オンライン授業のためのサポートページ (Resources for On-line class)

マナビーの活用; PowerPointの活用; YouTubeの活用; Zoomの活用; Teamsの活用; 他のオプション; 有益なリンク

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はじめに

このページは新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)拡大による難局を乗り切るために用意されたものです。COVID-19の大学教育への影響はこれまで誰も経験したことのない未曾有の様相を示しています。英知を結集してこの難局を乗り切りたいものです。

現時点では同僚のY先生とS氏から多くの情報提供を頂いております。この場をお借りして感謝申し上げます(引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます)。

現在進行形の状況下において、必ずしも情報の真偽が定まらない点もありますが、多角的に情報を収集し集団知によって判断するアプローチが現時点では有効であると判断しています。ここに掲載の情報は、同志社女子大学や同志社女子大学教育開発支援センターとは関係のないものです。若本個人の備忘録として整理されたものとお考えください。その上で自由にご覧頂き、ご自分でご判断下さい。その上で、ご自分の授業や研究にご活用頂ければ幸甚です。リンクを貼らせて頂いているもので問題のあるものがあればお知らせ下さい。

1点お願い:関連する情報をご存じであれば、若本夏美(nwakamoto@gmail.com)個人までご送付ください。調整の上、掲載させて頂きたく存じます。

マナビーの活用

  • TBA

PowerPointの活用

  • Q1: パワーポイントの各スライドに音声を録音(挿入)し、そのパワーポイントをマナビー上で受講者に見てもらうことは可能でしょうか。(Sさん)
    A1: パワーポイントの標準機能で可能です。
    「スライドショー」タブで「スライドショーの記録」を選びます。
    そして、スライドを表示しながら、話していくとその音声を各スライドに録音できます。それが終わったら、パワポのファイルを名前をつけて保存を選び、拡張子を動画のファイル形式であるmp4に設定すると、音声付きスライドショーの動画ファイルを保存できます。 動画はファイルサイズが大きくなるので、Youtubeに(urlを知っていないと閲覧できない)「限定公開」という方法でアップし、それをマナビーの画面に埋め込むようにします。ただ、話者の顔を表示せずスライドの画面と音声だけにしますと臨場感に欠けて眠くなってきます。ですので、あまりよい方法ではありません。

    Zoomでパワポをスライドを共有して「一人会議」をしてそれを動画記録しますと、簡単に話者の顔つきプレゼン動画を作ることができます。こちらの方がよいと思います。

    いずれにしても、長い動画を延々見せるだけだと、受け身で眠くなりますし、動画を再生しながら内職をしたくなってきます。動画を数分単位の短いものに分割して、それらを視聴する合間にクイズに答えさせたり、コメントを書かせるなどの活動を挿入すべきです。 (以上、Y先生)

YouTubeの活用

Zoomの活用

Teamsの活用

他のオプション

その他のリンク


ワーキング・ホリデーの皆さんへ(オーストラリア総領事.2020.0408

授業記録①

さて、本日(4/13)英語英文学科のゼミ(4回生、18名/20名出席)をZoomでやってみました。

第1回目ゼミ。私は2018年〜19年の一年間、Oxford大学と同女をインターネットで結んで計30回のゼミを1年間に渡り実施した経験がありますので(詳細は、総合文化研究所紀要第36巻収録研究ノートをご覧下さい)、時差もないし(イギリスと日本は8-9時間の時差)、インターネットも安定しているし(イギリスと日本では90分の間に最悪の場合、3-4回途切れることがあった)大丈夫だろうと高をくくっていました。

3時から結果的に午後4時45分くらいまで105分間のゼミを終えて、本当に「疲れた!」というのが実感です。こんなに疲れるとは思ってもみませんでした。

Zoomは3月下旬よりゼミ学生との個人面談などに使ってきましたので割と慣れているつもりでしたが、20名近くの学生になると風景は一変です。

疲れているので以下、今後の改善点を中心とした簡単なメモを。

①学生はスマホで参加している者がいました→PC/MCなどパソコンで利用させるべきです
←スマホでは、ギャラリーにしても4名しか見えないそうです。また画面共有が生きません。

②自分の部屋が見えるのがイヤといって、天井を映す学生が→バーチャル背景を使うように指示

Mute→オン・オフ
←スマホを授業中に落とす学生もいてすごい音が。難しい選択ですが、Muteをオンにする場面を作るべきです。

④画面共有を過信しない→あらかじめマナビーなどで文書をダウンロードさせておいて自分のPC画面で見えるようにする方がいい
←画面共有で複数の文書を切り替えたりする場合、うまく反映されない。またスマホでは見えにくい(この場合スマホはやはり適していない)

⑤名前→自分の名前に変更させる(そのセッションのみで、プロフィールから変更しない限りZoom上の名前は変更されないので安心です)
←スマホなどでログインしている場合表示画面がスマホの名前になっていたりして、チャットをした場合など誰の書き込みか分からない

飲食→飲み物はいいにしても、ガムなど食は禁とすべき
←ガムを食べながら参加している学生が1名。インターネットということで気楽に感じていたのかもしれない。コーヒーなどはいいにしても(良くない!?)食べ物はムードを悪くする。

グループ分け→予め設定変更が必要(下記、添付画像参照)
←簡単にグループ分けができると思っていたのですが、以下の通り、事前に設定変更をしておく必要があります(実際のグループディスカッションは未経験です)。

⑧授業なら円になって話をまわしていけるが、Zoom上ではどの順番に話をしてもらったらいいか不明、誰が何回話をしていて、誰が1回も話をしていないか、分からない→事前に話す順番を決めておくとよい
←Zoomのギャラリービューが順次変わるせいか(変わっていない!?)発話の振り方が難しい

学生の反応が見えにくい→解決策、現状ではなし。
←ギャラリービューにしておくと20名くらいになると一人の画面が小さくなり、顔の表情が見えにくく、反応が分からない。スピーカービューにすると大写しになるが、それにしても学生は無表情。とても話しづらい。アイコンタクトが取りにくい。

学生の発話の途中で途切れる→解決策、現状ではなし。
←英語を話している場合、途切れると意味が取りにくい。

*******************

逆に良かった点。
ワイヤレスイヤホンをしていると話が聞こえやすい。Zoomにはコンピュータのスピーカーではなくてイヤホンやヘッドホンが向いている。

記録を残せる。Zoomでは録画機能があるので、最初にボタンを教えておくと、退出をした瞬間からビデオに変換してくれる(90分で10分程度の変換時間)。

教訓:
教員対学生ひとりひとりとなると授業はしづらい。学生同士が教え合ったり気軽に意見交換できる実際のクラスの利点を痛感した。以前のOxford-同女の場合も、同女では学生は1つの教室にいたので、分からない学生のサポートは学生同士でできたが、Zoomではそれが困難。

対面授業と同じ内容・クオリティーを期待しない。これまで授業は真剣な場面だけでなくて、学生がニヤリとしたり、みんなで大笑いすることが少なからずあったのですが、本日の授業では、「なるほど」も「盛り上がり」もなしです。これもまた、学生同士が同じ場にいないことが影響していると思います(話し方も悪かったかも)。

正直、予想外の展開です。以上、4月13日の記録でした。

授業記録②

Zoom授業 2回目、3回目 (4/14)

英語英文学科3回生ゼミ(19名)と英語英文学科開講科目「外国語教育論1, 2」(12名)の授業をZoomを使って実施しました。

昨日とは打って変わって、とてもスムーズに進みました。その理由は以下の通りです。

授業のはじめにZoomの約束事を確認しました。

4/13の記録の中から、

① Zoomの表示名を実名に変更

②飲食の食は厳禁であること

③画面共有で、私の話と実際の画面が異なっている場合には手を挙げる、手で×で示すように依頼

以上3点を確認してから授業を進めました。

またゼミにおいては「グループ分け」(「ブレイクアウトルーム」機能)を使って、最初の授業と言うこともあり、全体を最初は5グループ→5グループ→3グループ→全体、という繰り返しを利用しながら、自己紹介を繰り返しさせました。英語での自己紹介ということもあったのですが、最初の5グループ=1グループ3-4名での自己紹介は緊張もせず、スムーズにできたように思いました。私は1つのグループにのみ参加していたのですが、安心して話をしている様子がよく分かりました。

授業を進める立場としても、90分ずっと私対学生ではなくて、学生同士の小グループでの話し合いができることによって、少しゆったりと、通常の対面授業の雰囲気が感じられる授業となりました。Zoomで10名を越える場合には是非「ブレイクアウトルーム」機能をお使い下さい。事前設定が必要です(授業記録①を参照して下さい)

このブログと同じ内容を学内掲示板で掲載していたのですが、リマンダー設定で全員の先生に配信されるのは問題ではないか、というご指摘もあり、学内での書き込みは当面休止することにしました。なかなか難しいものですね。

授業記録③

Zoom授業 4回目、5回目、6回目 (4/16)

英語英文学科「教育実習クラス」(16名)と英語英文学科開講科目「外国語教育論1, 2」(10名)、大学院博士課程「言語学特殊研究3」(1名)の授業をZoomを使って実施しました。ずいぶん慣れてきたということもあり、普段の授業に近い落ち着いた感じで授業をすすめることができました。
このZoom授業では「間が空く」とやはりぎこちない感じになります。とはいえ、間髪を入れずにともできないのですが、
① 手元にマナビーからダウンロードした名簿を置いておいて、画面と照らし合わせながら話かける。
② ブレイクアウトルームでグループを分けた際に誰をリーダーに指名したか、メモをしておく
などは有効です。

「教育実習クラス」は英語の教師を目指している学生ばかりですのでもともとモチベーションも高く授業はスムーズに進めることが出来ます。この日は、
①自己紹介(ゼミと同様):ブレイクアウトルームで1G=4名に訳、中学生・高校生にするようにひとり1分の自己紹介。×2回。
②コースシラバスの紹介:マナビーにアップしておいて、指名で交替で読んでもらう
③模擬授業の日程決定
以上で、90分(+2分)でした。気づいたことは、こちらの息づかいや顔の表情が分かりませんので、指名で読んでもらった際には「ほめる」ことが重要だということです。Zoomでは「言わないと分かりません」

「外国語教育論1, 2」(10名)は2020年から週2回にしたせいか、受講生が1/6になってしまったのですが、災い転じて福となす、の通り、少人数ですので、授業のコントロールは難しくありません。
①ブレイクアウトルーム(多用しています)(→3グループ)に分かれ、「自己紹介を兼ねた、スモールトーク(=最近驚いたこと)」、各グループリーダーを決めておくのがポイント。全体に戻った際に、各グループから1つ紹介してもらうのを忘れていました。
②新聞記事を読んで(事前にマナビーにアップロード)、①と同じグループで6分間のディスカッション(Zoomにタイマー設定があり、便利です)
③講義:Keynote(パワーポイント)を使って、ただ、Keynoteの設定を変更していなかったため、マウスを表示するなどの細かな技を使うことが出来ませんでした(→あとから説明します)

大学院博士課程「言語学特殊研究3」(1名)は自宅にWifiが飛んでおらず、スマートフォンの電波も弱いため、Zoomでの授業は不可能でした。最終的にFacetimeで繋いでの授業となりました。この「電波問題」は今後大きな問題になりそうです。

課題:
①Keynoteでビデオを流したのですが、1/10名、フリーズしてしまったとのこと。スマホでアクセスをしていたからということもあります。
②上記のようにフリーズして再度入室する際に「許可」を求めていることに気づかないことがあります。また、Keynoteで説明をしている際に「誰かがフリーズなどでいなくなった」ことに気づきにくいです。そのためには常時「参加者のページ」は表示しておくべきかもしれません(普通の教室で誰かがエスケープするのを見張る感じです。ただ、画面共有すると参加者一覧は表示できない?)(20200417)

Prepared by Natsumi Wakamoto
Natsumi Wakamoto HP; DWCLA HP; Registrar of DWCLA HP; CLT of DWCLA HP

オックスフォード通信(266)i-Seminar 第28回目:高名の木登り

高名の木登りといひし男、人を掟てて高き木に登せて・・・

とはじまる文章は高等学校の古文で必ず習う、吉田兼好「徒然草」の一節です。木登りの師匠が、木の高いところに弟子が登っている時には何も言わないでおいて、軒くらいの低いところまで降りてきたときに気をつけろというのを不思議に思ったというお話です。

これは、人生の節目の大切なことをなす時にいつも思い出す言葉です。危ないと思っている時には自分で気をつけているので大丈夫なのですが、もう大丈夫と思った時に限ってケガをしたりするのは本当のことです。

英語ではNoticingといいますが、いつもいつも注意していられないのが人間の性というものです。だからこそ危ない可能性のあるところをあらかじめ知っておくことは重要なことです。

毎年この一節を読んでいますが、本年は、古文、現代文に加えて英訳も試みてみました。

ラーニングコモンズのワークショップスペースでのゼミとなりましたが、インターネットの状態もそれほど悪くなく、割と順調にゼミを進めることができました。

毎年のことですが、いよいよ卒論提出に入ります。アポロ13号でいえばいよいよ大気圏再突入というシーンです。

何度も経験していますが、期待と緊張が入り交じる瞬間です。

高名の木登りの教訓は人生の節目、節目に生かすことができる。

PS. ゼミの冒頭は若ゼミらしく、クリスマスパーティーを開催してくれました。硬軟取り混ぜるとうまくいくことが多いです。

(2018.12.18)

★今回の教訓:今こそ注意すべきである。肝に銘じたい。

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オックスフォード通信(264)卒論に想う(2)

(昨日に引き続き)。一方で実際に会って話ができないためもどかしく思うこともあります。

1. 卒論をこう進めれば・・・と思うことがあってもすべて文字に書いてのコミュニケーションなので、伝わりにくいことがある。

2. 励ますことがむずかしい・・・言葉を労しなくても笑顔で話すだけで励ますことはできるけれど、逆は難しい。

3. 遅れているメンバーにハッパをかけにくい・・・書き言葉のインパクトはそれほど大きくないことを実感します。

にも関わらず、過去最高に近い卒論に仕上がりつつあるのは、彼女達が自律的集団として成長してきたことの証しかもしれません。あと、少し。仕上がりが楽しみです。

(2018.12.15)

★今回の教訓:コミュニケーションとは?いつも考えさせられます。

オックスフォード通信(263)卒論に想う(1)

毎年のことだが、今年は遠隔ゼミをしているだけあってこの卒論に普段とは異なる感慨を感じます。Digital Paper (SONY) — Dropbox — Smartphone (PC/MC/iPad)という連携が上手くいっていることもあり、ドラフトへのフィードバックはかなりスムーズです。

また、時差が9時間あるため、ゼミメンバーが夜遅くまで書いてDropboxに投稿したドラフトをまるでリレーのように昼に読むことが出来ます。もちろん、こちらでの研究スケジュールの合間に読むことになるのですが、無駄な時間がないように思えます。

(2018.12.15)

★今回の教訓:時差が有利に働くこともある。

オックスフォード通信(262)Brexit Brexit 騒動

EUから脱退を意味するBrexitは議論がまとまりそうで全く収束する兆しがありません。オックスフォードではこのBrexitに賛成する人に会ったことがない事実が示す通り、イギリスの明るい未来にプラスになることは何一つないと思います。予定では私達の帰国する3/29に離脱することになっているのですが、このままではまた延期になりそうです。

ただ、この騒動の中でも収穫はあります。
1. 理不尽な Brexitにも議論を尽くそうとするイギリスの民主主義の奥深さ。誰が考えても経済的にも何もプラスにならないのによくまあと思うくらい丁寧に議論をしています。流石紳士の国だと思います。オックスフォードの巷では、Brexitに賛成してるひとには3種類あると:①ゴリゴリのトーリー(保守党)、②ゴリゴリの懐古主義者、③xxxx(ご想像ください)。

2. メイ首相の毅然とした姿。ブリュッセル(EU本部)と交渉しては議会で否決される、の繰り返しなのに、堂々といつも背筋がピンとしている。この姿はすごい。

(2018.12.14)

★今回の教訓:議論を尽くすことは大事だと実感させられる。一方、大局的観点からものをみることも大事。

オックスフォード通信(261)Bisceter

オックスフォード近郊にあるBisceterという街までドライブしてきました(約20分)

ビスターはオックスフォードから北東に15マイルくらいのところにある小さな街ですが、大きなアウトレットがあることでも有名です。アウトレットは鉄道駅とほぼ直結していてロンドンからも多くの買い物客がやってきています。

近年はここも中国人観光客が多いらしく、買い物した大きな袋を沢山手に抱えたアジア系観光略が目につきます。

お目当てはイギリスの寒さにも耐えられる冬用ジャンパーでしたが、残念ながら気に入ったものが無く、結果的にフラットのあるサマータウンのアウトドアのお店で買うことになりました。でもドライブはなかなか楽しいものです。

(2018.12.13)

★今回の教訓:アウトレットが必ずしも安いわけではない、というのはどこの国でも同じ事か。

オックスフォード通信(260)Sleepingについての最新研究セミナー

Sleepingについての最新研究セミナーに参加してきました。特に、睡眠と意識の関係についてのお話でした。会場が溢れるくらいの参加者でイギリスでもこの睡眠が大きな関心を呼んでいることと伺わせます。レム睡眠とノンレム睡眠と夢の関係、Consciousness vs Unconsciousness、Executive vs Sensory disconnectionなど具体的な研究データを通しての講演でした。結論として睡眠中に意識があるのはホットゾーンにおけるデルタパワーの減少とガンマの増大が理由であるとのこと。

(2018.12.12)

★今回の教訓:睡眠はどこの国でも興味が高いトピックだ。でもこのように実証的データで提示するのには説得力がある。

オックスフォード通信(259)クリスマスの風景

日曜日、Chipping Nortonのクリスマスマーケットに行ってきました。Chipping Nortonはコツオルズ (Cotswolds)地域のひとつの小さな街でオックスフォードから自家用車で一時間以内で到着することが出来ます。

本当に小さな街ですが、イギリスはこのような小さな街にこそ味があるように思います。綺麗な教会とパブ、そしてクリスマスマーケット。ここでは地元のオーク材で作った、名刺立てとiPad立てが目にとまり、購入させて頂きました。

お昼ご飯に食べたケバブは大量で食べきれません。外なので寒いですが日本ほどの底冷えという感じはしません。

友人(妻の)がロンドンに来ています。

オックスフォード在住の残りの日数がいよいよ100日を切ろうとしています

(2018.12.11)

★今回の教訓:コツオルズ (Cotswolds)は行けば行くほどその魅力が身にしみてくる感じがするから不思議だ。

オックスフォード通信(258)i-Seminar 第27回目:論文を書く意義

卒論を書くことにどのような意味があるのか

このことについて議論をしました。メタ認知とは「自分がしていることについて知る」ことをいいますが、まさに卒論を書きながら卒論とはなんぞやという議論をしたわけです。これはなかなかクオリティーの高い話だと思います。

まずKitao先生から素晴らしいレクチャーをして頂きました

  1. Self-confidence: 自分に自信を持つことができる。英文で30ページの卒論はなかなか骨の折れるチャレンジングなタスクですので、英語だけでなくこの山を乗り越えた自分自身に大きな自信がつくのは間違いないと思います。よく「根拠のない自信」ということがありますが、卒論の場合には「根拠のある自信」が身につくというものです。実際に卒業メンバーがよく言っていますが、日本語でのレポートなら喜んで、英文でも500 wordsくらいならスラスラ書ける「気」がすると言っています。その気がするというのが重要なポイントだと思います
  2. Critical (Logical) thinking:論理的思考能力。これはcoachとまたスタディーグループのメンバーとやり取りを繰り返していきますので、自分自身の非論理的な思考が修正されるいい機会となります。また、リサーチ・クエスチョンへの説得力のある解答を考えなければいけませんので論理的に考えざるを得ません。ただ、これは日本語でも身に付く能力であって英語の専売特許でないことは気をつけないといけません。事実、日本語日本文学科で卒論を書いている人達も同じ能力が身についていると思います。
  3. Evaluating research:他の研究を評価する能力。これにはハッとしました。考えていませでした。確かに自分自身が論文を書くことによって他の研究や論文を批判的に読んだり、評価する能力が身につくと思います。来年からこのポイントも指導に含めたいと思います。
  4. Life-long education:自分自身で研究課題(Research Question)を設定してその問いを解くのが卒論です。卒論が終われば、社会人としてまた人生を生きるなかで次の疑問が浮かびあがってくることになります。北尾先生は、What you want to know … Academic mind… Continue to learnという表現を使われましたが、次に自分は何が知りたくて、それをどう解き明かすのか、Life workのサイクルが出来上がるかもしれません。これは研究者になるとかそういうこととは関係なく、「模索しながら」人生を歩むことにつながるのです。ただ生きるのではなくて、何かを探し求めながら模索しながら生きて行くことはとても意義のある、そして人生を豊かにするものだと思います。

この次に私の番だったのですが、3以外は言われてしまったので(後攻は不利です)、私は取っておきのひとつに焦点をあててお話しました。

  1. Resilience: 反発力とも復元力ともいいます。つまり卒論を書く中で落ち込むことはたくさんあります。思い通りの結果がでなかった(ねつ造してはいけません)、自信をもって書いたものに一杯の修正コメントとともにフィードバックが返ってきた(当たり前のことですが)、いわゆるWriter’s block=スランプに陥ってしまった、などなど。そこから締めきりを念頭に何度も自分を鼓舞し立ち直り、また倒れて立ち直るという、文字通り七転び八起きを繰り返すことになります。転ぶことは当たり前なので問題はそこからどう立ち直るかというのが問題になります。卒論を書く中で、友だちや家族の支え励ましも大きく影響します。卒論が完成したということはその励ましにも支えられながら、起き上がることができた、ということを示しています。このような復元力はこれからの人生で大きな支えとなります。

その他、具体論についても議論をしました。

A. Plan carefully: 残りの日数を考えながら計画を立てる

B. Perfect is the enemy of good. God is in the details. これらは相反することですがどちらも重要なことです。完璧を目指すとなかなか仕事が進みません。ですからBig jobを先に済ませてしまうことが重要です。でもその後にはSmall jobにも配慮をするべきです(神は細部に宿る、の方)。時間配分にも気をつけなければなりませんが、両方に配慮をすることが重要だと思います。その意味ではTypoにも気をつけたいものです

C. Good sleep. Eat well. 自分のBest time に仕事をするのは重要なことです。当たり前のようですが十分な睡眠と栄養はいい論文を書くためには不可欠と言えるかもしれません

D. Work together. 誰かに自分の論文を説明してみること。すると問題点が見えてきたり、解決方法が見つからなかった問題の糸口を見いだすことができます。また誰かと一緒に作業をすることによって意欲が高まるのも事実です。

この最終盤のゼミは各自がPCを持参してラーニングコモンズのワークショップスペースで行っています。これまでは秋学期は作業を重視して情報処理教室でのゼミだったのですが、議論を重視すると普通教室の方がいろいろな話をするのに便利です。最近ではラップトップコンピュータも小さくなりましたし、大学生が授業に持参するのはある意味では当たり前のことかもしれません。これもまた今年の発見のひとつです。

(2018.12.10)

★今回の教訓:計画をしっかり作れば、Keep calm and carry on. この精神ですすめればよし。

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オックスフォード通信(257)Christmas Market in Oxford

オックスフォードの Broad Street でクリスマスマーケットが開かれています。コツオルズ(Cotswolds )の各街(例えば、Bradford)で開催されているクリスマスマーケットに比べると規模が小さい感じですが、Broadstreet周辺でクリスマスマーケットのシンボルである小さなお家のお店が並んでいるのを図書館の帰りに冷やかして歩くのはいいものです。

オックスフォードは徒歩または自転車で大抵の所に行けてしまうのが大きな利点かもしれません。ウインナーを一本頂きました。美味でした。

(2018.12.9)
★今回の教訓:これぞイギリスの文化か。街の中でクリスマスを実感することができる。

オックスフォード通信(256)Christmas Carol at Christchurch

午後開会のChristmas Family Concertに参加してきました。妻はグループの集まりがあるということで一人でクライストチャーチに出向きます。Family Concertというだけあって家族連れがほとんど。ただ選曲は本格的で知っているクリスマスの曲も多くありましたが玄人好みの曲も沢山ありました。

オックスフォードは本格的にクリスマスを迎えつつあります。

(2018.12.8)

★今回の教訓:クライストチャーチ大聖堂は音がよく響きます。合唱の声が昇華されるような不思議な気持ちになります。

オックスフォード通信(255)マイクロソフト

スタンフォード大学の教員でマイクロソフト勤務のGさんのセミナーに参加してきました。Vickrey–Clarke–Groves (VCG) mechanismについての研究発表。社会問題を最適に解決するための方法論についての議論でした。Social transformationを実現するためにはVCGだけでは不十分である。その理由がいくつか述べられていました。例えば、Budget risk; Communication complexity; Computational complexityなど。そして思想的にも浅いと。

なかなか手厳しい批判ですが、社会変革を目指すなら、Usual approachではなくより高いスキルと協働作業が必要であること、そして適切なデザインを考案することが大切だと述べておられました。1時間余りの講演でしたが、特に「新たなフレームワーク」とそれに見合った「スキル」が重要であると感じました。

(2018.12.7)

★今回の教訓:オックスフォードのセミナーは、大学全域で行われるのでいろいろな場所に行けて楽しい半面、探し出すのが大変だ。

オックスフォード通信(254)インターネット通信

正式には12月4日(火)の早朝、午前2時くらいになりますが(12月3日の深夜か)、突然契約しているスカイのインターネットがつながらなくなりました。システムの問題かもと思ったのですが、スカイのHPにアクセスをすると、私のフラットは問題なし、あなたの接続の問題と言われたため、表示のまま、電源のオンオフ(これは基本)や線の抜き差し(これくらいしかすることがない)を何度も繰り返すも、改善せず。もしやとおもって、スカイ自体の通信障害を調べると、イギリスの地図がほぼ全域がオレンジのマーク(通信のトラブル)。

そんなことがあって、翌日の12/5には契約大手のO2の通信トラブル。日本でもソフトバンクに同様の問題があったとのこと。ただ、面白いのはメディアの対応。もちろん、Brexitでそれどころではないイギリスのお家事情もありますが、スカイについては報道すらなし、O2については一応Breaking Newsで速報されていましたが、それっきりで責任追及もなし。この違いは何なんでしょう。

簡単ですね。日本は問題が少ないと言うことです。たいした問題でもないことを大げさにメディアが取り上げているだけなのではないでしょうか。このようなメディアにお付き合いしているあいだに、私達の目も近視眼的になって遠くが見えなくなってきているように思います。

遠望視も時に必要ですね。

PS. 現在、共同研究、卒論とも佳境のため、若ゼミ日記は「メモ書き」状態です。後日落ち着いて補足したいと思います。

★今回の教訓:どのような状況でも冷静さと楽観性を保つことはあらためて重要だ、と思う。

(2018.12.6)

オックスフォード通信(253)ABDABRACADABRA

本日の実験心理学セミナーは自閉症児 (autism) の読解能力についてのお話でした。シドニー大学のA先生の報告は刺激的な内容を含んでいます。L1(英語)についての研究ですが、ESL/EFLにも当てはまる所が多くあるように思います。当たり前のようですが、①理解力はコンテクストの理解に依存する、②正確な理解が理解力につながる。

個人で教える際と教室で教える場合には異なったアプローチが必要であるという結論も納得のいくところです。CAIを使った読解力養成興味深いものがあります。実証的に丁寧に証明をしてゆくことが重要であるとあらためて感じます。不思議ですが、優れた研究ほど研究デザインはシンプルです。

(2018.12.5)

★今回の教訓:当たり前のようなことをきちんと検証することが重要。

オックスフォード通信(252)i-Seminar 第26回目:Apollo 13

いよいよ、i-Seminar も大詰め。

本日は伝統の映画「アポロ13」を観ました。この映画を共有することができるとは予想していなかったので、インターネットの威力とゼミメンバーの知恵に頭が下がる思いです。

実際のアポロ13号をフロリダ州ケープカナベラル・ケネディ・スペース・センターまで見に行ったのはまだカナダのトロントに住んでいた頃でしたので2001年の春休みだったと思います。当時は、13号の知識はほとんどなく、11号が持ち帰った月の石を見に行こうと思ったのが当初の動機でした。

ところが着いてみると、月の石はカフェの隅の方のガラスのケースに粗末に置いてあるだけで、むしろ黒焦げになったアポロ13号を大きく展示していたのに驚きました。“Failure is not option.”というボールペンもその場で購入しました(日本の研究室でまだ現役です)。

それ以降ですね、アポロ13号に興味を持って映画を観るようになったのは。2時間近くの長い映画ですので、例年も全部を見ることはできないのですが、ゼミメンバーの表情を観ながら適当にスキャンしてみせることができていました。

ただ、今回はそうは行きません。このi-seminarの極意は「事前準備」に尽きます。教室の変更がないか。ハンドアウトの準備、授業の進行表(インターネットが止まってしまうことがあるので司会者をはじめ全員に授業の流れを理解しておいてもらう必要がある)の共有など。今回の映画についてもどの部分を観るのか、まずイギリス側でAmazon UKでビデオをレンタルし、観ながらどの部分をゼミで使うか、進行時間をメモしながら決めていく→エクセルファイルに転記しゼミメンバーに共有。日本側では当初大学のAVセンターでこの映画を借りようと思っていたところ、まさかのLD(レーザーディスク)でしかないことが判明し、急遽DVD(ついでに20周年記念バージョン・ブルーレイディスク)を購入しました(アマゾンが便利なのは、注文や支払いはイギリスから、配送は日本の任意の住所=今回は大学の事務室宛)

準備万端で臨んだセッションですが、実はスキャンを想定して進行表を組んでいたのですが、教室のDVDのリモコンのスキャンの場所がいま一歩不明という事態に。

ただここからがゼミメンバーの素晴らしいところで、総時間数を画面でカウントしながら、該当のシーンにピンポイントで移動してくれました。私が逆の立場ならスキャンが?となった時点でギブアップしていたかもしれません。

この映画は示唆に富んでいて、管制司令官のGeneがあちらこちらで名言を放ちます。これがこの映画を卒論のこの時期に観る意味なのですが、まだご覧になったことのない皆さんは是非、一度ご覧下さい(サウンドトラックはいろいろなところでよく使われていますので聞いたことがあると思います)。

(2018.12.4)

★今回の教訓:どのような状況でも冷静さと楽観性を保つことは重要だ。

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オックスフォード通信(251)驚くべきChinese Restaurant

前々から行ってみたいとおもっていた中華料理店に行ってきました。フラットからそれほど遠くないのですが、何やら高級そうで少しためらっていました。チャイニーズレストランはサマータウンには2軒、その内一軒は、テイクアウトもできるので頻繁にお世話になっています。もう一軒は最もフラットから近いのですが、正式なレストランで少し高めです。

ということもあり、これまで行く機会が無かったのですが、妻がグループの集まりで行ってみて美味だったというので、一緒に出かけてみました。

行ってみてビックリ。エビが大きい、どれも美味しい。しかもそれほど高くありません。サマータウンの中華にはドラフトビアがなかったにここには生ビールもあります。

歩いて10分。何度も訪れたいいいお店を見つけました。

(2018.12.3)

★今回の教訓:食わず嫌いならず、行かず嫌いではいけない。

オックスフォード通信(250)師走

12月に入り、オックスフォードも慌ただしくなってきました。院生のみなさんはレポートをかかえて睡眠不足の顔をしておられます。オックスフォードの第一学期 (Michaelmas Term) は今週末で終了し、テスト・レポート週間に入っています。

(2018.12.2)

★今回の教訓:12月はイギリスも日本も忙しいですね。

オックスフォード通信(249)Stats

今週はデータ分析方法と統計について深く考える一週間となりました。オックスフォードには(有料ですが)学生・大学院生・研究者・教職員・一般を対象に数々のワークシップが提供されています。今週は質的データ分析のためのソフトウエアとして有名なNvivoの1日ワークショップに2日連続(1日目は基本、2日目は追うよう)に参加してきました。1日といっても朝9時半から5時までみっちりと、大学の授業に換算すると90分、4コマ換算の集中度です。

参加人数は20名弱。オックスフォードは授業週が少ない分、このようなワークショップが年間を通して提供されているのが興味深いところです。実はこのNvivoのワークショップは春にも一度開催されていたのですが、申し込もうとおもったところ既に満員で申し込みを締め切っていましたので、満を持しての参加となりました。

インストラクターは何人もがリレー形式で、自分の得意な分野を教えるという形式です。私の横にいたNickはオックスフォード大学の病院勤務の職員だと言っていました。確かに病院では患者さんのアンケート(自由記述)を分析する必要がありますね。これが終わったら、ユーロスターで今晩はパリだと言っていたのが印象的です。

私も講師の巧みな教え方といいムードのワークショップのお陰で、Nvivoが最初から最後まで使えるようになりました。あとは忘れないように実際の研究を続けることですね。

(2018.12.1)

★今回の教訓:ワークショップスタイルはすぐその場で身につくので効果的な教育方法だ。

オックスフォード通信(248)Magdaren Arms

料理の美味しいレストラン(通常、レストランは料理で勝負なので当たり前ですが)イギリスのベスト10に入っているという評判の Magdaren Arms というパブに行ってきました。

(2018.11.30)

★今回の教訓:オックスフォードに集う日本人の会。私が見落としている日本人からの視点をいつも気づかされます。貴重な会です。

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