オックスフォード通信(45)カレッジ・ディナー

オックスフォードでは学部とカレッジの両方に所属することが通常となっています。

今回私は教育学部の所属ですが、残念ながらどこのカレッジにも所属していません。カレッジは通常、宿泊施設(accommodation)が併設してあり、学生(学部生、大学院生)はそこに住みながらカレッジの授業や学部の授業に参加することになっています。

昨日はオックスフォードにお招き頂き共同研究を行っているR先生が所属するLカレッジのディナーに夫婦で招待して頂きました。それほどフォーマルでもないのでということで、このような場面を想定して持ってきたスーツにタイなしで参加させて頂きました。

午後7時過ぎにカレッジの入り口で待ち合わせ、中のレセプションへ。食事前の軽い飲み物(ワイン、ビール、ソフトドリンク、ジンやウイスキーもありました)を。私達はビールをということでカレッジ内のバーに(あるのですね)。

当日は50名くらいの参加者で座席表や名札もテーブルに置かれていました。Lカレッジは創設は1963年ということで新しいカレッジだそうで、大学院生中心であることや国際色豊かに院生が集まっていることから他のカレッジのような教会もなく食事前のお祈りもありませんでした。代わりにカレッジの代表の方が、食事のはじまりの合図(よく見えなかったのですが、木の銅鑼のようなものを食事のはじまりと終わりに叩いていました)と簡単な言葉を述べて食事スタート。7:30頃から9時過ぎまで、割とあっという間でした。前菜からメイン(ラム肉でした)、デザートと進みます。

カレッジのメンバーはオックスフォードのガウンを着ており私達のようなゲストとひと目でハッキリと分かるようになっています。たまたま向かいに座っていたのが私達同様のゲストだったのですが、香港出身の医学部の女性院生Mさんでした。

Mさんの生まれは中国のどこですか?という話をしているなかで、実は私の父と同じ哈爾浜(ハルビン、ハルピン)であることが分かりました。第二次世界大戦前は哈爾浜は満州であり事実上日本の占領下にあったわけですが、私の父は生まれも育ちもその哈爾浜で大学まで(哈爾浜学院)そこで過ごしています。なんという偶然なんでしょうと話が盛り上がりました。昨秋亡くなった父が生きていたら真っ先にこの話をしてあげたのに、とちょっと口惜しい思いもしました。

流石にオックスフォードらしく右横にはドイツ出身のメンバーも座っておられます。食事自体はケイタリングと契約しているようで割とあっさりと配膳をしたり片付けたりしていかれます。

毎週木曜日にこのようなディナーが開催されているとのことですが、食事をしながらいろいろな話をしたり、いろいろな人と定期的にあったりすることで気分もリフレッシュし、活力も湧いてくるように思います。

食後は最初のレセプションルームでコーヒーを頂き、談笑。イギリス人院生とオックスフォードのどこかでテニスができないか、なんていう話をしていました。

日本の宴会とかコンパとは少し異なる、いい経験をさせて頂きました。オックスフォードに来て1ヶ月半経ちますがなぜか少しほっとした気持ちになりました。食事やアルコール(ビール、白・赤ワイン)の力は大きいですね。(2018.5.11)

★今回の教訓:ディナーで社交性を育むことも大切。よく考えれば学会などに行くとパーティーがあったりするけれどこのような定期的なディナーによって社交性の素地が形成されるように思う。

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オックスフォード通信(44)イギリスが非効率のわけ

今住んでいるフラット(アパートです)は 家具付き(Furnishedと言います)。

冷蔵庫はもとより洗濯機、掃除機からコーヒーテーブルから机、ベッドからスプーン、フォークまでおよそ生活に必要なものはほぼすべて揃っています(といっても、TV、時計はありませんでしたので、ソニー製のTVとラジオ付き時計を購入しました)。まあ、付いているので文句を言ってはいけないのですが、それぞれに多少の問題があります。

例えば、シャワー室についている取っ手はしっかりと持ってしまうと取れてしまうほどもろそうですし、掃除機は電源コードが異様に短く各部屋でコンセント(outlet/socket)に差し込み変えないと使えません。昨日なぜこんなに不便な造りになっているのかと話をしていたところ、ある発見がありました。それはどうもイギリスで掃除機を使って掃除をしているのは女性ではなくて男性なのではないか、ということです。だから不便でも改善しようという話にならないのでは。女性がそのような掃除機を使っていたらすぐに文句が集まって改善されるのではないでしょうか(日本の家電メーカーの製品が使いやすいのはそのようなサイクルになっていませんか)

イギリスは物価が高く Costa という一般的なコーヒーショップで何かを注文すると£3(450円)くらいします(日本のドトールコーヒーくらいなので値段は少し高めですね)。税金も高く、カナダでは取られなかった住民税も年間で£2000(約30万円)も徴収されました(1年間滞在の外国人から徴収するとは!日本では中高のALTは初年度は無税です)。となると必然的に共働きをせざるを得ず、夫婦ともにフルタイムの仕事を持っているというのが普通のように見えます。事実、街の至る所で女性が活躍しています(長距離バスの運転手から大学の事務職員に至るまで)。

すると必然的に家事も夫婦で分担となるのでしょう。妻曰く、掃除機は確実に男性の仕事だわ(まだ幸いなことにこの仕事は私に回ってきません)。すると多少電源コードが短かろうが、不便であろうが男性はあまり文句を言わないのでは、と。日本の家電が高度に発展してきたのは女性、特に妻の家事を軽減するために細かな主婦の要望に答えてきたからではないかと。

なるほど、と思います。日本の高度な家電文化を形成したのは女性、主婦の知恵なのかもしれません。

今日は Ethnography についてのセミナーに参加してきました(なんと参加者は私一人でした)。ボートをどのように作るのか、vocational training に関してワークショップに参加しながらそのリフレクションをジャーナルとして書き綴っているという博士論文プロジェクトの発表です。私のこの報告もいわばイギリス生活のエスノグラフィー(民族史的記述)になってきているのかもしれません。

ポイントは思ったその時に書かないと永久に記憶から失われてしまうということです。もともと若ゼミ18期生の書き綴りをサポートするために補助的にはじめたものですが、ここまで書いてきて結構面白いものが積み上がってきたと思っています(どれだけの人が読んでいるか定かではありませんが)。

できれば365回を目指して日々の発見、思ったことを書き続けていきたいと考えています。

(2018.5.10)

★今回の教訓:何かをキッカケにブログや日記を始めるのはいいことだ。もう少しコメントがあると励みになるのですが(お待ちしています・[注] 反映されるまでに約12時間かかります)

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オックスフォード通信(43)Coffee Morning

毎週水曜日10:30-11:00はCoffee Morningと称するリフレッシュタイムが設定されています。

これは教育学部に関わる全教員、職員、大学院生、研究者(私はここの部類にはいります)が自由にラウンジでコーヒーが飲めるサービスです。これまで4回参加していますが毎回参加者の半分くらいが新しく(残りの半分は固定客)新しい友人にあうことができます。本日は最初は香港と北京からの博士課程院生の3名、後半はドイツ出身で中学生からイギリスに住んでいるHさんとインド出身のSさんといろいろな話をしていました。

このCoffee Morningでは名前をなるべく覚えようとしているのですが、聞いただけではとても覚えられないので、”I am not good at remembering people’s names” と断ってポストイットに名前を書いてもらっています。

ポストイットは日本にいるときから多用してきたのですが、メモがそのままでどこかにいってしまいうことが多くありました。妻曰く、ノートに貼ったらいいじゃないの(有り難いアドバイスです)に従い、例のモレスキンのノートに貼り付けています。ノートを多少多く使ってしまうのですが、いざという時にそのページをさっと見ることができるので便利です。

日本のK大学でも感じたことですが、オックスフォードの院生は誰とでもすぐに打ち解けて話ができる高いコミュニケーション能力を持っているように思います。少し話をすることで自分の研究で踏ん切りがつかなかったことに、えい!と思い切れるなどいい効果があります。このCoffee Morning(といっても週に1回だけですけど)は日本に帰ったら真っ先に英語英文学科に提案してみたいと思っています。

Sさんは修士課程はシンガポールだったそうですが、その時の指導教官は日本人の先生だったそうです。ただ日本人の名前も外国人には覚えにくいようで、SKと読んでいたそうです。Sは斉藤なんだけど、Kは何のKかわからなかったとおっしゃっていました。

オックスフォードは昨日までは観測史上最も暑い(関係ないですが20年前にトロントに住んでいた際にも観測史上最暑でした)と言われていましたが本日は爽やかな風が吹いています。研究にも本腰を入れたいと思います。日本で頑張っている卒業生や若ゼミ18期生の姿が励みになります。(2018.5.9)f:id:wakazemi:20180509111857j:image

★今回の教訓:コーヒーモーニングのようなちょっとした仕掛けは大切。A little difference makes a big difference が示す通り

オックスフォード通信(42)ラウンドアバウトとミッション車

レンタカーを借りてみました。

こちらに来る際に多くの人から車は中古で買うと良い、と勧められました。実は今住んでいるフラットには専用の駐車場もあって無料で車を止めることも出来るのでそれもいいかなとおもっていたのですが、とりあえず Bank Holiday(祝日を全てイギリスでは銀行のお休みの日と称するようです。今回は5/7)前後5日間レンタカーを借りてみました。

イギリスの運転免許も欲しいのですが、日本の実際の免許証を送付しなくてはならず3ヶ月から半年後にしか返却されないようで(しかも返却されないこともあるとイギリスにある日本大使館のWebでの説明)どうしようかなと迷っています。

免許は1年以内であれば国際運転免許証があればレンタカーを借りることが出来ます。今回はFireFlyという聞き慣れないレンタカー会社でしたが探し当ててゆくと大手のHertzと同じ会社でした(なんだ)。

これまでアメリカ、カナダ、ニュージーランドで運転経験があるので、しかも日本と同じ左側走行でハンドルも日本と同じなのでそれほど心配していなかったのですが、さすが大英帝国、他のCommonwealthとは違った味を提供してくれます。

一つは、オートマチックの車が極めて少ないことです。無いことはないのですが、車がアウディとかベンツなどになり大型、料金も倍以上になります。マニュアル (Gear Box)車みなさんは運転出来ますか?私は21世紀になって始めて運転しました。もともと運転免許はマニュアル車でとっています。あの半クラの感覚がもどってくるのか心配でした。

周りの車をみるとほとんどがマニュアル車。信じられない想いでした。

オックスフォード駅から歩いて10分のところにあるFireFlyの事務所を探し当てて(近くにマックの修理ドロップインがありました)燃料や保険の説明を受けて、じゃあと鍵を渡されて、とりあえず出発。横にあるフィッシュマーケットの駐車場まではなんとか。ところがそこでバックしようとおもってバックにどうしても入らない。この時はあせりました。ギアを変えても変えても前に進む。もう進む場所が無くなってきた。そこで奇跡的にシフトレバーの裏側に押しボタンがついていることに気づきました。これでバックができる。

スキルの習得はすごいものですね。しばらく走っていると昔京都の宝ヶ池教習所で教えてもらった坂道発進などスキルがよみがえってきました。これで運転できる!

ただ、もう一つハードルがありました。そう、ラウンドアバウトといわれる交差点です。実はニュージーランドで一度経験済みだったのでこれは問題ない、と思っていたのですが、これが大問題でした。ニュージーランドでは300キロくらい走ってほんの2-3回しか経験しなかったのですが、オックスフォード周辺(どこでも同じだと思います)では信号はほとんど無く、交差点という交差点が極端にいうと全部ラウンドアバウトなんです。この5日間(実際に運転したのは4日間)で少なくとも30のラウンドアバウトを通りました(数えていないのでハッキリ言えないのですが50を越えているかもしれません)。

右側が優先なので、円の中に入る前に右側からの車がいないことを確認して、左折をするなら左のウンカーをだしながら外側の車線に、直進の場合にはウインカーなしで外側又は内側の車線に、右折をする場合にみぎへのウインカーを出しながら内側の車線に。

これがルールなんですが、全然分からない。出口がこの3つ以外に小さなものやサービス(ステーション)に行く道もあります。1日目は、Bicester、Kidlington(通信40を参照)まで行ってオックスフォードに帰ろうと思ったのですが、ラウンドアバウトの出口を間違えて来た道を逆に戻り、もう一度出直してもどってきて今度は西に行ってしまう始末。

ラウンドアバウトは右から車が来て、左にもいて、対向車はいまかいまかと入るチャンスをうかがっている中で瞬間的に判断をしないといけない、しかもマニュアル車で(ロー→セカンドへ)。

走ると渦巻きのマークがあちらこちらに。そのたびに何番目にでるのか(後から分かってきたのですが、何番目と考えるのではなくて、単純に左折?直進?右折?と単純に考える方が瞬時の判断がしやすい)考えなければなりませんでした。

ただ、少し慣れてくるとこれは合理的だとおもいました(交通量の極めて多いところでは信号も併設)。つまり誰もじっと信号待ちをしなくていいので渋滞が起きにくい、緊張感を持って運転しているので眠くならない。

でもありすぎです。(2018.5.8)
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★今回の教訓:日本は逆に信号が多すぎる。半分をイギリスのラウンドアバウトにすると渋滞はかなり解消されるのでは。

オックスフォード通信(41)インターネットゼミ4回目・授業のつかみの重要性

イギリスは Bank Holiday でお休み。

そのような祝日なのかとおもいきや祝日の多くは Bank Holiday と言うそうです。何と言葉の経済的な使い方なんでしょう(New Year’s Day, 1/1; Good Friday; Easter Monday; Christmas Day: 12/25; Boxing Day, 12/26以外の3つの祝日)。

さて、若ゼミインターネットバージョン4回目。

日本はゴールデンウイーク明けの最初の授業。いいセッションができました。本日のトピックは少し難しい移民の英語能力の問題です。移民(留学)すれば英語の環境にあって自動的に英語能力が伸びると思いがちですがそう簡単な問題でもないということを議論しました。

論文はかなり難しいものでしたがNさん、Mさんがテキパキとポイントを突きながらプレゼンテーションをすすめてくれます。

若ゼミは発足当初よりバイリンガルでゼミを行っており、完全に日本語ということは一度もありませんでしたが、17期生から本格的に英語化をすすめ、基本的にはプレゼンテーション、ディスカッション、卒論発表会は英語で行っています。若ゼミ18は更に一歩すすめ3回生から100%英語で進めています。グループでのディスカッションも自然と英語でできているのがいいところです。

さて、インターネットでそれをすすめると・・・。こちらの問題ですが顔が見えないと理解力がグンと落ちるようです。というよりも話をしている人の顔が見えないと「聞こうという気」が下がるようですね。一方、話す際のコツは分かりました。

MさんとAさん達の尽力で新コンピュータのセットアップが完了し、無線で(Apple TV)プロジェクタにつながります。MCのRさん達が話をしている人の方にMacを向けてくれるので私はその人と(コンピュータ上ですが)アイコンタクトをしながら話をするようにしています。するとどうでしょう、普段のコミュニケーションと同様に気持ちよく話ができることが分かりました。TV中継もきっとこうしているのでしょうか。

また今日の収穫は、Pages(Wordのマック版)をインターネットで共有してそれを黒板のように表示することができたこと。これはすごい。時間差はありますが、iPad上でApple Pencilで書いたもの(Oxford)をそのままMac上のPagesで(同志社女子大学)表示してプロジェクタで表示できるもの。言い方は極端ですが、私がオックスフォードから同志社女子大学のS506教室のホワイトボードに直接、字を書いているようなことが可能となっています。現時点での問題は、iPadのPagesに手が触れると(Apple Pencilではなく)キーボードが出てしまうこと、コマ目に保存しないと共有されないこと、ペンの種類を考える必要があること、などです。でもこれは私の練習で上手くなると思います。

ただ、依然として、ゼミ冒頭のコンピュータ接続がなかなか。今日は回線の状態も良くなく(といっても3時間半もつなぎっぱなしでは仕方ないか)声が途切れ途切れに。Facetime 同士でつなごうとするのですが、コンピュータのFacetime同士(スマートフォンとはできると思います)が出来ない。結果的にLINE(コンピュータ同士)になるのですが。ということもあり、私が登場するのはスモールトーク(Vermont Talk)もおわり、はいcoach、という状態です。これは授業などでつかみが全くない状態で授業をはじめるようなものです。次週は自宅からの中継(フラットのインターネット回線スピードを試してみるため)ということもありますが、日本時間で14:45(イギリス時間、6:45)から接続を試してみたいと思います。

日本を出発する前は私はほとんど登場することが出来ないのではないか、と思っていたのですが、インターネットとゼミメンバーの献身的な働き、多くの縁の下の力持ち(分かっていますよ!)、善意によって、まさに「若ゼミインターネットバージョン」が完成に近づいています。

また今日は発見も沢山ありました(ゼミのいいところです)。

冒頭の「得意泰然、失意冷然」は私が高校時代ですから実に40年以上前に洛南高校の古文担当、安引昭弘先生に教えて頂いたのですが(その時の先生がお話になっている情景まで覚えています)、英語に直すと、最初は、”(Even) When you are in a good shape, do not boast of it. (Even) When you are in a bad shape, do not be discouraged” としていたのですが、後半のゼミで話をしている内に “Keep calm and carry on” なんだな、と気づきました。

これから、就活、教育実習など人生の岐路が本格化します。是非、このモットーを覚えて頑張って欲しいと念願しています。必ず、冷静な自分を取り戻すことによって人生が切り拓かれると思います。(2018.5.7)

★今回の教訓:インターネット版のゼミを実行することによって普段のゼミのどこがいいのか、引き算で分かる。「普段のゼミ」ー 「インターネット版のゼミ」= ? 逆もありか。「インターネット版のゼミ」ー 「普段のゼミ」= ?
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PS. 私には実は兄が二人おります(妹一人)。私が夏美なのでよく兄は?と言われることがあるのですが、長兄はご想像通り、春海です。私が生まれる前に亡くなってしまったので会うことはなかったのですが今日が命日でした。本日は、日本の母に電話をしイギリスから長兄を偲んでおりました。

オックスフォード通信(40)Jackets

Kidlington(キドリントン)という街にいきました。

今住んでいるフラットが見つからなかったら、オックスフォードからバスで25分くらいの落ち着いた街に住むことになっていました。

なぜこの街に行ったのか? Red Lion というパブがあるから、というのは冗談で少し車の練習をしようということでレンタカーを借りたので少しドライブに行ってきました(車の運転については後日)。

Virginグループの会長が住んでいるらしいと云うだけあって小さな店が並び品のいい感じの街です。なんとか車を止めて(なんどかクラクションを鳴らされました、21世紀になってはじめてかも)brunch をしているというその Red Lion へ。広々して昼間からビールやワインを飲んでいる人もいれば、商談をしているひとも。

お昼なのでそのブランチを食べようとメニューを見て今まで見たことのない料理が。Sandwiches の下にJackets と書いてあります。うーん、これはどんな料理?とお店の人に聞いてみたところ、ジャガイモをふかしたもので、ジャケットとはじゃがいもの皮付きということらしいです(じゃがいもの洋服ということですね)。

実際に出てきたのは大きなじゃがいもをふかしたものに、煮た豆(これもよく見かける料理です)と溶けたチェーダーチーズがかかっているものでした。

イタリアンとかでないレストランではこのJacketsという料理が結構メニューに載っているようです。(2018.5.6)

★今回の教訓:英語の表現が面白い。Jacketsというと音楽ファの私などはレコードのジャケットを思い浮かべるが、皮とは。

オックスフォード通信(39)ゲスト(2)Queue

日本から初のゲストと先週日曜日に市内観光に出かけました。

さすがに日曜日ということもあるのでしょうか、あちらこちらで行列(イギリスでは、行列のことをQueue = キュー、と言います)ができていました。St. Mary’s Churchの塔に登ろうと思ったら一体何時間またないといけないの?というくらい多くの人が待っているし、ボードリアンライブラリーのツアーも Christchurch Collegeも然りという感じでした。

行列はいいのですが、こちらで閉口するのは行列が進まないことです。ボードリアンライブラリーのツアーは5分待っていても1cmも進まない感じです。なぜなのかと思ってその最前線に行ってどのようにチケットを売っているのか見ているとどうやらどこかで見たことのある風景です。そうです、北米のスーパーマーケットと同じです(大きなスーパーは別です)。窓口であーでもないこーでもないと話を延々としているのです。日本人からすると、何時のツアー、何名、幾ら、支払い方法。これで済みなのですが、そのツアーはどんなところを回るのかとか、もう一つのツアーとの違いとか、延々と話し込んでいるのです。

この風景を見ていて、なるほどと思ったことがあります。京都の市バスに乗っている外国人です。バスの運転手に降りる際に何だかんだと言って降りるのに時間を取っている外国人旅行客をしばしば見かけるとことはありませんか。私は見かける度になんとはた迷惑な人達なんだ、バスが遅れるではないか、と内心いつも怒っていたのですが、それは世界観が違うということなんですね。長年の謎が解けた瞬間です。

回りよりも自分の今のビジネス、しようと思ってることが重要なんです。自分の後に長蛇の列が出来ていようが自分が聞きたいことを聞いてからチケットを買うというのですね。バスでも乗る際にチケットを購入するのですが、どれだけ遅くなっても誰も文句を言いません。日本人の回りを気にする性分が抜けない私は正直イライラするのですが、いいこともあります。バスに関しては、高齢者の人がコマ送りのようにスローモーションでバスに乗ってくるのですが、みんなが温かく見ている姿は心が温まる感じがします。

このようなときにはどのようなストラテジーがいいか、考えていたのですが、決してイライラしないようにあきらめて待つことしか今のところ思い浮かびません。ただ、肝心の私達の番の時にはテキパキとした受け答えだったのですが、肝心の金額を受付嬢は間違えていました。一人£6で3名なのに£21とのたまうのです。それはおかしいと文句を付けている内に私も結構時間をとってしまい、後で並んでいる人達からは日本人、お前もか、と思われたかもしれません(でも、おかしいことにはおかしいと言わなくては)。(2018.5.5)

★今回の教訓:文化の違いは大きいが、一つ一つ理解してゆくことは重要だ。世界は誰を中心に回っているのか。ヨーロッパはいまだに地動説なのかもしれない。

オックスフォード通信(38)ヘアカット

ヘアカット、散髪。

少し恐れていたことです。大体2ヶ月に1回のペースで日本では散髪に行っていたのですが(身だしなみには気をつけながら結構考えて散髪に行っていたのですが回りからは、家族ですら、気づかれないことが多かったです)そろそろ行く時期になってきました。

慣れないところへ行くのには少し勇気が要ります(妻は日本人の美容師を見つけてきてカットしてもらう段取りを付けています。ずるい)。でもこれも経験です。

サマータウンに住み始めた頃から通り沿いにあるBarbarに目を付けていました。結構一杯でいつ行けばいいものかと考えていました。昔カナダに住んでいた頃はどうしていたのだろうと思い出そうと思ったのですが全然浮かんできません。ということはあまりショックな経験はなかったのでしょう(息子を散髪に連れて行ったときのことはよく覚えています)。

先週の水曜日の午後3時くらい、結構早い時間に手が空いたので今だと思って行ってきました。待っている人ゼロ。3人のカットマン。すべて男性。日本と違ってカットのみ(顔ぞりやシャンプーはなしです)。

にこやかな男性の美容師がカットしてくれました。案外というと失礼ですが、丁寧にお願いした通りに切ってくれます。日本とほぼ同じです。最後はバリカンで仕上げというところまで。

最後に鏡を見せてこれでいいかと確認して終わり。30分くらいでしょうか。約£15(2250円)くらいでチップもなし。

何を言ってもイギリス人みたいに回りを刈り上げられてしまうと恐れていたのですが案ずるより産むが易し (An attempt is sometimes easier than expected) でした。(2018.5.4)

★今回の教訓:知らないところに一歩踏み出すのには少し勇気がいるが案外大丈夫。

 

オックスフォード通信(37)Oxford University が世界一の秘密(5)地道なOpen seminar

オープンセミナーに行ってみて思うのはそれほど多くの人数が参加しているわけではないということです。

オックスフォード大学の・・・というと大聴衆が集まってという印象がありますが(事実、先週金曜日のシンポジウムは満員でした)、必ずしもそうでもないということです。4月30日5時からのメキシコの Intercultural Universitiesについての講演会は数えるほど(司会と記録を入れても9名でした)。

同志社女子大学英語英文学会発足50周年記念の一環で発刊したWondering Aloud: Reflections on Language, Literature and Cultureを記念して、Special Lecture シリーズを開始しようと議論している際に多くの人が本当に来てくれるのだろうか、と心配の声がありました。実際は3月15日の第一回レクチャーには30名弱の参加者があり盛況だったのですが、このオックスフォードのセミナーに参加してみて、人数は関係ないな、と思うのです。内容がよければ例え聴衆は1名でも開催する価値があるのだと思います。その蓄積が学問の厚い層を形成するのだと思います。

事実本日のセミナーから学ぶことが多かったです。特に、”All the people are inspired by any type of universities in the world.”(大学と名前のついているものであれば参加することで感化されないひとはいない)という言葉にはハッとさせられました。自律性(autonomy) が大学では必ず作動するのですね。(2018.5.3)

★今回の教訓:アウトプットの機会を教員にも院生にも教員にも多く提供すること、それはとても重要なことだ。

オックスフォード通信(36)痛い経験

オックスフォードにいる間にできるだけ多くの種類のセミナーに参加しようと決めています。

5月1日も朝のイベントの後、教育学部へ行き、午後1時からの応用言語学セミナー(やはり自分の専門分野のセミナーは面白いです。ロンドン大学の先生のプレゼンテーション。同時にオックスフォードのこの分野のピープルに御紹介頂きました)。その後は本家の英文学科(Faculty of English)の図書館へ。そして足早に午後5時からの、Faith School についてのセミナーに。

予想ではパワーポイントを使ったプレゼンテーションだろうと思っていたのですが、しかも5分くらいの遅れはまあいいだろうと思っていました(発表が始まっていないことも結構ありますので)。ところがSeminar Room Dに足を踏み入れた瞬間なんとも言えない緊張感が。すでに始まっている。演者はどうみても退官した70歳をこえた名誉教授(違っていたらすいません)。スクリーンなし。コの字型で互いの顔が見えるタイプ(そうでない、講演会型というパターンもあります)。何か私以外は互いに知っているクローズのグループの雰囲気。

これほど自分が余り知らない分野の話が聞き取りにくいものかと思い知らされた気になりました。イギリスにおける Faith School (教会設立の学校)の歴史とその功罪について話をしておられるのは分かるのですが、語尾がなかなか聞き取りにくい。私以外の8名の(今回も全部で9名でした)多分イギリス人又はヨーロッパ系の皆さんはうなずいておられたので私のリスニング能力の問題だと思うのですが(人によって分かりにくいのは私の英語能力もまだまだです)、少人数のなかで90分はなかなかのタフな体験でした。これほど長く感じたことも久々の経験です。

終わったときに横の大学院生風の女性がThank you for coming. と言ってくれたのには救われましたが。ただ、いい経験をしたと思います。これほど集中して人の話を聞き、あらゆるListeing Comprehension Strategiesを使ったのも久しぶりのことです。(2018.5.2)

★今回の教訓:タフな経験は人を成長させる。

オックスフォード通信(35)May Day

起床午前4時。集合、5時半までに。

5月1日、早朝6時から Magdalen college で開催される恒例の行事です。オックスフォードに来た際、Coffee Morning で最初に行くべきだと言われたのがこの行事でした。昨年は大混雑で27000人が詰めかけ身動きが取れなくなったとのこと。まさか、と思いながら4時40分にアパートを出発。もちろんバスも動いていない。日本ならこのような際には臨時運行もあり得るのでもしやバスが動いていないかと時々後を振り返るが全くバスの気配なし。その代わりタクシーがどんどんシティーセンターに向かって走って行きます(駐車場も限られているのでタクシーを予約しているのですね)。徐々に多くなる人。やっぱりこのイベントが本当にあることを実感します。自転車に乗った若者の数も増えてきます。歩くこと40分、ようやくハイストリートに到着。かなりの人の数。まだ5時前なのにカフェも空いているし、出店でコーヒーやパンを売っている店もあります。

Jennieに教えてもらった通りにRose Laneを曲がって植物園 (botanical garden) に。びっくりしたことに券を購入した人の名前が一覧表になっているのですね。チケットを見せればいいと思っていただけにこの辺りの生真面目さにはびっくり。Jennie自身がその場でチケット係をしていました(ありがとうございました)。

10℃以下の寒さの中でしたが結構人が集まっていて年齢層は60代が中心のよう(何しろ通りだとただですが、この植物園の中に入ると£24、しかも行事は Magdalen college の塔の上で行われるので植物園にいるのは単に混雑を回避してゆっくりと聖歌隊の歌声に耳を傾けられるということ)。

6時までの間、コーヒーや(私はココア、hot chocolate、マシュマロを入れると美味しいのですね)飲み物の無料サービスもあり(有料の焼いたベーコンをパンにはさんだものもありました)伝統の踊りもあり(後から分かったのですが、合唱が終わった後、通りのあちらこちらで伝統の音楽や踊りが披露されていました)寒さに耐えながら6時を迎えました。

意に反して、大スピーカーから聖歌隊の合唱と聖書の朗読。15分の行事でしたが、みなさんの顔には本格的な春を、いや夏を迎える喜びと期待感がみなぎっていました。帰り、通りには大観衆。オックスフォードにきてはじめて(観光客ではなく)これだけの多くの人を見た感じがしました。イギリス、オックスフォードにも春到来です。(2018.5.1)

https://www.oxford.gov.uk/info/20035/events/559/may_morning_in_oxford

http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-oxfordshire-43949113

★今回の教訓:人は自然とともに生きている。その自然とのインターラクションの中で様々な行事が生まれてきた。500年以上続くというMay Dayの行事もそうだ。行事を楽しみながらその背景にも考えを及ばせたい。

オックスフォード通信(34)Oxford University が世界一の秘密(4)鎖のついた本

オックスフォード大学メインのボードリアン図書館に観光で行ってきました

2週間前にはOxford大学メンバーとして中に入ったのですが[通信20参照]、本日、調子よく2名のゲストと一緒に入ろうとしたら図書館は特別許可がないとダメとのこと。おとなしく観光ツアー(30分、£6)に参加してきました(大行列、非効率的な受付[最近これは参観者を調整するためにわざとゆっくりやっているのかと疑うようになってきました)。コンピュータの学習の場合もそうですが自己流だけでなく、人に教わるのはとても大事なことですね。

入り口で荷物を預けさせられ、カメラは絶対にダメだと念を押され(残念)、ガイドの女性(イタリアアクセントがあるがクリアに英語を話しておられました)に連れられ最上階のDuke Humfrey’s Library(ハンフリー公爵図書室)へ。ここはハリーポッターの映画のロケにも使われた有名な場所。特に驚いたのは、当時は(1400年頃)本が大変貴重で盗まれたりしないように本にはすべて鎖がついていて持ち出しができないようになっていたことです(本の背 [spine of the book] や本の横に鎖をつけそのため本は背と反対側が見えるように展示され、どの本か分からず番号が付けられ、本の題名と番号との対応表が作ってあったそうです)。また貸し出しではなくその場で見るReferential Libaryであったこと。逸話として国王が本を貸して欲しいといったときにもこの図書館に来てみるように返答するほどの毅然さがあったとのこと。

イギリス国教会が設立されたときそれまでのローマカトリック教会の書物を全部焼いてしまったり、聖学(Theology)が当時最高の学問であったことや試験を口頭試験で行っていたこと、など参考になるというよりも刺激になることが多くありました。

オックスフォードの街を歩いていると、Blackwell’s やOxford University Pressなどをはじめ多くの本屋さんが健在です。電子データも重要ですが、本を執筆した人に対する敬意、また本を出版する過程や出版社を大切にしていることがよく伝わってきました。言い方を変えると、文字、言葉に対する敬意なのでしょう。学問の根底には言葉がその大切な言葉を伝える手段として本を重要視してきたことがこのオックスフォード大学を世界一の大学に押し上げてきたのかもしれません。大学として出版を大切にしているからこそ大学が世界的に評価されるのだろうと思います。

もういちど、本の価値、言葉の重要性を考えてみたいと思いました。(2018.4.30)

★今回の教訓:聖書は始めに言葉があったといった。言葉を大切にすることは言葉が表す概念、それに関わる人達、その文化を大切にすることと同じであろう。言葉ひとつひとつをかみしめる、吟味するということは普段なかなか出来ないことであるが、メタ認知を働かせてキーワードについては吟味することが重要である。

オックスフォード通信(33)ゲスト(1)

日本から初のゲストにゴールデンウイークを利用しておいで頂いています。

2年前に英語英文学科卒業のMさんと、以前英語英文学科研究事務室で働いておられたAさん。昨日の11時に到着。シンガポール回りで(シンガポールまで6時間、待ち時間6時間、ロンドンまで13時間の旅)おいで頂きましたが、到着後、すぐにStradford-Avon(ストラッドフォード)へ(電車を調べると日曜日はほとんど便がないことが判明、これほど極端に時刻表が違うとは)。さすが、恋のから騒ぎ (Much Ado About Nothing) と夏の夜の夢 (A Midsummer Night’s Dream) のキャスト。真っ先にシェークスピアに会いにいくとは。同志社女子大学英語英文学科の教育が浸透している証拠ですね。

帰りはバスで帰ってきてね、行っていたものの、よく考えると駅からの最終バスは午後8時くらい。急遽、私達が駅まで行って帰りにパブに行くことに。土曜日の晩のこの時間のこの繁華街中心のパブは初めて。すごい活気でした。パブは一杯。3人のハイテーブルをやっと確保してあとから普通のテーブルに。

さて、そのストラッドフォードへ行く際の話。電車の予約をしようとしたけれど、最後にクレジットカード決済をする際にPasswordだけでなくWebIDも入力しろと。それは聞いていないとMさん。では、Aさんに私の余っている(1枚余っています)O2のSIMを入れたのですが、残念ながら認識せず(理由はそのiPhoneがSIMフリーになっていなかったため)、結果的に私のもう一台のSEでチケットを購入し、アクティベートしてお貸しすることになりました。今よく使っているソフトは、trainline です(iPhone版も使っています)。これはクレジットカード決済でチケットを購入し、ダウンロード、チケットをアクティベートして、その携帯を駅の改札にかざすだけ。便利です。今から、オックスフォード市内観光に行ってきます。皆さんからおすすめのアリスショップにも行く予定です(行きたいとのことですので)。(2018.4.29)

★今回の教訓:クレジットカードは暗証番号も含め、フルに使える状態で海外に出発しよう。

オックスフォード通信(32)Oxford University が世界一の秘密(3)言葉の豊かさ

金曜日の夕方は各カレッジ、研究所で(オープン)セミナーが開催されています。

ただキャンセルも結構あるみたいで、教育学部のセミナーに行ってみたのですが昼のインフォーマルセミナーは分かりにくい場所を探し当てて行ってみたのですが電気が消えていて人影もなし。夕方のセミナーはではギリギリではなくて少し前に行こうと思っていってみたのですがこちらも電気が消えていて人影なし(のはずです。すいません、今再確認したら日を間違えていました)。もったいないのでPlan Bで考えていた日本研究所のセミナーに行ってきました(Plan Bを考えておいて良かった)。

5分遅れで到着したのですが会場は超満員。オックスフォードに来てはじめてこれだけの人を見ました。ヨーロッパ研究所主催で大学へ押し寄せる反リベラリズムにどう対応するかというトピックでした。縁者は、Michael Ignatieff(彼の英語が分かりやすいとおもったのですが、後から調べてみるとトロント出身のカナダ人でした、やっぱり)。話し方といい内容といい、参考になるところが大でした。最初はやはりちょっとジョークで、最初はみんな来ているかい(Anybody show up?)と言うんだけれどこんな雨の日には特にそうだといいながら50分間、ハンガリー(彼がrector=総長を務めるCentral European Universityがブダペストにあるそうです)の反動的な社会状況から大学はどう対応(考える)べきか論じていました。

その中でも強調されていたのが、社会に自由がなければ大学にも自由がないことWithout freedom in society, there is no freedom in universities)、だからこそ社会の中で自由を抑圧する動きにはたこつぼに入ってないで大学人もそれに反対するべきだとする社会との連帯 (solidarity) です。

中でも大学には長い歴史がある、長い歴史があるということは長い記憶があることだ(Long history has long memories)という言葉にはハッとさせられました。私が勤務する大学も150年弱の歴史があります。資料室もあり活発な資料室の活動には敬意を払いながらもなかなかそれを日々の研究活動に生かし切れていませんでした。もちろん長い歴史には苦難の又は失敗の記憶もあります。少し言葉をこのように、歴史→記憶と置き換えるだけでグンとイメージが豊かになるのが不思議です。

いい話をお聞きしたと思います。(2018.4.28)

★今回の教訓:言葉の力は大きい。豊かな語彙は考えを生活を豊かにしてくれる。

オックスフォード通信(31)Oxford University が世界一の秘密(2)Open Seminar

オックスフォードに来て、何がこの大学を世界一にしているのだろうと考えています.

秘密の2つめが分かりました。オープンセミナーという公開講演会と様々なランチタイムセミナー(私が興味を持っているのは応用言語学セミナー、質的研究セミナー、量的研究セミナーです)が開催されていることです。昨日は昼1つ、夕方1つ参加してきました。

公開セミナーというので大々的なものかと思っていたら、昼は5名、夜のセミナーでも10名弱の少人数です(入った瞬間に、抜けられないなあという絶望感を感じますね)。昼はハンガリーでの自立(autonomy) 意味についての大学院博士課程3回生の発表、夜は教室環境のデザインについてのプレゼンテーションでした。私の研究と直接関係ないのですが、全然関係ないこともなく、聞いている内に何か自分の研究に関連付けて考えられるようになるのが不思議です。

学内で気軽にこのような知的な交流の場が主として教員に与えられている(ほとんどの、特に夜は先生)のは昨日の話のトピックにあったように、Stimulation(刺激)を与え、そこから個人化(Individualization) され、それがOpenness(公開性)と相まって、 Naturalness(自然)となっているのでしょう。Clever classroom ならぬ Clever univeristy environmentという感じがします。(2018.4.27)

★今回の教訓:案外どこの国のどこの大学でもこのような環境は作れるのかもしれない。教員、研究者が忙しさにかまけて、たこつぼ化(自分の領域だけに没頭してしまう)してしまうことを避ける方策はあるだろう。その意味では同志社女子大学英語英文学会が設立60周年に向けてすたーとした、Special Lecture Series(2018年3月スタート)は軌を一にするものだろう。

オックスフォード通信(24)Thank you!

半径30cmの幸せ

拠点の教育学部(Department of Education)まではフラットのあるサマータウンから徒歩でもdoor-to-doorで丁度20分のほどよい距離にあるのですが、バスに乗ることもあります。昨日はシティーセンター(ダウンタウンとは言わないようです、またCity Centreとreの表記になります、イギリス英語の特徴についてはまたの機会に書きたいと思います)に用事があったので、3回以上バスに乗りそうな時にはバスの一日券(Day Pass)を買います。このDay Passが合理的だとおもうのは日で換算するのではなく、24時間で換算するところです。

例えば、昨日は13:29にバスに乗ってバスの中で買いましたので、本日の13:29まで有効ということになります(以前、Port Medow に行ったときには1分違いでアウトになりそうでしたが、運転手に交渉してOKにしてもらいました。温情に感謝!)。今日は往復乗りましたので(ほんの5分くらいですが、楽です。でももうすぐ自転車を買おうと思っています)、£4.20で4回乗った換算になります(半額くらいですね)。

バスのこちらならではの流儀にいろいろ気づきます。一つはバス停で待っていて乗ろうと思っているバスが来たら手を横に出して、「乗るよ」という意思表示をすることです。これをしないと通り過ぎ去られます。もう一つ。0%くらいのの乗客が降りる際に6運転手さんに “Thank you!” ということです。

これはいい習慣だなあと思います。日本でも言う人はいますが、それは京都市バスであれば老齢優待パスを持っているご老人など立場上有り難いと思われる場合に多いように思います。Thank you! というと運転手さんもThank you! などと返答しています。

ほんの少しのことですが、コミュニティをすがすがしい場にするいい習慣だと思います。日本でもすぐにマネすることが出来ますね。そして不思議ににこやかな人、心に余裕のある人ほどそのように口にだしているようです。逆かもしれません。何事にもThank you! といえるからこそハッピーになれるのかもしれませんね。

さて、私はバスにのると子どもと一緒で2階建ての一番前に陣取ります。日本ではみることのできない光景が目の前に広がります。(2018.4.20)

★今回の教訓:感謝の気持ちはどこの国でも言葉に出していうといいものだ。2語で半径30cmがハッピーになれる。

オックスフォード通信(23)暑い! 銀行キャッシュカードComments

急に夏がやってきました。

極端です。半袖、短パンの世界です。お昼に街を歩くとなぜか人が一杯。とても働いているように見えません。近くの高校生も芝生の上でランチをしています。午前中にフラットチェックにきたDさんも半袖!半袖!と唸っていました(ビーサンを持ってきていて[さすがに訪問時はきちんとした靴を履いておられましたが] 帰りは履き替えておられました)。また相変わらず歩きタバコをする人は多く、高校生風の男女も堂々と煙をはいています。

気温25℃くらいでしょうか。一昨日まで10℃くらいでしたから本当に夏がやって来た感じです。

さて、こちらでは携帯の契約をするのになぜか銀行のキャッシュカード(デビット)が必要です。銀行のキャッシュカード・クレジットカードの暗証番号は早々に来たのですが、肝心のカードが来ません。しびれを切らして電話をしてみたらH銀行にもいろいろな銀行があるようで、あの・・・は何番の後にオペレーターにそう言われてしまったので、支店に行くのが早いということで先ほど行ってきました。すると口座開設を手伝ってくれたMさんが対応してくれました。覚えてないけど思い出した、なんといいながら、「カードが先に届いているはず」とのこと。Sorry、といいながら再発行の手続きを取ってくれました。

信頼がおけるはずのイギリスでもそうなんでしょうか。ただ日本のような書留がないので本人受取が確認できないのは事実です。そういうこともあろうかと思って暗証番号を別々の便で送ってくるのですね(そうでなければ別送しませんよ)。ということで、早々に再発行になり、次週銀行にピックアップ(こちらではcollect)することになりました。この部分では日本の方が確実安全ですね。

本日の写真はよくガイドブックやオックスフォードというと出てくる写真を。St. Mary教会の塔からです。その昔36年前にヨーロッパを訪れた際、あのバルセロナ聖家族教会の塔を登ったのを思い出しました(パリのノートルダムもニューヨークの自由の女神も同時に思い出しました。自由の女神は1995年です。911以前はあの目の所まで登ることが出来ました)。サグラダ・ファミリアから見えた地中海を見た時なんとも言えない感動があったのを思いだしていました。同じような石段です(といってもサグラダ・ファミリアの1/10くらい)。サグラダ・ファミリアに登ったとき22歳、何を考えていたのでしょうね。地中海の青さだけが脳裏に鮮明に残っています。(2018.4.19)

★今回の教訓:銀行のキャッシュカードは届かなければなるべく早く銀行にコンタクトを取ること。日本郵便、Royal Mailに勝っているかも。日本社会の勝利!?

オックスフォード通信(22)塩けのない生活

血圧が高かった。

というと下がったみたいに思われるかもしれませんが(血圧を測る場所がありません)正直まだ分かりません。でも下がったと思います。というのは食事の影響です。

17日間、放浪の生活(といっても大学の寮住まいですが)をしていた関係で、夕食はすべて外食(=ほぼパブ)で頂いていました。その関係上、口にするものBritishな食事ばかり:フィッシュアンドチップス、ウインナー、チキン、マッシュドポテトなどなど。引っ越しをして、先日久々に家で(フラットで)食事をしました(妻が作ってくれました)。

今回のフラット、Furnishedといわれる家具付きの物件なのですが、よくできていて冷蔵庫や冷凍庫はもとより、掃除機、ソファ、イス、ベッド、カーテン、フォークにナイフワイングラスにコップと何も買い足さなくていい素晴らしい環境です。更にどうも前に住んでいた方は日本人らしく、しゃもじやセイロまで置いていって下さっています。

これは日本食をということで引っ越して2日目にご飯を炊こう、味噌汁を作ろうということになりました(妻が)。しかもスーパー(ダウンタウンとフラットの近く)に行くと味噌もあるし豆腐もあるし、ネギまで売っているのですね。ラーメンはなぜか出前一丁の各種が置いてありました(東京醤油、豚骨、海鮮、ビーフなど、少し日本とは異なります)。

さて、まずメインのスモークサーモンを口にした瞬間出て来た言葉は「塩辛い」。次に味噌汁「塩辛い」。実は特段サーモンが塩辛い訳でも、妻が味噌汁の作り方を忘れてしまって失敗したわけでもないのですね。これまでの日本の普通通りの食事が塩辛く感じてしまうほど、この17日間、ほとんど塩気のない食事をしていたということなんですね。改めて、日本でいかに塩分の多い食事をしていたか、合点がいった気がしました。

すると当然のことながらこの17日間のノーソルトの生活の成果で、血圧が下がったのではないかと推測した次第です。本日のコーヒータイムにいろいろと教えてくれたSさんにヘルスセンターはないかと聞いたのですが、トロント大学にあったような大学付属のセンターはないようなのですね。ですからしばらく血圧を測ることはできそうにないのですが、研究とは全く関係のないところでいい発見をしたなあ、とほくそ笑んでおります。

今日はオックスフォードにきて初めてといえるくらいのいい天気です。気温も予報通り20℃近くあり春になったような気がします。木々も葉が出てきました。春はどこの国でもいいですね。また、本日の午後、Dornyei (2015) を大学の図書館で読んでいました。今後の研究の方向性をじっくりと考えてみたいと思っています。(2018.4.18)

★今回の教訓:日本の食事は美味しいけれど塩分が多い。多すぎる。塩分のない生活をしようと思った洋食にすればいい(言い過ぎ)。

オックスフォード通信(21)いよいよNew Flatへ移動

金曜日についにフラット(アパート)に引っ越しをしました。

Kebleもそうでしたが、Wadham Collegeのフロントも寛大でスーツケースを午後まで預かってくれるとのこと。このUniversity BBは偶然インターネットで見つけたもので、地球の歩き方はもとよりTrip Advisorや名だたるどのホテル予約サイトにも出てこないものですが、このCollege DormitoryのBBがなければどうなっていただろうと、この幸運に感謝せざるを得ません。まず大学なのでもちろんオックスフォード大学です。そして、Kebleの初日に感動したように朝食がハリーポッターのままの食堂で食べることが出来るのです。しばらく朝食を忘れて(すぐに思い出しましたが)その荘厳なダイニングホールに感動しきっていました。High Talbe と思われるところではさすがに座るようにはなっていませんでしたが歴代の教授の肖像画が壁一面に飾られ、窓はステンドグラスで覆われていました。

Keble CollegeのDormitoryには計1週間(当初は1週間もあればフラットは見つかると踏んでいたのです。

事実1週間で見つかったのですが、予想外だったのは、日本と異なり手付金だけでなく[手付金は文字通りその物件をしばらく占有できること] 指定の額が相手銀行に着金するまでは鍵がもらえないこと、そして現金払いはダメで銀行を通して振り込みしないといけないこと、そして銀行口座を開くのが結構大変だったこと、輪をかけて日本からの送金が大変だったことです、通信12, 13などを参照)、Wadahm Collegeは1週間+2滞在しました。本当はKebleにずっと痛かったのですが、予約が埋まっているようで、移動せざるを得なかったのですが、結果的には移動してよかったと思います。

一つには、Wadhamの方が街の中心部に近く、横には有名なKing’s Armsというパブまでありました(2回行きました)。また部屋が圧倒的に広く、ベッドは並んでいるのではなくてリビングからそれぞれ別々のベッドルーム(といってもベッドが入るだけのスペースですが)が設置してあり、生活感のある日々を送ることが出来たことです(妻は自分だけのスペースがあって嬉しいとしきりにいっておりました)。また朝食もクロワッサンが温かく柔らかく美味しいのもいいところです(朝食メニューは90%同じく豪華です)。

ただWadahmの難点は部屋が4Fでエレベーターがなく、しかも床が微妙に1.5度くらい傾いていることです。20キロ以上に膨れあがったスーツケースを3つ傾いた床に目がクラクラしながら持っていくのがどれだけ大変だったことか(毎日部屋のクリーニングに来てくれる女性、Scoutsと説明書には書いてありました)は上がってくるだけで汗かくわ!ふう、と毎回言っていました。事実、毎日4Fから降りるときには、遊園地のような目の錯覚を楽しみながら、上がるときはまだあと1Fとトレーニングをしているようでした。若者向きに作ってあるからこれでいいのかもしれませんが(ちなみに部屋も傾いていて歩いてるとその傾きがハッキリとわかるほどでした。私のベッドも当然傾いていて真っ直ぐに寝ていても体のどちらかに体重がかかっているのがわかりました)。

でも、回廊 (Cloisters、Kebleは比較的新しく作られた大学なので残念ながら回廊はなかったものの素晴らしい中庭がありました)の石畳を歩き、1600年頃からほとんど全く概観は変わっていないという建物を見上げるのは格別のものがありました。今回は学部のみでcollegeには所属していないのでこの2週間あまりのcollegeの経験は代えがたいものでした。

さて、下りは割と楽で(人生そのものですね)、スーツケースを3つ、4Fから降ろし、いざ、Summer Townへ。

今回居を構える(といってもアパートです)のは、Oxford でも屈指の高級住宅街のSummer Townです。私の名前からしてこの街の名前を初めて聞いたときにはうーん、ひょっとしてと思ったのですが、多くの人の支えがあって幸運にもここに住むことが出来るようになりました。

12時にA社のRさんと待ち合わせ、F社で鍵を受け取りました。その鍵の数6つ。全く使い方が検討も付かないのですが、F社のおばあさん(すいません)社員は行けば分かると。はい、行って分かりました。建物の鍵、部屋の鍵(2箇所)、ただ残りの3つは依然として不明です(自転車置き場も別個にあるのですが、それらの鍵は含まれていないようです、明後日管理人のDさんが来てくれるのでその時に判明するでしょう)。

鍵で面白かったのは、2セットもらったのですが、そのマークの付け方がいい加減なこと(やっと、さすが!イギリス人は雑だ!と言うときがやってきました)。最も重要な部屋の鍵にはAセットには緑の半カバーがしてってそれ以外はマークは一切ついていません。Bセットにもひとつだけオレンジの半カバーがしてあってそれ以外はなし。当然、その緑とオレンジが同じ鍵と思ってなんど試してもダメ。しばらくして、F社に立ち寄って「利かない」というと3日前に全部試した、必ず空く、ただそのマークに惑わされてはいけないと。だったらその紛らわしいプラスチックのカバーはつけるなよ、と言いたくなります(やんわりと言いましたが)。事実、鍵穴のパターンを2セット付き合わせるとそれらしきものがありました(いまだにBセットを使うときは、どの鍵だったっけと考えます)。

BBとフラットの違いは、BBもいいのですが、やはり生活のパターンをコントロールされているか、自分で組み立てられるかの違いだと思います(せいぜい朝食、掃除に来られる時間、調理ができないということくらいですが)。でもそのほんの少しの違いは結構大きいものですね。自由は完全な自由でないと自由と言えないのかもしれません。

というわけで、到着から計17日目にようやくフラットに落ち着くことが出来ました。でも、ひとつ問題が。このフラットにはインターネットWifiがない(Keble、Wadhamは大学のWifiが利用できました)。(2018.4.17)

★今回の教訓:自由は不自由を味わうことによってその価値を実感することができる。

オックスフォード通信(20)若ゼミ(Seminar 18)の新たな挑戦

今学期2回目のゼミが開催されました(日本時間3pm-6:35pm; イギリス時間7am-10:35am)。

本日は最初からiPadの調子が悪く、TA加藤さんのMacbook Air-Line Videoでのインターネット中継となりました。オックスフォード側は、教育学部のR先生の研究室及びそのiMacをお借りして、Wifiではなく有線でインターネットでつながった状態での接続でした。

朝、6時20分にフラットを出発、目の前を2番のバスが通り過ぎる(よくありますね、マーフィーの法則)も、なかなか次のバスが来ず、慣れないもので一本前のバス停で降りてしまい結構歩いて、直前の研究室到着となりました。鍵は肌身離さず頭からぶら下げ(通信16参照)、私用に作って頂いたアカウントでコンピュータにログイン。ここまでは順調。ただ日本で出来てこちらで出来ていないのがFacetimeでの通信(本日のセッションをしながら、iPadは不安定でダメかもしれない、もう新しいマックを日本で買おうと思いました)。新しいマックならそのマック用のFactimeアカウントを作って(そのためには新しいApple アカウントを作らないといけないかもしれません)、イギリスから発信→同志社女子大学で受信とするとうまくいくかもしれません。

今日のセッションはClassroom Silenceについて。

このトピックは何年か継続して取り組んでいるトピックですが、なかなか解決策が見えきらない重要なトピックだとあらためて実感しました。そもそも授業中に静かにしていることが良くないことなのか(授業中は静かにしろと小学校から散々叩き込まれてきています)、良くないのならどのような解決策が生まれるのか議論しました。NETの立場のKathi先生、ゼミメンバーのディスカッション、TAの加藤さん、若本となかなか豪華な布陣が上手くかみあうようになってきた感じがします。ただ、ほんの少し、時差(LINEの場合、0.5秒くらい)と言葉が途切れることがある、特にこちらが話をしている時は相手の声は聞こえない、などの問題はあります。

またカメラが向いていないところで話をした場合、理解力がグンと落ちるのが分かります(メラビアンの法則)。

いままで対面式で贅沢なコミュニケーションをしていたんだな、ということをmediated communication (Playbookを持っている人は393番です)をしてみて実感しています。

またの機会に課題の提出や確認をどのようにしているか、書きたいと思います。また本日、久々に英語英文学科研究事務室に電話をしてみました。(2018.4.16)

★今回の教訓:バス停の確認はバスの中ではなく一度実地に歩いて確認するべき(帰りは歩いてみました)