも早く暗くなりました。日本との時差も1時間広がって+9時間となりました。明日は早起きです。

PS. ガソリンは133.9のように大きく金額表示がしてありますが、これは1リッターあたり、133.9 penceということです。リッター約200円ということですね。日本に比べると割高です。

(2018.10.29)

★今回の教訓:車を譲って頂いたK先生は毎週末コッツウォルズに出かけていたとおっしゃっておられた。その気持ちが分かるような。

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